【漢方の基礎知識】漢方で体質を見極めるものさしとは~虚実・陰陽・寒熱~

漢方生薬

漢方医学には、多くの理論があるために難しいと感じる方も多いかもしれません。しかし、一つひとつの意味が理解できるようになると、現在の体質や症状に合った漢方薬を適切に選ぶことができるようになります。

ご自身に合った漢方薬を選ぶことに不安を感じられている方は、YOJOの薬剤師に気軽に相談してみてくださいね。

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渡辺賢治先生の写真
渡辺賢治 医師 監修
慶應義塾大学医学部卒業、慶應義塾大学医学部漢方医学センター長、 慶應義塾大学教授を経て2019年より修琴堂大塚医院院長。

虚実(きょじつ)

実証・虚証

証(しょう)とは、患者さん個々の体質を見極める目安となるものさしです。
大きく 「虚証」 「実証」に分けられ、“今”のからだの状態を知ることができます。

・虚証(きょしょう)
体力がなく、病気に対する抵抗力や反応も弱い状態です。

虚証に多い特徴
・見た目はやせ型もしくは水太り
・からだの抵抗力が弱く病気がち
・胃腸が弱く下痢しやすい
・疲れやすい
・冷え性である
・気分が落ち込みやすい

・実証(じっしょう)
体力があり、本来は病気に対する抵抗力や反応も強い状態です。

実証に多い特徴
・見た目は筋肉質で固太り
・からだの抵抗力が強い
・胃腸が強いが便秘がち
・元気で活動的である
・怒りっぽい、イライラしやすい
・のぼせやすい

陰陽(いんよう)

陰陽

「陰」と「陽」は相互に働き合いながらバランスを保つことで健康を維持します。

・陰(いん)

陰とは、からだの熱を冷ましたり、潤したりする力をさします。
陰の不足(陰虚)は、からだのほてりやイライラ、口渇、皮膚の乾燥などにつながります。

・陽(よう)

陽とは、からだを温めたり、活発に動かしたりする力や熱のことをさします。
陽の不足(陽虚)は、からだの冷えや活力の低下、内臓の機能低下、精神的な落ち込みにつながります。

寒熱(かんねつ)

寒熱(かんねつ)とは「寒い」、「熱い」と感じる自覚症状と、客観的にみられる症状で判断され、漢方薬を選択するための1つの重要な目安となります。
例えば同じ胃炎症状でも、「寒証」の場合は冷えによる胃炎、「熱証」の場合は暑がりで胃に熱が溜まることによる胃炎というように、寒熱の判断によって治療で選択される漢方薬も異なります。

・寒証(かんしょう)
手足の冷え、寒がりなどの自覚症状と、皮膚の青白さ、舌診、脈診などの他覚所見から判断されます。

・熱証(ねっしょう)
ほてり、いらつきなどの自覚症状と、赤ら顔、舌診、脈診などの他覚所見から判断されます。

漢方薬は「証」によって適した処方が異なります。
同じ病気でも人によって異なる漢方薬が処方される場合もあれば、違う病名であっても「証」が共通していれば、同じ漢方薬が処方される場合もあります。

漢方の気血水や五臓の考え方について、さらに詳しく知りたい方はこちら▼の記事もお読みください。

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ご自身に合った漢方薬を選ぶことに不安に感じられている方は、一度YOJOの薬剤師に相談してみましょう。

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