漢方はダイエットに効果的?おすすめ漢方薬や体質別の選び方を解説

「ダイエットの効果がなかなか出ない」「痩せても一時的でリバウンドをくり返してしまう」という悩みから、ダイエット目的に漢方薬を服用される方が増えています。

漢方薬を飲むだけですぐに痩せることはありませんが、漢方薬の効果でからだ全体の巡りが整い、結果的に痩せやすくなったりダイエット効果を高めたりする可能性が期待できます

ダイエット効果の期待できる主な漢方薬としては以下のようなものがあげられます。

・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん):代謝を改善し、脂肪燃焼を促進する効果
・防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)
:水分代謝を向上させ、水太りを改善する効果
・大柴胡湯(だいさいことう)
:自律神経を整え、ストレス太りを軽減する効果
・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
:消化管機能を整え、便通を改善する効果
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
:血行を改善し、代謝を高める効果
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
:むくみや血行不良を改善する効果

この記事では、ダイエット効果の期待できる漢方薬と体質に合った選び方、服用の注意点について、薬剤師が詳しく解説します。

Contents

漢方にダイエット効果が期待できるのは本当?その理由とは

ダイエット

漢方薬を服用しても、短期間で急激に体重が減ったり、ただ服用するだけで簡単に痩せられたりすることはありません。なぜなら、漢方薬は本来、痩身を目的に処方される薬ではないからです。

漢方薬は、さまざまな効能をもつ複数の生薬がみ合わさることで、応用的に効果を発揮し、体質改善に導く薬です。体質や心身の状態に合った漢方薬を服用することで、本来からだに備わっていた自然治癒力が引き出され、不調が改善されると考えられています。

つまり、漢方を取り入れることでからだ全体の巡り(消化・吸収・代謝・排泄)が整えられるため、結果的に痩せやすくなったりダイエット効果を高めたりする可能性が期待できます

太る原因から考えるダイエットに漢方を使うメリットとは

太って落ち込む女性の写真

では実際に漢方薬を服用することで、具体的にどのようにダイエット効果が発揮されるのでしょうか。
太ってしまう原因と共に漢方薬を服用するメリットについてご説明します。

食べ過ぎ:食欲をコントロールできる

食事から摂取したエネルギー量が消費量を上回ると、余ったエネルギーが体脂肪へと変わり、肥満につながります。
食べ過ぎに対しては、まずは食生活を見直すことが大切ですが、漢方薬を服用することで食欲がコントロールしやすくなる場合もあります。また、漢方薬の服用で自律神経が整えられ、ストレスによる過食を抑えたり、消化管の機能を改善して排泄を促したりできる場合があります。

運動不足:新陳代謝を高める

運動不足になると摂取したエネルギーが消費できずにからだに蓄積されます。また、筋力が低下して基礎代謝も落ちるため、からだが太りやすい状態になります 。
運動不足は内蔵脂肪型の肥満を引き起こし、 高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病にもつながることが知られています。
運動不足の状態を漢方だけで改善することは難しいですが、漢方薬の種類によっては内臓脂肪の燃焼を助けるものもあります。

ストレス:自律神経を整える

ストレスにより、自律神経が乱れることでからだ全体の血流の悪化を招きます。すると内臓が冷えやすくなり、基礎代謝が低下して肥満につながります 。
また、ストレスは摂食中枢を刺激し、満腹中枢を鈍化させる作用もあります。そのため、食欲旺盛になりいくら食べても満足感が得られにくい状態になってしまうのです。
漢方薬を服用して自律神経を整えたり、からだを温めて血行を促したりすることで、ストレスによる過食や基礎代謝の低下を抑えられる場合があります。
自律神経を整える漢方について、さらに知りたい方はこちら▼の記事も読んでみてください。

むくみや冷え:血行を促進する

冷えによりからだ全体の血液循環が滞っていたり、胃腸機能が弱っていたりすると、体内に余分な水分や老廃物がたまりやすくなります。その結果、むくみができて、いわゆる“水太り”の状態になってしまいます。
むくみはマッサージや時間の経過とともに改善されますが、何度もくり返す場合はからだがむくみやすい体質になっている可能性があります。
漢方薬を服用して余分な水分の排出を促したり、血行を促進してからだ全体を温めたりすることで、水太りを解消できる場合があります。

