ニキビは10代の思春期だけでなく、20代以降の成人してからも悩まされることもある、代表的な肌トラブルです。そのため、ニキビの治療薬にはさまざまなものがあります。
「ニキビの薬にはどんな種類があるの?」
「市販薬と皮膚科で処方される薬の成分は何が違うの?」
「ニキビの薬は化粧水・乳液の前に塗るのか後に塗るのか分からない」
ニキビに悩まれている方の中には、そんな疑問や悩みを抱える方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、
・ニキビのタイプと適切な薬の選び方
・皮膚科で処方される薬と市販薬の違い
・医療機関で処方されるニキビの薬について、それぞれの特徴や使い方
・ニキビケア成分の入ったおすすめの市販薬
・ 薬の正しい塗り方や順番、注意すべき副作用
について詳しく解説します。
ニキビ治療薬に関する質問・疑問は、YOJOの薬剤師にも相談することができます。まずは無料の体質チェックから始めてみましょう。
Contents
ニキビのタイプと薬の使い分け
ニキビに効く薬にはさまざまなものがありますが、ニキビの原因や炎症の有無などから、治療薬の選択や必要なスキンケアが異なります。
まずは、ニキビの原因や種類について詳しくご説明します。
ニキビができる原因とは
ニキビは慢性炎症性疾患の一つとされる皮膚の病気で、医学用語で尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう) と呼びます。[1]
10代の思春期を迎える中学生~高校生の時期に好発し、その後は減少しますが、思春期を過ぎた20代後半から気になり始めたという方も少なからずいらっしゃいます。
同じニキビではあるものの、実は主な原因や好発部位が異なることから「思春期ニキビ」「大人ニキビ」と分けて呼ばれています。
ニキビの 種類 |
年齢 | 原因 | 好発部位 |
---|---|---|---|
思春期 ニキビ |
10代 | ・過剰な皮脂分泌 | Tゾーン ・額 ・眉 ・鼻 |
大人 ニキビ |
20代後半 | ・不規則な 生活習慣 ・食生活の偏り ・ホルモンバランスの乱れ ・ストレス ・肌の乾燥 |
Uゾーン ・頬 ・口元 ・あご ・首 |
思春期ニキビ
過剰な皮脂による毛穴の詰まりが原因で起こる思春期ニキビは、皮脂分泌量の多いTゾーン(額、眉、鼻)にできやすいです。そのため、ニキビ治療薬だけでなく、丁寧な洗顔やスキンケアで肌を清潔に保つことでも改善が期待できます。また、甘いものや脂っこいものの食べ過ぎも避けることが大切です。
大人ニキビ
不規則な生活習慣やストレス、肌の乾燥などによるターンオーバーの乱れが主な原因である大人ニキビは、乾燥しやすい部分にもできる傾向にあります。その中でもUゾーン(頬、口周り、顎、首など)と呼ばれるフェイスラインにできやすいのが特徴的です。
そのため、日頃のスキンケアでは肌をしっかりと保湿することが大切です。また、食事や化粧品から肌のターンオーバーを活性化してくれるような栄養素や薬効成分を取り入れるのも良いでしょう。
ニキビの種類と薬の選択
白ニキビ
毛穴の内側に過剰な皮脂や皮膚の汚れが溜まり、毛穴の出口をふさいでしまっている状態です。表面は薄い皮膜で覆われ白っぽく見えます。
黒ニキビ
毛穴の内側で溜まった皮脂・汚れが毛穴を押し広げて毛穴が開き、皮脂が酸化されて黒ずんで見える状態です。
白ニキビや黒ニキビは、初期段階のニキビであり、まだ炎症を起こしていない状態です。この段階で毛穴の詰まりを正しく取り除くスキンケアや薬を選択することで、アクネ菌の増殖を抑えて症状の悪化を防ぐことができます。
赤ニキビ
黒ニキビの状態が悪化し、アクネ菌が毛穴の内側で増殖して炎症を起こしている状態です。
黄ニキビ
赤ニキビの状態からさらに炎症が広がり、膿ができて黄色く見える状態です。
赤ニキビや黄ニキビは、毛穴内でアクネ菌が大量に増殖した結果、肌に炎症が起こっています。そのため、菌の増殖を抑える抗生物質(抗菌薬)や抗炎症薬による治療が必要です。過度な洗顔やスキンケアは逆に肌を刺激し、炎症を悪化させる原因になるため、やめましょう。
ニキビや肌荒れに効果的な対策についてさらに詳しく知りたい方はこちら▼
皮膚科で処方されるニキビの薬とは~特徴や使用上の注意点について~
