「なかなか改善しない頭痛持ちである」「生理中や低気圧の日にはいつも頭痛が起こる」
そんな慢性的な頭痛に悩まれている方は、漢方薬が有効な治療法の一つになることがあります。
この記事では、
・頭痛の原因と漢方の考え方
・頭痛に効く具体的な漢方薬とその選び方
・漢方薬以外にもおすすめの頭痛対策
について、薬剤師が解説します。
なかなか改善しない頭痛や、頭痛に伴う症状に悩まれている方はYOJOの薬剤師にも相談できます。
Contents
頭痛と漢方の処方とは
慢性頭痛をもつ患者さんの数は全国で約4000万人と推定されているほど、頭痛は一般によく見られる症状です。[1]
くも膜下出血や脳腫瘍などの病気ではなく、さらに西洋薬での標準治療で思うような改善がみられない場合、漢方薬が有効な治療法の一つになることがあります。
ここでは、頭痛と漢方の処方について解説します。
頭痛の治療と漢方の強み
一般に頭痛の治療薬には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェンといった痛み止めのほか、片頭痛であればトリプタン系薬剤や抗てんかん薬なども用いられます。これらは急性期の痛みを止めたり、痛みの発作を予防したりするのに大変有効なお薬です。
一方で、漢方医学では「心身全体のアンバランスを治すことを通して病気を治療する」という考え方をします。
頭痛の治療においても同様で、痛みを取ることだけを目的とするのではなく、頭痛に伴う症状(肩こりや高血圧など)や、患者さん個々の体質(冷え性や胃腸虚弱など)を考慮することで、からだ全体の不調を整えていくのが漢方治療の強みです。
頭痛薬の飲み過ぎで頭痛が悪化するって本当?
慢性的に頭痛があると、頭痛薬をつい飲み過ぎてしまう傾向にあります。しかし、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェンなどの痛み止め、市販薬で多い複合鎮痛薬(痛み止めとカフェインの合剤など)は、漫然と長期で服用すると逆に頭痛を引き起こしたり、悪化させたりする原因になってしまうのです。
具体的には、 頭痛の診療ガイドライン2021 において、痛み止めは月に15日以上(複合鎮痛薬の場合は月に10日以上) 服用することを3か月以上続けると、薬物乱用頭痛を引き起こす可能性があるとされています。[1]
体質に合った漢方薬を取り入れ頭痛の症状を緩和することができれば、このような頭痛薬の多量服用による「薬物乱用頭痛」を減らすことにもつながるかもしれません。
そもそも頭痛とは?~一次性頭痛と二次性頭痛~
頭痛は大きく、一次性頭痛と二次性頭痛の2つに分類できます。
病気と関係しない、慢性の頭痛を一次性頭痛といい、何らかの病気が原因で起こる頭痛を二次性頭痛といいます。二次性頭痛は、くも膜下出血、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、副鼻腔炎(蓄膿症)などが原因で起こり、直接命に関わることもあるため注意が必要です。
まずは危険な頭痛ではないかチェックしよう!