むくみに効果的な漢方について、さらに知りたい方はこちら▼の記事も読んでみてください。

女性の性周期:ホルモンバランスの乱れを整える

女性ホルモンの一つであるエストロゲンには、脂肪の燃焼を促す働きがあります。そのため生理不順更年期でホルモンバランスが乱れたり、エストロゲンの分泌量が減少したりすることで、脂肪がつきやすい状態になってしまいます。
漢方によってはホルモンバランスの乱れを整えることで、ダイエット効果が期待できるものもあります。

生理不順や更年期によるホルモンバランスの乱れに効果の期待できる漢方薬について、さらに知りたい方はこちら▼の記事も読んでみてください。

ダイエットしたい人が漢方を選ぶ時のポイントとは

ダイエットのポイントを伝える女性

上記のように太ってしまう原因はさまざまあり、体質によっても適した漢方薬は異なるため、漢方薬のダイエット効果を正しく引き出すためにはご自身の心身の状態や体質に合わせた漢方薬を選ぶことが大切です。

ここでは漢方薬を選ぶ際に主なポイントとなる「気・血・水」「証」の考え方についてご紹介します。

「気・血・水」で心身の状態を把握する

気血水

気・血・水は心身の不調の原因を知る目安となります。
漢方では「気・血・水」の3つの要素がバランス良く体内を巡ることで健康を維持できると考えています。

気(き):心身を動かす生命エネルギーのことです。
血(けつ)
:血液や血液の中に含まれる栄養のことです。からだ全体に栄養分やうるおいを運んでくれる役割をもちます。
水(すい):リンパ液、汗、涙、だ液など、血液以外の体液のことです。からだ全体にうるおいを運んでくれる役割をもちます。

たとえば、「気」が不足すると胃腸機能が低下したり、「血」の流れが滞ると血行不良になったり、「水」の巡りが滞るとむくみや冷えの原因になったりします。

「証」で体質を把握する

実証虚証

証は個々の体質や今のからだの状態を知る目安となります。
同じ人でも時期や環境によって異なる場合があります。

実証(じっしょう):余分なものを体外へと排出することができていない状態
虚証(きょしょう):からだに必要な気・血・水が不足している状態
中間証(ちゅうかんしょう):実証と虚証の症状が入り混じっている、もしくはどちらとも言えない状態

ご自身の状態や体質については、こちらの体質チェックから確認できます。

ダイエット効果が期待できる漢方薬6選

ダイエット効果のある漢方の図

では、ダイエット効果のある漢方には、どのようなものがあるのでしょうか。
具体的な漢方薬の種類と、それぞれの特徴や選び方についてお伝えします。

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

食事によってカロリー(熱量)を取り過ぎると、胃腸に熱がこもりやすくなります。その結果、消化機能の低下や便の乾燥をもたらし、便秘や肥満の原因となってしまうのです。
防風通聖散には、からだを温めることで発汗を促し、腸の熱を下げながら体内に蓄積された不要物を排出しやすくする働きがあります。便秘の改善だけでなく、むくみや熱を持つような炎症疾患にも効果的です。

また、配合生薬の「麻黄(まおう)」に含まれるエフェドリンには交感神経を活性化させる作用があります。「甘草(かんぞう)・荊芥(けいがい)」 はその働きをサポートし、全身の新陳代謝を高めることで脂肪を燃焼させる作用をもちます。
そのため、お腹まわりの皮下脂肪を減らすだけでなく、内臓脂肪にも効果が期待できます。

服用がおすすめな人
体力のある実証タイプの人の「脂肪太り」におすすめの漢方薬です。
特に、太鼓腹で食欲旺盛、便秘、のぼせ、赤い吹き出物ができる人に服用が向いているでしょう。