では、ニキビに効果のある治療薬には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
治療ガイドラインでは、赤ニキビ・黄ニキビの数で軽症~重症を定義しています。[2]
軽 症:片顔に炎症性皮疹(赤ニキビ+黄ニキビ)が 5 個以下
中等症:片顔に炎症性皮疹が 6 個以上 20 個以下
重 症:片顔に炎症性皮疹が 21 個以上 50 個以下
最重症:片顔に炎症性皮疹が 51 個以上
ニキビの治療は健康保険を使用して治療をすることが可能です。
ここでは、皮膚科で処方される具体的な塗り薬・飲み薬をご紹介します。
塗り薬
昔は抗生物質でアクネ菌を抑える薬での治療が主流でしたが、近年では毛穴の詰まりを解消するコメド(面皰)治療薬が開発されたことから、白ニキビや黒ニキビの段階からも治療ができるようになっています。
ディフェリンゲル (有効成分:アダパレン)
アダパレンは、ビタミンA誘導体と類似した作用をもつ有効成分です。
毛穴の皮膚の細胞が、肌表面の角質細胞になる過程(角化)を調節し、毛穴の詰まりを抑えることでニキビを予防します。
そのため、ニキビ一つ一つに塗布するというよりも、ニキビとこれからニキビができそうな部分全体に面として塗っていくような外用剤です。
ニキビへの効果や使い方
白ニキビや黒ニキビの発生を防ぎます。さらに、抗菌薬の塗り薬・飲み薬と併用して赤ニキビ・黄ニキビにも使用されることもあります。
また、ニキビの治療完了後も、再発を予防するための維持療法として継続使用する場合もあります。
使用上の注意や副作用
・1日1回就寝前に使用する薬です。
・使用開始時に皮むけや乾燥、赤み、刺激感の副作用が高い頻度でみられます。
ただしおよそ1~2週間程度の短期間でおさまる場合がほとんどです。薬を使用する前に肌をしっかり保湿することで、症状が緩和する場合もあります。
・効果が出るまで1~数か月程度かかるため、根気よく継続することが大切です。
使用できない人
妊娠中または妊娠している可能性のある女性は使用できません。動物実験で胎児の骨に異常を起こす可能性が報告されています。
また、授乳中の使用も避けましょう。
ベピオゲル(有効成分:過酸化ベンゾイル)
過酸化ベンゾイルは、アクネ菌を酸化することで殺菌効果を発揮する有効成分です。一般に菌の増殖を抑える薬剤では耐性菌の発現が問題になりますが、2023年時点では過酸化ベンゾイルの薬剤耐性菌は報告されていません。
また、ピーリング作用もあり、毛穴の詰まりを解消してニキビを防ぐ効果もあります。
ニキビへの効果や使い方
・ニキビ初期の白ニキビ・黒ニキビから、炎症を起こしている赤ニキビ・黄ニキビまで幅広く使用できます。
・効果が出るまで2週間~数か月程度の継続した使用が必要です。
使用上の注意・副作用
・25℃以下での保管が必要な薬剤です。
・およそ半数ほどの方が、使用開始時に皮むけ、乾燥、刺激感の副作用がみられます。ただし1か月程度で軽快していく場合がほとんどです。薬を使用する前に肌をしっかり保湿したり、紫外線対策を行ったりすることで症状が緩和する場合もあります。
・漂白作用があるため、髪や衣服に付着しないように注意が必要です。
エピデュオゲル(有効成分:アダパレン・過酸化ベンゾイル)
アダパレンと過酸化ベンゾイルの合剤です。
各々の単剤よりも効果が高いことから、主に単剤での使用で効果が不十分であった場合に使用されます。また、耐性菌の懸念がないことから維持療法として使用される場合もあります。
ニキビへの効果や使い方
中等症以上のニキビに使用します。
初日はニキビを中心にせまい範囲に塗り、徐々に塗る面積を広げていきます。
使用上の注意・副作用
・1日1回夕方から就寝前に使用します。
・刺激感や痛み、かぶれなど単剤で使用したときよりも強い副作用がみられる場合があります。使用を続けるにつれて治まることが多いですが、痛みが強く我慢できない場合は、塗布後15分で洗い流したり、使用頻度を下げたりする「ショートコンタクト療法」を取ることもあります。
・漂白作用があるため、髪や衣服に付着しないように注意が必要です。
使用できない人
妊娠中または妊娠している可能性のある女性は使用できません。
また、授乳中の使用も避けましょう。
デュアック配合ゲル(有効成分:クリンダマイシン・過酸化ベンゾイル)
