「耳鳴りがするのに検査をしても異常がない」「耳鳴りと共にめまいや吐き気の症状もある」
そのような原因がはっきりと分からない耳鳴りや、全身の不調を伴う耳鳴りに対して、漢方薬が有効な治療法の一つになることがあります。
この記事では、
・耳鳴りの原因と漢方の考え方
・耳鳴りに効く具体的な漢方薬とその選び方
・市販で購入できる漢方薬や漢方以外のおすすめ養生法
について、薬剤師が解説します。
なかなか改善しないツライ耳鳴りに悩まれている方はYOJOの薬剤師にも相談できます。
耳鳴りと漢方の処方とは
耳鳴りの有病率は人口の15~20%と多く、65歳以上では30%以上の人が耳鳴りで苦痛を感じているとされています。[1]
一方で、耳鳴りに特化して効果を期待できる治療薬は少なく、西洋医学でも完治が難しいケースが頻繁に見られます。また、耳鳴りの原因が特定できない場合があることや耳鳴り以外の不定愁訴を訴える患者さんが多いことも特徴です。
このような耳鳴りの治療において、漢方薬での改善が期待できる場合があります。ここでは耳鳴りと漢方の処方について順にお伝えします。
そもそも耳鳴りはなぜ起こる?原因や症状とは
耳鳴りとは外に音源が無いにも関わらず、耳や頭の中で音が聞こえる状態です。
耳鳴りには、以下の2種類があります。
①自覚的耳鳴(じかくてきじめい)…本人しか聞こえない耳鳴り。一般に「キーン」「ジー」「ブーン」というような音が聞こえる。
②他覚的耳鳴(たかくてきじめい)…聴診器などで他人も確認できる耳鳴り。血管の異常や筋肉のけいれんなどから起こるため、一般に「ドクドク」「コツコツ」というような音が聞こえる。
図.耳の仕組み
音は外耳から入り鼓膜を振動させ、耳小骨を介して内耳に伝えられます。【伝音系】
内耳で伝えられた振動は蝸牛で電気信号に変換され、聴神経を介して脳に伝えられ音として認識されます。【感音系】
耳鳴りの大部分は感音系の障害によって起こる自覚的耳鳴で、多くは感音難聴も伴います。メカニズムは完全には解明されておらず、内耳の蝸牛にある有毛細胞の興奮や蝸牛神経の自発放電、難聴により足りない電気信号を補おうと脳が興奮することなどさまざまな説があります。[2]
また過度のストレスや更年期障害などで自律神経のバランスが崩れることも耳鳴りを引き起こす原因になります。からだの緊張状態が続くと、交感神経が優位となり、血管が収縮します。すると血液が組織へと十分に行き渡らなくなり、耳周辺の血行が悪くなることで耳鳴りが起こりやすくなると考えられているのです。
耳鳴りを起こす病気
耳鳴りを引き起こす主な病気としては、以下のようなものがあげられます。[2]
(1)突発性難聴
内耳の血流障害やウイルス感染などが原因で突然音の聞こえが悪くなる病気。
(2)加齢性難聴
加齢とともに高音域の周波数から徐々に難聴が進行する。内耳から聴神経、脳までの聴覚路全体の老化現象。
(3)メニエール病
内耳のリンパ液が増加して水ぶくれのようになることが原因で起こる病気。
(4)音響外傷
ライブコンサートなどで大きな音を聞いた後に急に聞こえが悪くなる病気。内耳から脳へ音を伝える役割を担う有毛細胞が傷つけられることで起こる。
(5)滲出性中耳炎
中耳と鼻の奥を結ぶ耳管が狭くなり、中耳に液がたまる病気。
このほかにも、耳垢の詰まりや脳出血・脳梗塞の前触れや後遺症などで起こることもあれば、病名のつかない原因不明の耳鳴りも多くあります。
気になる症状がある場合は、早めに耳鼻科を受診しましょう。
耳鳴りの治療 西洋医学では?