服用に注意が必要な人
虚証タイプで胃腸が弱い人・下痢しやすい人:配合生薬の「大黄(だいおう)・芒硝(ぼうしょう)」は緩下作用があるため下痢や軟便の症状が悪化する可能性があります。
冷え性の人:防風通聖散には熱を冷ます作用があるため、服用を続けると冷え性が悪化しやすくなります。

服用上の注意
妊娠・授乳中の人は服用を避けましょう
「大黄・芒硝」に子宮収縮作用があるため流早産をまねく恐れがあります。また授乳中も大黄が母乳中に移行して、乳児の下痢を引き起こす場合があります。
病気の治療で食塩制限をしている人は注意しましょう
配合生薬の「芒硝」は含水硫酸ナトリウムの一種であり、食塩と同じナトリウムが含まれています。
不眠、発汗、動悸などの副作用が起こる可能性があります
「麻黄」が含まれているために不眠や発汗過多、全身脱力感、動機・頻脈、精神興奮などを引き起こす可能性があります。また、一部の咳止めや甲状腺の機能を補う薬などには麻黄と似た作用をもつお薬があるため、併用する場合には注意しましょう。
長期服用に注意しましょう
「山梔子」が含まれており、長期服用(多くは5年以上)で大腸粘膜に異常が生じる例が報告されています。

防風通聖散はYOJOショップでも購入できます▼

防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)

防己黄耆湯は、胃腸の消化を助ける作用とともに、からだの水分代謝を高めることで、余分な老廃物を尿として排出する働きがあります。
特に配合生薬の「防已(ぼうい)・黄耆(おうぎ)」には、からだの不調からくるむくみや発汗異常の症状を抑えて、からだ全体の水分バランスを整える作用があります。

内臓脂肪型肥満は、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールが増えてしまい、動脈硬化の原因にもなりやすい肥満です。防已黄耆湯には、内臓脂肪型肥満および動脈硬化の予防効果がある可能性についても研究で報告されています。[1]

服用がおすすめな人
虚証タイプで体力は虚弱~中程度、疲れやすく胃腸が弱い人
におすすめの漢方です。虚証タイプの人は気の不足から水・血の流れが滞っていわゆる「水太り」の状態になっています。
特に下半身太りが気になる人で、水太りによる関節の痛みやだるさがある人、多汗症の人も使用すると良いでしょう。

服用上の注意
複数の漢方を長期で服用する場合は注意しましょう
防己黄耆湯には「甘草」が含まれており、複数の漢方を服用している場合は重複して副作用が起こりやすくなります。

大柴胡湯(だいさいことう)

大柴胡湯は、自律神経に働きかけながら消化管機能を整える作用があります。
配合生薬の「柴胡(さいこ)」には精神安定作用があり、ストレスによる過食を抑えます。また、「芍薬(しゃくやく)・枳実(きじつ)」が胃腸の働きを活発にし、「大黄(だいおう)」が便の排出を促すことで腸内環境を整えてくれる効果も期待できます。

さらに大柴胡湯には、脂質代謝を高めることで余分な脂肪の吸収を抑える作用があり、特に中性脂肪やコレステロールを下げる働きが報告されています。[2]
いわゆる「ストレス太り」に有効な漢方薬です。

服用がおすすめな人
実証タイプの便秘の訴えがある人で、ストレスから暴飲暴食してリバウンドをくり返してしまう人
におすすめの漢方です特に筋肉質の人に効きやすく、体力があり元気な人の胃炎、便秘、高血圧のほか、肥満に伴う肩こり・頭痛・神経症などにも効果があります。

服用に注意が必要な人
虚証タイプで胃腸が弱い人
冷え性の人

服用上の注意
妊娠・授乳中の人は服用を避けましょう
「大黄」が配合されているため、妊婦の流早産や、母乳中に移行して乳児の下痢を引き起こす恐れがあります。
大黄配合の漢方の重複に注意しましょう
下痢や軟便の副作用が悪化する可能性があります。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