抗生物質のクリンダマイシンと、酸化剤の過酸化ベンゾイルの合剤です。
強い抗菌作用と抗炎症作用をもつことから、炎症性ニキビを早期に治療できます。
ニキビへの効果や使い方
・炎症を起こしている赤ニキビ・黄ニキビだけでなく、ピーリング作用もあるため白ニキビ・黒ニキビからでも使用できます。
使用上の注意・副作用
・2~8℃以下の冷所保管が必要な薬剤です。
・比較的高い頻度で使用開始時に乾燥、刺激感の副作用がみられます。またまれに接触性皮膚炎や下痢の報告もあるため注意が必要です。
・クリンダマイシンの薬剤耐性のリスクがあるため、効果不良の場合は12週間で使用を中止します。
・漂白作用があるため、髪や衣服に付着しないように注意が必要です。
使用できない人
妊娠中または妊娠している可能性のある女性は使用できません。
また、授乳中の使用も避けましょう。
抗生物質(ゼビアックス・ダラシンT・アクアチム)
・ゼビアックス ローション(有効成分:オゼノキサシン)
・ダラシンT ゲル/ローション(有効成分:クリンダマイシン)
・アクアチム 軟膏/クリーム/ローション(有効成分:ナジフロキサシン)
アクネ菌・ブドウ球菌などの感染により起こるニキビの炎症や化膿を抑える作用があります。
ニキビへの効果や使い方
・炎症を起こしている赤ニキビ・黄ニキビに使用します。
・使用期間の目安は2~3か月です。
使用上の注意・副作用
薬剤耐性のリスクがあるため、効果不良の場合は4週間で使用を中止します。
飲み薬
抗生物質(ミノマイシン・ビブラマイシン・ルリッド・ファロム)
ニキビへの効果や使い方
・薬剤耐性を防ぐために、炎症の強い赤ニキビ・黄ニキビにのみ3か月までの服用が推奨されています。
・治療ガイドラインではドキシサイクリン・ミノサイクリンが最も推奨度が高く、次いでロキシスロマイシンとファロペネムが推奨されています。
服用上の注意・副作用
一般に抗生物質の飲み薬で多い副作用として、下痢や腹痛、胃の不快感、吐き気などがあります。
そのほかにも個別で注意しなければならない使用上の注意や副作用もあります。
【テトラサイクリン系】
一部の制酸剤や便秘薬、貧血の薬などに含まれる金属イオン(マグネシウム、鉄、カルシウムなど)により吸収が低下することが報告されています。併用する場合は2〜4時間は間隔をあけて服用しましょう。
【マクロライド系】
一部の制酸剤との併用で抗生物質の効果が減弱します。
【カルバペネム系】
一部のてんかんの薬との併用で、てんかん治療効果が減弱します。
服用できない人
【テトラサイクリン系】
8歳未満の小児および妊娠中・授乳中の女性は避けましょう。
小児や胎児に骨や歯の異常を引き起こす可能性があります。また、母乳への移行も報告されています。
漢方薬(荊芥連翹湯・清上防風湯・十味敗毒湯)
・荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
・清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
・十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
他の治療薬が選択できない、もしくは効果不良の場合に使用されます。また、他の治療薬と併用して使われる場合もあります。
患者さんの体質や症状に合わせて適切な漢方薬が選択され、ニキビができやすい体質を改善します。
ニキビへの効果や使い方
治療ガイドラインでは、赤ニキビ・黄ニキビには荊芥連翹湯、清上防風湯、十味敗毒湯が推奨され、白ニキビ・黒ニキビには荊芥連翹湯のみが推奨されています。
服用上の注意
複数の漢方を長期で服用する場合は注意しましょう。
炎症を抑える作用をもつ生薬「甘草」が含まれています。複数の漢方薬の服用で甘草が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなります。
ご自身の体質に合った漢方薬の選び方や、漢方の服用で気になることがあれば、無料相談も可能ですので、YOJOに一度ご相談ください。
またニキビに使用できる漢方薬についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もお読みください。
皮膚科で処方される医薬品と市販薬の違い
医療機関で処方される治療薬とドラックストア・薬局で購入できる市販薬では、大きく以下のような違いがあります。
