漢方にも「飲み合わせ」があるって本当?

生薬

「漢方は天然成分由来だから安全で、他の薬と一緒に飲んでも大丈夫 」と思っている人…は要注意!!漢方にも、一緒に飲んではいけない薬があります。

ここでは、最も身近な漢方である「葛根湯」に絞って、含まれている生薬と他の薬との飲み合わせに注意が必要な例を紹介していきます!

葛根湯を構成する生薬:桂枝、麻黄、生姜、葛根、芍薬、大棗、甘草

飲み合わせに注意が必要な組み合わせ

① 麻黄(マオウ)と喘息薬

麻黄に含まれるエフェドリンは神経興奮作用があることが知られ、スポーツ選手の大会禁止薬物(ドーピング)にも指定されています。麻黄を含む漢方と喘息薬のテオフィリンを併用することで神経興奮作用が強く表れ、 頭痛や不眠、発汗などの症状が出ることがあります。

麻黄を含む漢方
葛根湯、小青竜湯、麻黄附子細辛湯など

②甘草(カンゾウ)と利尿薬

甘草を含む漢方を長期間多量に飲み続けるとまれに「偽アルドステロン症」という副作用を起こすことがありますが、利尿薬と併用することでこの副作用リスクが上がることが知られています。

偽アルドステロン症では「手足のだるさ、しびれ、つっぱり感、こわばり」がみられ、これらに加えて「力が抜ける感じ、こむら返り、筋肉痛」があらわれ、だんだん症状がきつくなっていくというのが特徴です。

利尿薬の他にも、ステロイド薬や甲状腺ホルモン薬、インスリンなどの併用によってもリスクが上がるため、注意が必要です。

甘草を含む漢方
葛根湯、芍薬甘草湯、六君子湯など

③生薬の重複

漢方を複数併用する場合、一部の生薬が重複してしまうことがあります。例えば、葛根湯と小青竜湯(どちらも麻黄を含む)を併用すると麻黄の重複により神経興奮作用が強く出すぎてしまい、頭痛や不眠を引き起こすことがあります。

他の漢方では大黄(ダイオウ)を重複してしまい腹痛や下痢を起こす例も知られています。

同時に飲まなければ大丈夫?

薬の飲み合わせには飲む時間をずらすことによってリスクを避けられるものと、薬の服用中ずっと避けなければ問題ないものがあります。

身近な西洋薬を例にあげてご紹介します。抗生物質の中には牛乳と一緒に飲むと効果が下がってしまうものがありますが、薬を飲んでから2時間ほど時間を空ければ牛乳を飲んでも構いません。

一方で血圧を下げる降圧薬の中には、薬の服用中ずっとグレープフルーツジュースを飲まないように指示されるものがあります。これは時間を空けても、リスクを回避することができません。漢方でも同じで、処方によって対応を変える必要があります。

飲み合わせを調べるには?

飲んでいる薬全てに関して「添付文書」という書類を調べれば、ある程度情報を得ることはできます。しかしこの書類では、漢方名(葛根湯など)ではなく生薬名(麻黄など)や成分名(エフェドリンなど)で記されていることがほとんどです。

自分で正確に調べることはとても難しいので、薬剤師に相談するのが最も確実で安全です

相談する際には「いつから飲んでいるか」「どれくらいの量を飲んでいるか」なども合わせて薬剤師に伝えれば、スムーズに返答してもらえます。「お薬手帳」を持っている場合はそれを見せるのが良いでしょう。

いかがでしたでしょうか?

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