桃核承気湯には、血液の巡りを良くして熱を分散させるとともに、消化管の働きを整えて便通を改善してくれる作用があります。
配合生薬の「桃仁(とうにん)」が血液循環を良くして便の排出を促します。さらに「大黄(だいおう)・芒硝(ぼうしょう)」が緩下作用を示すほか、「甘草(かんぞう)」が消化管の調子を整え炎症を抑える作用を持ちます。[3]
そのため桃核承気湯は排泄作用が強く、老廃物の蓄積や炎症が過剰にある場合に処方され、痛みを緩和する効果もあります。

また、女性ホルモンの一つであるエストロゲンが減少すると、脂質代謝が低下して太りやすくなります。さらに血の巡りが滞ることで生理不順や生理痛、のぼせなどにもつながります。桃核承気湯はこのような女性特有の症状に効果を発揮するため婦人薬の一つとしてよく使われています。

服用がおすすめな人
実証タイプの肥満で、血行不良があり便秘がちな人、ホルモンバランスの乱れからくる冷えのぼせ(ホットフラッシュ)がある人
におすすめの漢方です。
特に下腹部が張るような慢性的な便秘の人に効果を示すために、ダイエット効果が期待できます。

服用に注意が必要な人
虚証タイプで胃腸が弱く、下痢しやすい人
冷え性の人

服用上の注意
妊娠・授乳中の人は服用を避けましょう
緩下作用のある「大黄・芒硝」や、血行を強く促進する作用のある「桃仁」は、特に妊娠中の女性が服用すると流早産の危険が高まります。
複数の漢方を長期服用する場合は注意しましょう
桃核承気湯には「甘草」や「大黄」が含まれており、複数の漢方を服用している場合は重複して副作用が起こりやすくなります。
病気の治療で食塩制限をしている人は注意しましょう
配合生薬の「芒硝」には食塩(塩化ナトリウム)と同じナトリウムが含まれています。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂枝茯苓丸には、血・水の代謝に作用して、血行不良の状態(お血)を改善することで、下半身の冷えや上半身ののぼせを緩和してくれる働きがあります。
配合生薬の「桂皮(けいひ)」はからだを温める作用が強く、「茯苓(ぶくりょう)」と共に皮膚表面の新陳代謝を活性化します。さらに「桃仁(とうにん)・牡丹皮(ぼたんぴ)」が停滞していた血液の流れを改善します。

また桂枝茯苓丸は血液を全身に巡らせることで、ホルモンバランスを整える作用も期待できます。ホルモンは脂質の代謝や自律神経の働きなどに関与します。
実際に、更年期における脂質代謝の低下において、桂枝茯苓丸は中性脂肪の代謝を促進し、動脈硬化や心筋梗塞の予防に効果があることが報告されています。[4]

服用がおすすめな人
比較的体力がある人向けで、ホルモンバランスの乱れから冷えやのぼせを伴う肥満
に効果があります。血行不良を改善するのが主な作用であるため、生理不順や生理痛、更年期障害の他、しみ、湿疹、にきびに悩んでいる人にも効果が期待できます。

服用に注意が必要な人
虚証タイプの人
胃腸が弱い人や疲れやすい人、免疫力が低下している人など虚弱体質の人は合わない場合があります。

服用上の注意
妊娠・授乳中の人は服用を避けましょう
血行を強く促進する作用のある「桃仁・牡丹皮」は、特に妊娠中の女性が服用すると流早産の危険が高まります。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

当帰芍薬散には、血の不足を補うとともに水の巡りを良くすることでからだ全体の代謝を整える作用があります。全身の血行を改善してからだを温めてくれるため、全身のむくみや水太りにも効果的です。結果としてダイエット効果が期待できる場合もあるでしょう。比較的即効性が高く、2週間程度の服用で効果を感じることもあります。

配合生薬である「当帰(とうき)・芍薬(しゃくやく)」に補血作用がある他、「沢瀉(たくしゃ)・茯苓(ぶくりょう)」などが水の代謝を整えます。生理不順や生理痛、更年期障害をはじめとした女性特有の症状を改善してくれるため、女性の三大漢方薬の一つに数えられています。