一般的な耳鳴りの薬物治療としては、内耳の血流や細胞の働きを改善するATP製剤(アデホスコーワ®)や耳鳴緩和剤(ストミン A®錠)、神経に働きかけるビタミンB12製剤(メチコバール®)で耳鳴りの症状を緩和していきます。また、耳鳴りの原因となっている病気がはっきりと分かっている場合は、まずはその病気の治療を行うことで耳鳴りは改善されていきます。
一方で、原因不明で起こる耳鳴りも多く、完治が難しいケースも現状では少なくありません。耳鳴りや難聴のストレスで自律神経に悪影響を及ぼし症状がさらに悪化したり、イライラや抑うつ、不眠障害などの症状が起こったりすることもあります。
漢方医学でみる耳鳴りとは
では、漢方での耳鳴りの治療はどうでしょうか。
漢方医学では「心身全体のアンバランスを治すことを通して病気を治療する」という考え方をします。
耳鳴りの治療においても同様で、単に症状を取ることだけを目的とするのではなく、耳鳴りに伴う症状(ストレスや不眠など)や、患者さん個々の体質(加齢や高血圧など)を考慮することで、からだ全体の不調を整えていくのが漢方治療の特徴です。
漢方医学では、耳は五臓の「腎」・「肝」と特に関係が深いとされています。
加齢に伴い、「腎」の気が不足すると耳鳴りが生じます。また、ストレスなどが「肝」に影響して気が上昇することも耳鳴りが起こる原因になります。
そのほか、からだに余分な水分がたまって「水毒(すいどく)」の状態になると耳の内リンパ液の循環に影響を及ぼしたり、全身の血の巡りが悪くなる「瘀血(おけつ)」の状態になると耳周囲の血流が悪くなったりする結果、耳鳴りを起こすと考えられています。また耳鳴りによるストレスから「気うつ(きうつ)」の状態に陥ることもあります。
それぞれの状態に処方される具体的な漢方薬の例は以下のようなものがあります。[3][4]
漢方でみる状態 | 具体的な漢方薬の例 |
---|---|
【腎虚】 主に高齢者で腎の機能が衰えている |
八味地黄丸(+下半身の冷え)、牛車腎気丸、六味丸(+のぼせ・ほてり)など |
【肝の失調】 自律神経系の過緊張・亢進がある |
釣藤散(+高血圧・頭痛)、抑肝散(+神経症・不眠)、柴胡加竜骨牡蛎湯(+不安感・不眠)、黄連解毒湯、大柴胡湯(+便秘・肩こり)など |
【水毒】 めまいや低音部の難聴を伴う |
五苓散、苓桂朮甘湯(+動悸・頭痛)、半夏白朮天麻湯(+胃腸虚弱・頭重感)、真武湯(+冷え)など |
【瘀血】 内耳の血行不良がある |
七物降下湯(+高血圧・肩こり)、当帰芍薬散(+冷え)、桂枝茯苓丸、加味逍遥散、桃核承気湯、通導散など |
【気うつ】 耳鳴りから抑うつ傾向になる |
半夏厚朴湯、加味帰脾湯、抑肝散加陳皮半夏、香蘇散など |
ご自身の体質や症状に合った漢方薬について悩まれている方は、YOJOの薬剤師にも相談できます。
耳鳴りに効く漢方薬とは
ここでは、耳鳴りに効果の期待できる具体的な6種類の漢方薬をあげ、その特徴や服用上の注意点について解説します。
【高血圧や気の高ぶりからくる耳鳴りに】釣藤散(ちょうとうさん)
釣藤散は「気」の上昇を抑えて「血」の巡りも整える作用のある漢方薬です。とくに耳鳴りやめまい、頭痛など首から上に起こる不調に向くとされています。
ストレスによって血圧が上がる人は「気」がからだの上部へと上昇している状態です。「気」は上昇すると熱へと変わって頭痛やめまいなどの不調を起こします。また「気」の上昇とともに「血」も上昇するため、のぼせや目の充血なども現れます。
配合生薬の「釣藤鈎(ちょうとうこう)」には血管弛緩作用があることが報告されています。[5]そのため、釣藤散の服用で内耳の循環改善作用による耳鳴り・めまいの改善や、降圧作用による高血圧の改善へ導く可能性が示唆されています。
配合生薬
釣藤鈎、石膏、茯苓、半夏、防風、菊花、人参、麦門冬、陳皮、生姜、甘草
服用がおすすめな人