有効成分の種類や効果の強さ
たとえば、コメド治療薬であるアダパレン・過酸化ベンゾイルなどの成分は市販薬には処方されていない有効成分です。治療効果が高い有効成分は、その反面、副作用のリスクも伴うため、必ず医師の指導のもとでの使用が必要になります。
また配合されている濃度についても、不特定多数の方が服用しても問題が起こらないように市販薬は少なめの量で配合されている場合が多いです。
抗生物質の飲み薬は処方薬のみ
抗生物質は漫然と使用することで耐性菌の発現につながります。耐性菌とは抗生物質が効かなくなってしまった菌のことであり、耐性菌が増えると治療薬のない感染症が流行してしまう危険性があります。
また、抗生物質の飲み薬は下痢や発疹、アナフィラキシーショックなどを引き起こす可能性もあるため、医師の指示通りの服用が大切です。
配合成分の数
処方薬には基本的に1種類の有効成分しか配合されていないのに対し、市販薬には複数の有効成分が配合されている場合が多いです。
そのため、1つの薬で複数の効果が得られることが大きなメリットでしょう。
また、市販薬には使用感や色・香りにもこだわって作られている製品もあるため、処方薬よりも使い心地が良いと感じられる場合もあります。
ニキビ市販薬の主な成分と効果とは
では、市販で購入できるニキビ治療薬にはどのような成分が配合されているのでしょうか。ここでは成分の効果や使用できるニキビの状態についてご説明します。
ピーリング(角質軟化)成分
・サリチル酸
肌表面の角質を柔らかくして毛穴の詰まりを改善します。肌の再生を促すためニキビ跡にも効果的です。弱い抗菌作用や消炎鎮痛作用もあります。
・イオウ
角質を柔らかくする作用のほか、殺菌作用もあります。
ピーリング成分は不要な角質を取り除いて毛穴の詰まりを改善するため、ニキビ初期の白ニキビ・黒ニキビに効果的です。
殺菌成分
・イソプロピルメチルフェノール(IPMP)
殺菌効果が高く、皮膚刺激性も少ない成分です。
・レゾルシン
殺菌作用のほかにも、かゆみを抑えたり角質を溶かして剥離する作用があります。
・ベンゼトニウム塩化物
殺菌作用があります。
アクネ菌が増え始めている白ニキビ・黒ニキビの段階から、アクネ菌が繁殖している赤ニキビにも使用できます。ただし、炎症が強い場合は外用剤では効果が不十分なため、皮膚科処方の抗生物質の内服薬が推奨されます。
抗菌成分(サルファ剤)
・ホモスルファミン
抗菌作用をもち、細菌感染による化膿を防ぎます。
・スルファジアジン
菌の増殖や細菌感染を防ぎ、傷口をきれいに治す作用があります。
アクネ菌が繁殖している赤ニキビに効果が期待でき、黄ニキビへの進行を防ぎます。ただし、炎症が強い場合は外用剤では効果不十分なため、皮膚科処方の抗生物質の内服薬が推奨されます。
抗炎症成分
・イブプロフェンピコノール
非ステロイド性の抗炎症成分です。炎症による痛みやかゆみも和らげます。
・アラントイン
抗炎症作用のほかに、ターンオーバーを活性化して組織修復を助ける作用もあります。
・グリチルリチン酸ジカリウム
抗炎症作用や、皮膚刺激を緩和する作用もあります。
・グリチルレチン酸
抗炎症作用や、皮脂分泌を抑える作用もあります。
炎症が起こっている赤ニキビ・黄ニキビに使用します。
治療ガイドラインにも、軽症~中等症の赤ニキビ・黄ニキビに非ステロイド性抗炎症薬のイブプロフェンピコノールを治療薬の一つとして推奨することが明記されています。
一方で、ステロイド外用剤は炎症を抑える作用はあるものの、新たにニキビを誘発したり症状を悪化させたりする可能性があるため、推奨されません。[2]
ビタミン成分
・ビタミンC誘導体
抗酸化作用やメラニン生成を抑制する作用により、皮膚の赤みを抑えたりニキビ跡を予防する効果があります。
具体的な誘導体には、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、L-アスコルビン酸-2-リン酸ナトリウム、L-アスコルビン酸 2-グルコシドなどがあります。
・ビタミンE誘導体
血行を促進して皮膚組織の修復を助ける作用や、抗酸化作用があります。
具体的な誘導体には、トコフェロール酢酸エステルなどがあります。
健康な肌作りをサポートしてくれるビタミン成分は、ニキビ初期の白ニキビ・黒ニキビから炎症の起こった赤ニキビ・黄ニキビまで幅広く使用できます。