服用がおすすめな人
虚証タイプでホルモンバランスの乱れを伴う肥満の人
におすすめの漢方です。むくみや冷え、貧血・生理不順などの症状が気になる人に向きます。

服用に注意が必要な人
胃腸が弱い人:
食欲不振や吐き気、嘔吐や下痢などを起こしやすい人は、副作用で胃部不快感などの消化器症状が起こる場合があります。

ご自身の体質や症状に合った漢方薬の選択に悩まれている方は、YOJO薬剤師に相談できます。

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市販で購入できるダイエット向け漢方薬6選

ドラッグストアで漢方を選ぶ女性

まずは手軽に漢方を試してみたいという方向けに、薬局やドラッグストアなどで購入できるダイエット向け漢方をご紹介します。

ナイシトールZa

ナイシトールZa
引用元:小林製薬HP

お腹まわりの脂肪が気になる人に

防風通聖散エキスを有効成分とした商品です。 内臓脂肪を分解・燃焼し、お腹まわりの脂肪を落とします 。発汗や便通を促すため、肥満や高血圧にともなうむくみ・便秘・肩こりなどの症状にも効果があります。

分類 第2類医薬品
適応する人 体力が充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな人
形状 錠剤
用法・用量 1回5錠、1日3回
服用対象年齢 15歳以上(15歳未満は服用しないこと)
効能効果 肥満症、高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮ふ炎、ふきでもの(にきび)
内容量 105錠/315錠/420錠

ビスラットアクリアEX

ビスラットアクリアEX
引用元:小林製薬HP

むくみがちな人、体脂肪を減らしたい人に

防己黄耆湯エキスを有効成分とした商品です。 ホルモン変化などで低下した水分代謝を活性化することで水分の排出を促し、むくみや水太りを改善します。

分類 第2類医薬品
適応する人 体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向がある人
形状 錠剤
用法・用量 1回5錠、1日2回
服用対象年齢 15歳以上(15歳未満は服用しないこと)
効能効果 肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)、むくみ、肥満に伴う関節の腫れや痛み、多汗症
内容量 70錠/210錠/280錠

コッコアポG

クラシエのコッコアポG錠
引用元:クラシエHP

ストレスが原因で太ってしまう人に

大柴胡湯エキスを有効成分とした商品です。ストレスによるイライラを抑え、さらに脂質代謝を活性化して余分な脂肪を分解・燃焼します。ストレスによる過食でリバウンドをくり返してしまう人におすすめです。

分類 第2類医薬品
適応する人 体力が充実して、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向がある人
形状 錠剤
用法・用量 1日3回食前に服用
成人(15歳以上):1回4錠
15歳未満7歳以上:1回3錠
7歳未満5歳以上:1回2錠
服用対象年齢 5歳以上(5歳未満は服用しないこと)
効能効果 胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、神経症、肥満症
内容量 60錠/312錠

ツムラ 漢方桃核承気湯エキス顆粒

ツムラの桃核承気湯
引用元:ツムラHP

便秘症状のひどい方に

桃核承気湯エキスを有効成分とした商品です。のぼせやひどい便秘のある方に適しています。生理不順などの血行障害の改善にも有効です。

分類 第2類医薬品
適応する人 体力が中等度以上でのぼせて便秘しがちな人
形状 顆粒
用法・用量 1日2回食前に服用。
成人(15歳以上):1回1包
15歳未満7歳以上:1回2/3包
7歳未満4歳以上:1回1/2包
4歳未満2歳以上:1回1/3包
服用対象年齢 2歳以上(2歳未満は服用しないこと)
効能効果 月経不順、月経困難症、月経痛、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)、痔疾、打撲症
内容量 20包

「クラシエ」漢方桂枝茯苓丸料エキス錠

クラシエの桂枝茯苓丸
引用元:クラシエHP

生理にともなうイライラがある人に

桂枝茯苓丸エキスを有効成分とした商品です。 生理前や生理不順でのホルモンバランスの乱れによりイライラして食べ過ぎてしまう人におすすめです。

分類 第2類医薬品
適応する人 比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどの訴えがある人
形状 錠剤
用法・用量 1日3回食前又は食間に服用。
成人(15歳以上):1回2錠
15歳未満7歳以上:1回1錠
服用対象年齢 7歳以上(7歳未満は服用しないこと)
効能効果 月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲症)、しもやけ、しみ、湿疹・皮膚炎、ニキビ
内容量 48錠/90錠