体力が中等度で、慢性頭痛や高血圧に伴う耳鳴り・めまいがある人におすすめの漢方薬です。とくに早朝から午前中に体調が悪くなるような人に向きます。
服用上の注意
胃腸が弱い冷え性の人は注意しましょう
漢方薬の作用で症状が悪化する場合があります。
複数の漢方薬を服用する場合は注意ましょう
配合生薬の「甘草」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。
【めまいやふらつきを伴う耳鳴りに】苓桂朮甘湯 (りょうけいじゅつかんとう)
苓桂朮甘湯には、「気」の循環を改善して余分な「水」を取り除く作用のある漢方薬です。自律神経の調節障害などからくる耳鳴りのほか、頭痛やめまいを改善する効果が期待できます。メニエール病や自律神経失調症、起立性調節障害などの治療にも用いられることがあります。[6]
苓桂朮甘湯は4種の生薬から構成される漢方薬です。「茯苓(ぶくりょう)」には、水の巡りを整えるだけでなく、鎮静作用や抗不安作用があります。「朮(じゅつ)」は水分代謝を高めて不要な水分を取り除き、「桂皮(けいひ)」はからだの表面を温めて血行を改善します。「甘草(かんぞう)」にはイライラ、緊張を和らげる作用があります。
そのため、苓桂朮甘湯は動悸や不安神経症がある場合にも効果が期待できます。
配合生薬
茯苓、桂枝、白朮、甘草
服用がおすすめな人
尿量減少や口渇、吐き気などの症状が顕著でない人で、冷え性傾向で体力が中程度以下の人、特に午前中の不調が強い人におすすめの漢方薬です。めまい・ふらつきや動悸などを伴う場合に向きます。
服用上の注意
複数の漢方薬を服用する場合は注意ましょう
配合生薬の「甘草」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。
めまいに効果の期待できる漢方薬についてさらに知りたい方はこちら▼の記事もお読みください。
【天気や気圧の変化で悪化する耳鳴りに】五苓散(ごれいさん)
五苓散は、「水」の巡りを整え、からだ全体の水分代謝を正常に戻す働きをもつ代表的な利水剤です。体内のアクアポリンという水チャネルに作用して水分の移動を調節する作用があることが報告されています。[7]
五苓散には「沢瀉(たくしゃ)・猪苓(ちょれい)・茯苓(ぶくりょう)・白朮(びゃくじゅつ)」といった利尿作用をもつ複数の生薬が配合されています。
耳鳴りやめまいを起こす原因の一つとして、体内の余分な水分が、頭部で脳脊髄液や耳の内リンパ液の循環に影響を及ぼしている可能性があげられます。そのような「水毒」による耳鳴りに五苓散は効果的です。
配合生薬
猪苓、茯苓、白朮、沢瀉、桂皮
服用がおすすめな人
口や喉が渇いて尿量が少ない人、からだ全体にむくみのある人におすすめの漢方薬です。天候や気圧の変化によって耳鳴り・めまい、頭痛などの不調を起こしやすい場合にも向きます。
天気や気圧の変化で起こる頭痛に効果の期待できる漢方薬についてさらに知りたい方はこちら▼の記事もお読みください。
【高齢者の耳鳴りに】八味地黄丸(はちみじおうがん)
八味地黄丸は、「腎虚」の状態を改善する効果のある代表的な補腎剤です。とくに高齢者の耳鳴りは加齢によるものが多く、腎虚の改善が重要となります。[8]
八味地黄丸は「気」「血」「水」すべてを補い、からだ全体を温めて新陳代謝を改善する作用があります。難聴やめまいを伴うような高齢者の慢性的な耳鳴りに効果が期待できます。
配合生薬
地黄、山茱萸、山薬、茯苓、沢瀉、牡丹皮、桂皮、附子
服用がおすすめな人
体力のない虚弱体質で、足腰の冷えや疲労感のある人の耳鳴り、難聴、めまいなどの症状におすすめの漢方薬です。腎や生殖機能が衰え頻尿・乏尿などの排尿トラブルがあるような高齢者にも向きます。
服用上の注意
動悸や口唇のしびれなどの中毒症状に注意しましょう
配合生薬の「附子(ぶし)」は、過剰に摂取すると中毒症状(ほてり・熱感・悪心嘔吐・しびれ・不整脈・めまい)を起こす可能性があるため、注意が必要です。