ドラッグストアで購入できるニキビにおすすめの市販薬
では、ドラックストアや薬局で購入できるニキビ治療薬には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、5つの市販薬をご紹介します。
イハダ アクネキュアクリーム
【大人ニキビにおすすめ】さっぱりした使用感のジェルクリーム処方
消炎(イブプロフェンピコノール)と殺菌(イソプロピルメチルフェノール)のダブルの有効成分を配合。大人のゆらぎ肌にピッタリな、ノンステロイド&ノンアルコール・弱酸性の低刺激処方になっています。
分類 | 第2類医薬品 |
---|---|
有効成分 | イブプロフェンピコノール イソプロピルメチルフェノール |
剤形 | クリーム |
用法・用量 | 1日数回、石けんで洗顔後、適量を患部に塗布。 |
対象年齢 | 生後4週間未満の新生児にはご使用にならないでください。 |
効能効果 | にきび、ふきでもの |
内容量 | 16g/26g |
メンソレータムアクネス
【炎症ニキビにおすすめ】 赤いニキビ・痛いニキビにもしっかり効く
アクネ菌に効くイオウ・レゾルシンや、炎症を抑えるグリチルレチン酸を配合。炎症のある赤ニキビにもおすすめです。
分類 | 第2類医薬品 |
---|---|
有効成分 | イオウ レゾルシン グリチルレチン酸 トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE誘導体) |
剤形 | クリーム |
用法・用量 | 1日数回、適量を患部およびその周辺の皮膚に塗布。 |
対象年齢 | 乳幼児にはご使用にならないでください。 |
効能効果 | にきび |
内容量 | 18g |
マキロン アクネージュ メディカルローション
【しつこいニキビにおすすめ】ターンオーバーを促し健康な肌へ導く
ピーリング作用のあるサリチル酸を配合し、古い角質や皮脂を取り除いてくり返すニキビに効果的です。特にできはじめのニキビにおすすめです。
分類 | 第2類医薬品 |
---|---|
有効成分 | ベンゼトニウム塩化物 アラントイン サリチル酸 |
剤形 | ローション |
用法・用量 | 1日2回(朝・晩)、コットン、脱脂綿、ガーゼ等に適量をとり、肌にしばらくの間(2~3分間)押し当てて塗布。 |
対象年齢 | ― |
効能効果 | にきび |
内容量 | 100ml |
アクネローション
【幅広いニキビにおすすめ】2つの作用でニキビを効果的に治療
古く厚くなった角質を溶かし毛穴詰まりを改善するイオウと、抗菌作用により化膿を防ぐホモスルファンを配合。幅広いニキビに効果的です。
分類 | 第2類医薬品 |
---|---|
有効成分 | イオウ ホモスルファミン |
剤形 | ローション |
用法・用量 | 本品をよく振った後、適量を手のひらまたはコットンに取り、患部を軽くたたくようにしながら、1日数回塗布。 |
対象年齢 | ― |
効能効果 | にきび、ふきでもの |
内容量 | 110ml |
アットノン ニキビあとケアジェル
【ニキビ跡を予防したい方におすすめ】炎症を起こした赤ニキビ・黄ニキビの後に
メラニン生成を抑えるビタミンC誘導体や抗炎症成分のグリチルリチン酸ジカリウムなどを配合した医薬部外品です。赤ニキビ・黄ニキビの炎症後に残ってしまった部分に使用すると良いでしょう。
分類 | 医薬部外品 |
---|---|
有効成分 | L-アスコルビン酸 2-グルコシド(ビタミンC誘導体) ヘパリン類似物質 グリチルリチン酸ジカリウム トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE誘導体) イソプロピルメチルフェノール |
剤形 | ジェル |
用法・用量 | 適量を手にとり、気になる部位に塗布してください。 |
対象年齢 | ― |
効能効果 | 肌あれ・あれ性。あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ。油性肌。かみそりまけを防ぐ。メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ。日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ。肌をひきしめる。肌を清浄にする。肌を整える。皮ふをすこやかに保つ。皮ふにうるおいを与える |