ツムラ漢方 当帰芍薬散料 エキス顆粒

ツムラの当帰芍薬散
引用元:ツムラHP

冷え性でむくみが出やすい人に

当帰芍薬散エキスを有効成分とした商品です。 むくみがなかなか取れない人、冷えやめまい、頭痛に悩んでいる人におすすめの漢方です。

分類 第2類医薬品
適応する人 体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、 頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などの訴えがある人
形状 顆粒
用法・用量 1日2回食前に服用。
成人(15歳以上):1回1包
15歳未満7歳以上:1回2/3包
7歳未満4歳以上:1回1/2包
4歳未満2歳以上:1回1/3包
服用対象年齢 2歳以上(2歳未満は服用しないこと)
効能効果 月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による 障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、 肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り
内容量 20包/48包

市販の漢方薬と病院で処方される漢方薬の違いとは

漢方でダイエットに成功する女性

漢方薬には、上記のように薬局やドラッグストアで購入できる「市販薬」と、病院で医師の診察を受けた上で処方される「医療用医薬品」の2種類があります。その違いと市販の漢方でもダイエット効果は期待できるのかについてお伝えします。

市販の漢方薬も医療用漢方と成分は同じ

漢方薬に配合されている生薬成分の種類は、「市販薬」と「医療用医薬品」で基本的に違いはありません。
そのため継続して飲み続けることで、市販の漢方薬でも一定のダイエット効果が期待できると考えられます。

成分の品質は異なる場合もある

ただし、自然由来の生薬から作られる漢方薬は、成分の品質を一定に保つことが大変難しい医薬品です。そのため、成分含量や飲み心地などは、製造するメーカーや製造時期によっても多少異なる場合があります。
漢方薬の効果をきちんと引き出すためには、医療用医薬品と同様に高品質な生薬を配合して作られている漢方薬を選ぶことも大切です。
また、韓国産漢方薬など海外産の一部の漢方薬では、日本で承認されていない生薬成分が配合されていたり、配合成分が確認できないものもあったりするため、安全性の面から避けるようにしましょう。

ダイエット目的で漢方薬を服用する場合は保険適用にならない

病院で処方される医療用漢方薬は保険適用で1~3割負担で購入できますが、ダイエットや美容目的で服用する場合には、原則自費になります。
ただし、医師の診察のもとで「肥満症」と診断された場合は、「防風通聖散」や「防己黄耆湯」などの一部の漢方薬が保険適用になる場合もあります。

肥満症と漢方薬の効果や、正しい飲み方についてさらに詳しく知りたい方は、こちら▼の記事もお読みください。

肥満に漢方薬は効果的?体質別の選び方や正しい使用方法を解説

漢方のダイエット効果が出るのはどれくらい?

漢方の期間が出るまでを示すカレンダー・時計

漢方薬を服用してから効果を実感するまでの期間は、漢方薬の種類や症状の程度、生活習慣などによって個人差が出てきます。
一般的には、ダイエット効果を実感するまでには少なくとも1ヶ月以上の継続は必要です。3ヶ月~半年以上継続することで、体質が改善され症状が安定するようになります。

ダイエット目的で漢方を飲む際の注意点

ダイエットで漢方を飲むときの注意

ダイエット効果を期待する場合、太りやすい体質を改善する目的で取り入れる人がほとんどです。そのため、服用が長期にわたるケースが多いことから、以下の点に気を付けながら服用することが大切です。