妊娠中は服用を避けましょう
配合生薬の「牡丹皮(ぼたんぴ)」が流早産のリスクを高めたり、「附子」による副作用が起こりやすくなったりするため、妊娠した場合は服用を中止しましょう。[9]
【ストレスや疲労時の耳鳴りに】当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
当帰芍薬散には、「血」の不足を補うとともに「水」の巡りを良くすることでからだ全体の代謝を整える作用があります。
配合生薬である「当帰(とうき)・川芎(せんきゅう)」に血を補って血行を良くする作用があるほか、「芍薬(しゃくやく)」が筋肉のけいれんを和らげ、血管の状態を良くします。さらに「沢瀉(たくしゃ)・茯苓(ぶくりょう)・白朮(びゃくじゅつ)」といった水の代謝を整える生薬が配合されています。
ストレスや疲労を感じることで自律神経のバランスが乱れ、耳の中の血行不良・内耳の水腫が起きることが耳鳴りの原因の一つとされています。血行改善作用や利水作用をもつ当帰芍薬散は、このような耳鳴りに効果的です。
配合生薬
芍薬、白朮、沢瀉、茯苓、川芎、当帰
服用がおすすめな人
体力虚弱で冷え性や貧血傾向のある人の耳鳴りや立ちくらみにおすすめの漢方薬です。更年期障害や妊娠中の不調にも用いられます。
服用に注意が必要な人
胃腸が弱い人は注意しましょう
食欲不振や吐き気などの消化器症状の副作用が起こる場合があります。
【自律神経の乱れや不眠を伴う耳鳴りに】抑肝散(よくかんさん)
抑肝散は、「肝」の高ぶりを抑えることで自律神経系の亢進や過緊張を改善する作用があります。そのためイライラなどのストレスや不眠を伴う耳鳴り、めまい、頭痛などに対して効果が期待できます。また、「耳鳴りが気になって仕方がない」「耳鳴りで眠れない」といった症状を強く訴えるような神経症の方にも有効な場合があります。子どもから高齢者まで、幅広い年齢層に使える漢方薬です。
配合生薬
白朮、茯苓、川芎、当帰、柴胡、甘草、釣藤鈎
服用がおすすめな人
体力は中等度の人で神経が高ぶりやすい人に向きます。生理前や更年期などホルモンバランスの乱れで起こる身体・精神不調にも使用できます。
服用上の注意
胃腸が弱い人は注意しましょう
副作用で食欲不振、吐き気などの消化器症状が起こる場合があります。
複数の漢方薬を服用する場合は注意しましょう
配合生薬の「甘草(かんぞう)」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。
重大な副作用として、間質性肺炎や肝機能障害に注意しましょう
間質性肺炎の症状(たとえば発熱、咳、呼吸困難など)や、肝機能障害の症状(たとえば発熱、全身倦怠感、嘔気嘔吐、黄疸など)があらわれた場合は、服用を中止しすみやかに受診するようにしましょう。
自律神経の乱れを整える漢方薬について、さらに詳しく知りたい方はこちら▼の記事もお読みください。
耳鳴りに効果の期待できるおすすめの市販薬とは
ここでは、まずは気軽に漢方薬を試してみたい方向けに、市販で購入できる漢方商品を紹介します。
ツムラ漢方47 釣藤散エキス顆粒
イライラして頭痛がする方の耳鳴りに
釣藤散エキスを有効成分とした商品です。慢性頭痛や高血圧傾向の人の耳鳴りに効果が期待できます。
分類 | 第2類医薬品 |
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適応する人 | 体力中等度で、慢性に経過する頭痛、めまい、肩こりなどがある人 |
形状 | 顆粒剤 |
用法・用量 | 1日2回食前に服用。 成人(15歳以上):1回1包 15歳未満7歳以上:1回2/3包 7歳未満4歳以上:1回1/2包 4歳未満2歳以上:1回1/3包 |
服用対象年齢 | 2歳以上(2歳未満は服用しないこと) |