内容量 | 10g |
ニキビの薬の正しい塗り方~塗る量や塗るタイミング、塗る順番について~
効果のある治療薬も正しい塗り方をしなければ、きちんと効果が出なかったり、副作用が起こる原因になったりします。ここでは、ニキビの薬はどれくらい塗れば良いのか、いつ塗るのが良いのか、いつまで塗り続ける必要があるのかについてお伝えします。
塗りすぎに注意!用法用量を正しく守る
たっぷり塗るとその分効果が上がるような気がするかもしれませんが、薬には適切な用法用量が定められています。添付文書に指示された量や回数を超えて塗布しても、薬効成分の肌への浸透量は変わりません。
市販薬で添付文書によく記載されている「適量」の目安としては、ニキビが隠れるくらいの量です。清潔にした手指や綿棒で塗りましょう。
また、顔や背中全体に塗る場合は、目安として、大人の手のひら2枚分の面積に対しクリームタイプでは大人の人差し指の先から第一関節まで薬をのせた量、ローションタイプでは1円玉大を基準にすると良いでしょう。
ニキビの薬を塗るタイミングは洗顔や保湿後に
ニキビの薬を使用する順番については、まず洗顔で顔を清潔な状態にして、化粧水・クリームなどで保湿をしっかりとした後に、ニキビの薬を使用します。
特に大人ニキビの場合は乾燥が原因でニキビができやすくなっていることも多いため、保湿は重要です。油分が気になる場合はノンコメドジェニック化粧品などを取り入れるのも良いでしょう。
日焼け止めや化粧をするのはニキビの薬を塗った後に
紫外線をあびるとニキビの悪化につながるため、外出する際は薬を塗った後に日焼け止めを塗るようにしましょう。
ニキビのもとになりにくいノンコメドジェニックテスト済みの日焼け止めや、皮膚刺激を起こしにくい紫外線散乱剤のみで処方されているノンケミカルな日焼け止めを選ぶのがおすすめです。
一方で、ニキビができている間は化粧はなるべく避けた方が良いです。しかし必要な場合は、日焼け止め同様、薬を塗った後に行いましょう。ベースメイクはリキッドやクリームタイプよりも油分が少なく毛穴に詰まりにくいパウダータイプのファンデーションがおすすめです。ただしニキビを隠したいからと厚塗りをするのも毛穴詰まりにつながります。グリーンのコントロールカラーやコンシーラーを一緒に使うとニキビの赤みが目立ちにくくなるでしょう。
完全に治るまで治療を継続する
ニキビの治療は途中でやめずに、完全に治りきるまで根気よく継続します。
たとえば、抗生物質・抗菌薬の配合されている薬を途中でやめてしまうと、またアクネ菌が増殖して症状がぶり返してしまう可能性があります。
ただし、使用を開始して5~6日間使用しても症状が良くならない場合は、使用を中止して皮膚科を受診しましょう。
ほかにもニキビの治療や薬のことで、何か困っていることがあればYOJOの薬剤師がお応えしますので、お気軽にご相談ください。
ニキビの市販薬でも起こりうる主な副作用
ここでは、市販のニキビ外用薬を使用した際に起こりうる副作用についてお伝えします。
肌の乾燥
乾燥は、特にピーリング成分が含有した治療薬で起こりやすいです。肌表面の角質が取り除かれたことで肌バリア機能が低下し、皮膚内側の水分が蒸発しやすくなることで肌が乾燥します。添付文書の指示通りに使用することで副作用は起こりにくくなりますが、もともと乾燥肌の方は注意が必要です。
肌の刺激感やかゆみ
ピーリング成分や殺菌成分が皮膚に刺激を与えることがあります。また、その他の成分でも、含有成分が体質的に合わない場合はアレルギー症状でチクチクとした刺激感やかゆみ、赤みが出る場合があります。
このような副作用が出た場合は使用を中止し、症状が治まらない場合は添付文書を持参の上、医師・薬剤師に相談するようにしましょう。
耐性菌の発現
飲み薬と同様に塗り薬においても、抗生物質や殺菌成分配合の薬を漫然と使用することで、アクネ菌や表皮ブドウ球菌などの皮膚常在菌の薬剤耐性が起こる可能性があります。
薬は症状が改善するまでは集中的に使用し、なるべく短期間の使用ですむように心がけましょう。
ニキビの薬に関してよくある質問
ニキビの薬を塗った後は、絆創膏やパッチを貼ってもいいの?