漢方でも重大な副作用が起こる可能性がある

漢方薬も薬であるため、服用した際に重大な副作用が起こることもあります。
特に以下のような副作用には注意が必要です。

・肝機能障害
無症状のまま血液検査で判明することが多いですが、発熱、全身の倦怠感、吐き気・嘔吐、黄疸などが出ることもあります。悪化すると肝炎を引き起こし命に関わります。 黄芩を含む生薬で多く報告されていますが、 甘草、柴胡、半夏、沢瀉、人参、生姜 などでも注意が必要です。[5]
(例)大柴胡湯、桂枝茯苓丸、防風通聖散、防己黄耆湯、当帰芍薬散

・偽アルドステロン症
偽アルドステロン症は、甘草を多量に長期服用することで起こります。 手足のだるさやしびれ、こわばりの他、高血圧、動悸、吐き気・嘔吐などの症状が出ます。
(例)防風通聖散、防己黄耆湯、桃核承気湯

・薬剤性肺炎、間質性肺炎
息切れや咳、呼吸困難、発熱といった症状が起こります。
諸説ありますが、黄芩を含有する漢方で症状が出る傾向にあると考えられています。
(例)防風通聖散、 大柴胡湯

特に漢方薬を併用する場合は注意が必要

複数の漢方薬を併用することで、生薬が重複し、副作用の発現リスクが高まります。
たとえば、「甘草」は漢方薬のおよそ7割に含有されていることから、併用すると重複する可能性が高く、偽アルドステロン症などの発症リスクが高まります。
また、「大黄・芒硝」が重複すると下痢しやすくなります。「〇〇承気湯」という名前の漢方には大黄・芒硝のどちらかまたは両方が含まれているため、チェックする際の目安にしてみてください。

漢方薬の飲み合わせや西洋薬・サプリメントとの併用の注意点について具体的に知りたい方は、こちら▼の記事もお読みください。

【関連記事】防風通聖散の飲み合わせで禁忌や注意点は?リベルサスや7つの漢方薬との併用も解説
【関連記事】当帰芍薬散との飲み合わせに禁忌はある?ロキソニンやビタミン剤との併用も解説
【関連記事】桂枝茯苓丸の飲み合わせで注意するものは?飲み方や他の漢方薬との併用も解説

漢方のダイエット効果を引き出すコツ

漢方でダイエット効果を引き出すpoint

漢方でダイエットを成功させるためには、体質や症状に合った漢方薬を取り入れると共に、食生活や生活習慣の見直しを行うことも大切です。

食生活を見直す

ダイエットのために栄養バランスの整った食事をする女性

しっかり噛んでゆっくり食べる
「早食い」は、満腹中枢が働くまでに時間がかかり、食欲が抑えられずに食べ過ぎをまねきます。早食いを防ぐためにはよく噛むことです。目安として30回以上はよく噛んで食事をするようにしましょう。

また、噛むことで自律神経の交感神経が刺激され、脂肪の代謝を活性化させてくれます。自然と顔の筋肉を動かすことにもつながるため、リフトアップにも効果的です。

タンパク質の摂取量を増やす
タンパク質はからだの筋肉を作るための重要な栄養素です。

筋肉量をきちんと維持しなければ、からだの基礎代謝が落ちてしまい、脂肪を燃焼することができません。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」 によると、タンパク質の推定平均必要量は 成人の男性で50g、女性で40gとされています。
タンパク質は肉・魚・卵・大豆製品だけでなく、主食となるごはん・パン・麺などにも含まれているため、普通の食生活をしていれば問題なく摂取できる量になります。しかし、カロリーの低い野菜を中心として食事を続けていると、不足してしまう可能性もあるので注意しましょう。

3食きちんと食べる
必要な食事をしっかり取らないと、からだは必要なエネルギーを作り出すために筋肉を分解してしまいます。すると基礎代謝は落ち、痩せにくい体質になるだけでなくリバウンドをくり返しす原因にもなります。
3食バランス良くしっかりと食べることは、ダイエットにおいてとても大切なポイントです。特に朝食を抜くと空腹の時間が長くなります。すると昼食時に血糖値が急激に上昇し、インスリンが過剰分泌して脂肪を蓄えやすくなってしまいます。