効能効果 | 慢性頭痛、神経症、高血圧の傾向のあるもの |
内容量 | 20包 |
「クラシエ」漢方苓桂朮甘湯エキス顆粒
めまいや立ちくらみがある方の耳鳴りに
苓桂朮甘湯エキスを有効成分とした商品です。動悸や不安感を伴う人にも向きます。
分類 | 第2類医薬品 |
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適応する人 | 体力中等度以下で、めまい、ふらつきがあり、ときにのぼせや動悸がある人 |
形状 | 顆粒剤 |
用法・用量 | 次の量を1日3回食前または食間に水または白湯にて服用してください。 成人(15歳以上):1回1包 7歳以上15歳未満:1回2/3包 4歳以上7歳未満:1回1/2包 2歳以上4歳未満:1回1/3包 2歳未満:1回1/4包 |
服用対象年齢 | 生後3か月以上(生後3か月未満は服用しないこと) |
効能効果 | 立ちくらみ、めまい、頭痛、耳鳴り、動悸、息切れ、神経症、神経過敏 |
内容量 | 24包 |
ツムラ漢方17五苓散料エキス顆粒
めまいやむくみ、吐き気を伴う方の耳鳴りに
五苓散エキスを有効成分とした商品です。体力の有無に関わらずどの体質の人にも向いています。
分類 | 第2類医薬品 |
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適応する人 | 体力に関わらず使用でき、のどが渇いて尿量が少ないもので、めまい、はきけ、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う人 |
形状 | 顆粒剤 |
用法・用量 | 次の量を1日3回食前または食間に水または白湯にて服用してください。 成人(15歳以上):1回1包 7歳以上15歳未満:1回2/3包 4歳以上7歳未満:1回1/2包 2歳以上4歳未満:1回1/3包 |
服用対象年齢 | 2歳以上(2歳未満は服用しないこと) |
効能効果 | 水様性下痢、急性胃腸炎(しぶり腹注)のものには使用しないこと)、暑気あたり、頭痛、むくみ、二日酔 |
内容量 | 10包/48包 |
「クラシエ」漢方八味地黄丸料エキス錠
高齢で疲れやすい方の耳鳴りに
八味地黄丸エキスを有効成分とした商品です。体力のない疲れやすい人に向いています。
分類 | 第2類医薬品 |
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適応する人 | 体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少または多尿で、ときに口渇がある人 |
形状 | 錠剤 |
用法・用量 | 次の量を1日2回食前に水またはお湯で服用してください。 成人(15歳以上):1回4錠 7歳以上15歳未満:1回3錠 |
服用対象年齢 | 7歳以上(7歳未満は服用しないこと) |
効能効果 | 下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、軽い尿漏れ |
内容量 | 180錠/360錠/540錠 |
ツムラ漢方当帰芍薬散料エキス顆粒
冷え性でむくみやすい方の耳鳴りに
当帰芍薬散エキスを有効成分とした商品です。貧血傾向で疲れやすく冷えやすい人に向きます。
分類 | 第2類医薬品 |
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適応する人 | 体力虚弱で、冷え性で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴える人 |
形状 | 顆粒剤 |
用法・用量 | 次の量を1日2回食前に水またはお湯で服用してください。 成人(15歳以上):1回1包 7歳以上15歳未満:1回2/3包 4歳以上7歳未満:1回1/2包 2歳以上4歳未満:1回1/3包 |