基本的に、医師の指示などがない限りは、薬剤を塗布した後に絆創膏やパッチで患部を覆う必要はありません。副作用が起こる原因になったり、汗で蒸れてニキビが悪化したりする可能性があります。ただ、眠っている間に寝具や衣服に付着するのをどうしても防ぎたいなどの場合は、清潔なガーゼや絆創膏で患部を軽く覆っても良いでしょう。
妊娠中や生理前に使用できるニキビの薬はあるの?
医療用医薬品ではアダパレンが配合されている塗り薬や、テトラサイクリン系の抗生物質の飲み薬などは胎児に影響をおよぼす可能性があり、妊娠中は服用できません。一方で市販の塗り薬は、妊娠中に使用できるものも多いです。ただし、まずはかかりつけ医や薬剤師に相談してから使用するようにしましょう。
生理前はホルモンバランスの乱れからニキビができやすくなります。生理前でもニキビの薬を使用して問題ありませんが、生理前は通常よりも肌トラブルが起こりやすい時期でもあるため、初めて使用する場合は注意しましょう。
市販薬を使っているがおしりや背中にできたニキビが治らない…
市販薬を1週間程度使用しても効果がみられない場合は皮膚科を受診しましょう。難治性のニキビである可能性だけでなく、ニキビと類似した別の皮膚の病気である可能性もあります。
たとえば、マラセチア(真菌)に感染して発症するマラセチア毛包炎は、おしりや背中によくできる皮膚病です。真菌であるため市販のニキビ薬では効果がありません。そのほかにも、粉瘤や脂漏性皮膚炎、顔ダニもニキビと間違えられられやすい皮膚病です。
ニキビの薬が効かない場合はどうしたらいいの?
薬だけに頼りすぎるのではなく、まずは食生活や睡眠などのご自身の生活習慣を見直してみることも大切です。1日2回の洗顔で清潔な状態にした後は、ノンコメドジェニック化粧品でスキンケアを行うことをおすすめします。
具体的な対策について知りたい方はこちら▼の記事もお読みください。
漢方薬でニキビ体質を改善できる?
漢方では「肌は内臓の鏡」という言葉があり、からだの内側の状態が肌に現れると考えられています。特に、大人ニキビの場合は不規則な生活習慣やストレス、ホルモンバランスの乱れ、加齢による代謝の衰えなど、からだの内側に原因がある場合も多いです。
そのため、正しいスキンケアに加えて内側からのケアとして漢方薬が取り入れられることがあります。
漢方薬を飲むだけですぐに肌がキレイになることはないですが、体質に合った漢方薬を服用することでからだの巡りが整い、結果的に肌荒れしにくくなったり、ニキビができにくい体質に改善できたりすることがあります。
ニキビや肌荒れに効果が期待できる漢方薬についてさらに詳しく知りたい方は、こちら▼の記事もお読みください。
YOJOでは、体質に合った漢方薬のご提案だけでなく、食事や生活習慣のアドバイスなども受けられますので、くり返すニキビに悩んでいる方は体質チェック&無料相談を受けてみてください。
【参考文献】
[1]公益財団法人 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A
[2]日本皮膚科学会 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023
[3]西圭史(2017)抗生物質の基本的知識,日本臨床麻酔学会誌37(5)687-694