食べる時間帯を工夫する
食べることに不安がある人は、食べる時間帯を工夫してみましょう。
栄養学の観点からみると、朝食は7~8時、昼食は12~13時、夕食は18~20時の間で取れると理想です。食事の間隔は栄養素の消化吸収をふまえて4~6時間あけると良いでしょう。

私たちのからだの中にはBmal1(ビーマルワン)という生活リズムをコントロールし、脂肪の蓄積にも関与するタンパク質が存在します。このBmal1の分泌量は22時~深夜2時の間で増えるとされており、この時間に食事をすると太りやすくなるため、注意が必要です。

運動や筋トレをする習慣をつける

ダイエットのために運動をする女性

ダイエットには、無酸素運動と有酸素運動を組み合わせて行うと良いとされています。

・無酸素運動:具体的には筋トレ短距離の全力疾走、ウエイトトレーニングなどがあげられます。筋肉や血液中に貯蔵されている糖をエネルギーにして行う運動です。消費カロリーは低いですが筋肉を鍛えてからだの基礎代謝を上げる効果があります。
・有酸素運動:
具体的にはウォーキングやジョキング、水泳、ヨガなどがあげられます。呼吸で取り入れた酸素により脂肪と糖をエネルギーに変えるため、脂肪燃焼効果が高くダイエットの効果的です。

無酸素運動と有酸素運動を組み合わせる場合は、はじめ無酸素運動を行い、そのあとに有酸素運動を20分程度目安に行うのがオススメです。
先に無酸素運動を行うことで、「成長ホルモン」が分泌され、有酸素運動による脂肪の燃焼効率を促進してくれます。

睡眠時間をしっかり確保する

ダイエットのためにしっかりと睡眠をとる女性

睡眠時間は7~8時間程度は確保することで、痩せやすい体質になります。
睡眠時間が短いと、食欲抑制ホルモンである「レプチン」の分泌が低下し、逆に食欲増進ホルモンである「グレリン」の分泌が増加するために、食べ過ぎをまねきます。
また、脂肪の燃焼効率を高めてくれる「成長ホルモン」は、22時~深夜2時をピークに分泌されます。この時間帯に良質な睡眠を取ることは痩せやすいからだ作りをするためには非常に大切です。
そのためにも、15時以降のカフェインの摂取は避け、睡眠の2~3時間前の激しい運動・寝酒・スマホやテレビの視聴はできる限りやめるようにしましょう。

漢方の選択で不安な場合はYOJO薬剤師に相談を

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漢方で痩せやすいからだ作りをするためには、体質に合った漢方薬を選択し、用法用量を守って根気よく服用を続けることが大切です。合わない漢方薬を飲み続けると、効果が出ないだけでなくからだに悪影響が出る場合もあります。

なかなかダイエットの効果が出なくて悩んでいる人や、自身に合った漢方薬の選択が不安な人は、一度YOJOの薬剤師に相談してみましょう。
体質に合った漢方薬の提案や、注意すべき副作用、生活習慣についてのアドバイスも受けられますよ。

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【参考文献】
[1]吉田麻美,高松順,吉田滋,北岡治子,増井義一,大澤仲昭 (1998) 内臓肥満型糖尿病患者に対する防已黄者湯の効果.日本東洋医学雑誌第49(2), 249-256
[2] 後藤正子,林幹男,等々力徹,瀬山義幸,山下三郎  (1992) 実験的ミネラルおよび脂質代謝異常誘発 自然発症糖尿病モデルに対する漢方方剤 (大柴胡湯,小柴胡湯,八 味地黄丸)の効果.日本薬理学雑誌 100 (4), 353-358
[3]渡辺一郎 (1995) 桃核承気湯のエキス剤の臨床効果,日本東洋医学雑誌.45(3)557-561
[4] 臼杵悊 ,荻田幸雄(2001)東洋医学 更年期,日本産科婦人科学会雑誌.53(9)241-245
[5] 五野由佳理,小田口浩,早崎知幸,鈴木邦彦,及川哲郎,村主明彦,赤星透,花輪壽彦(2010)漢方薬による薬物性肝障害の症例検討. 日東医誌 Kampo Med Vol.61 No.6 828-833