服用対象年齢 | 2歳以上(2歳未満は服用しないこと) |
効能効果 | 頭痛、頭重、立ちくらみ、めまい、蓄膿症(副鼻腔炎) |
内容量 | 20包/48包 |
ツムラ漢方54抑肝散エキス顆粒
ストレスで気が高ぶる方の耳鳴りに
抑肝散エキスを有効成分とした商品です。イライラや不眠の症状がある人に向きます。
分類 | 第2類医薬品 |
---|---|
適応する人 | 体力中等度をめやすとして、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがある人 |
形状 | 顆粒剤 |
用法・用量 | 次の量を1日2回食前に水またはお湯で服用してください。 成人(15歳以上):1回1包 7歳以上15歳未満:1回2/3包 4歳以上7歳未満:1回1/2包 2歳以上4歳未満:1回1/3包 2歳未満:1回1/4包 |
服用対象年齢 | 生後3か月未満の乳児は服用しないこと |
効能効果 | 神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症(神経過敏)、歯ぎしり、更年期障害、血の道症 |
内容量 | 20包/48包 |
なかなか改善しない耳鳴りに漢方以外のおすすめ養生法とは
原因が分からない耳鳴りの場合は完全に消失させることが難しいケースもありますが、普段の生活習慣を改善することで、自律神経のバランスが整い、耳鳴りの症状が軽減されたり、気にならなくなったりすることもあります。
ここでは、耳鳴りの症状に対しておすすめの養生法をお伝えします。
規則正しい生活をする
なるべく毎日の起床時刻や睡眠時刻、食事時間などは一定にしましょう。決まったリズムで生活することで自律神経のバランスも整いやすくなります。栄養バランスの整った食事を3食きちんと取ることも大切です。
十分な睡眠を取る
自律神経を整えるためには質の良い睡眠が大切です。リラックスした状態で眠れるように、寝室の環境を整えたり、寝る前に脳が興奮するようなテレビやスマートフォンの視聴は控えましょう。
からだの緊張をほぐして血行を促進する
血行の悪い状態が続くと耳鳴りの悪化につながります。また耳鳴りの症状に悩まれている方は、首や肩のこりを訴える場合も多いです。
軽いストレッチや入浴でからだを温めて、血行を促進しましょう。またタバコは内耳の血流を悪化させる要因になるため控えた方が良いでしょう。
ストレスをためないように適度にリフレッシュする
過度のストレスや緊張は自律神経の乱れを引き起こし、耳鳴りを悪化させてしまいます。十分な休息を取ると共に、楽しめる趣味やスポーツを見つけて適度にリフレッシュしましょう。
YOJOでは耳鳴りに効果的な漢方薬の相談だけでなく、生活習慣上のアドバイスも受けることができます。なかなか改善しない耳鳴りの症状に悩まれている方は、一度YOJOの薬剤師に相談してみるのもよいでしょう。
【参考文献】
[1]一般社団法人日本聴覚医学会 耳鳴診療ガイドライン2019年版
[2]千葉県医師会 うるさい耳鳴り
[3]公益社団法人 福岡県薬剤師会 ,耳鳴りに使用される漢方薬は何があるか?
[4]斎藤昌ら(2012) めまい・耳鳴りの漢方診療,phil漢方 No.38
[5]西田清一郎ら(2011) 釣藤散が耳鳴の治療経過中に速やかな降圧効果を示した1症例,日東医誌vol62.No.5,638-642
[6]嶺井聡ら(2019)苓桂朮甘湯が適応となる新たな病態に関する考察, 日東医誌vol70.No.2,141-145
[7] 礒濱洋一郎(2011)五苓散のアクアポリンを介した 水分代謝調節メカニズム, Science of Kampo Medicine 漢方医学 Vol.35 No.2
[8]加藤士郎(2014)No.22 耳鳴り, 漢方スクエア Vol.11 No.15
[9] 公益社団法人 福岡県薬剤師会,妊婦への投与に注意が必要な漢方薬