以下のような場合は命に関わる危険な頭痛である可能性が高いため、早急に受診が必要です。[2]
(1)突然起こる激しい頭痛
今までに経験したことのないような激しい頭痛が突然起こった場合は、すぐに病院へ連絡しましょう。くも膜下出血の疑いがあります。
(2)発熱を伴う強い頭痛
発熱を伴う頭痛は風邪でも起こりますが、激しい痛みの場合は髄膜炎の可能性があります。
(3)手足の麻痺、めまい、ボケなどを伴う頭痛
頭痛とともに手足の麻痺や歩行・言語障害、めまいなどの症状がある場合は、脳腫瘍や脳血管障害の可能性が疑われます。頭痛の程度が軽い場合でも、神経内科や脳神経外科などの専門医を早期に受診しましょう。ボケを伴う頭痛では、慢性硬膜下血腫が疑われます。転倒などによる頭部の打撲で脳内出血が起こることが原因です。
(4)徐々に強くなっていく頭痛
徐々に痛みが増悪する頭痛や、早朝~朝方の頭痛は、脳腫瘍の疑いがあります。
主な頭痛である「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発性頭痛」の違い
病気と関係しない一次性頭痛(慢性頭痛)で、主な頭痛は以下になります。[2][3]
片頭痛
頭の片側ときに両側にズキンズキンという痛みが起こります。痛みの程度は中程度~かなり強く、動くと痛みが増します。吐き気がしたり光や音に敏感になったりします。女性に多く、日本では成人の約8.4%が片頭痛にかかっていると報告されています。
緊張型頭痛
長時間のデスクワークなどによる頭部の筋肉の緊張や、精神的ストレスが原因で起こります。頭の両側がギューっと締め付けられるような痛みです。痛みの程度は比較的軽い~中程度、肩こりやめまいが起こったりする場合もあります。
緊張型頭痛は一次性頭痛のなかで最も多い頭痛の一つであり、世界人口での有病率は38%と報告されています。
群発性頭痛
1年のうちの決まった時期、毎日決まった時間帯(明け方が多い)に、頭の片側(の目の奥)をズキンズキンという目を突き刺すような激しい痛みが襲います。極めて強い痛みのためにじっとしていられず、涙が出たり、目の充血や鼻水・鼻づまりが伴ったりします。20~30代の男性に多いのが特徴です。
漢方治療の適応となる頭痛とは?
漢方薬は一般に鎮痛薬の効果が不十分な場合や、鎮痛薬の副作用で治療の継続が困難な場合に使用されます。また、西洋薬と併用して治療を行うこともあります。
たとえば、片頭痛や緊張型頭痛の治療、薬物乱用頭痛、精神疾患からくる頭痛、感冒による頭痛、神経痛の頭痛、妊婦の頭痛などに漢方薬は用いられています。[4]
漢方医学で考える頭痛の原因とは
漢方医学では、健康を維持するためには、気血水の三要素が重要であると考えます。頭痛は、何らかの原因で「気」が正しく巡らずにからだの上部へ逆行したり(気逆:きぎゃく)、「血」の巡りが滞ったり(瘀血:おけつ)して起こるとされています。たとえばその原因が「冷え」からくる場合、頭痛のほかに胃腸機能の低下や血行不良による肩こりなども生じます。
また、雨の日や台風のときに起こる頭痛は、湿気による「湿邪」によって、からだの中に余分な水分がため込まれて体内の「水」の巡りが滞る(水毒:すいどく)ために生じます。さらに吐き気やめまい・立ち眩みなどの不調が伴う場合もあります。
漢方薬の治療ではご自身のもともとの体質や頭痛が起こる原因、また頭痛のほかにも心身の不調がないかなどを確認していくことで、ご自身の状態に合った漢方薬を選択することができます。
ご自身の体質や症状に合った漢方薬について悩まれている方は、YOJOの薬剤師にも相談することができます。
頭痛に効く漢方薬と選び方
では、頭痛に効果の期待できる漢方薬には具体的にどのようなものがあるでしょうか。ここでは6種類の漢方薬とそれぞれの特徴や選び方についてご紹介します。
【片頭痛や緊張型頭痛、冷え性の方の頭痛に】呉茱萸湯
呉茱萸湯は、からだを温めて頭痛や吐き気を改善する作用があります。
漢方ではからだが冷えて胃に水分が停滞すると、その水分が上逆して頭痛の原因になると考えます。
配合生薬の「呉茱萸(ごしゅゆ)」には胃腸の冷えを温めることで頭痛や嘔吐を鎮める働きがあります。またからだを温めて「気」の巡りを整える「生姜(しょうきょう)」や、胃腸の働きを高める「人参(にんじん)・大棗(たいそう)」といった4種類の生薬が配合されています。
また、頭痛の診療ガイドライン2021では、呉茱萸湯は慢性頭痛において片頭痛や緊張型頭痛に関わらず高い有効性を示すとしています。
配合生薬
呉茱萸、人参、大棗、生姜
服用がおすすめな人
手足が冷えやすく中等度以下の体力で、片頭痛や習慣性頭痛がある人におすすめの漢方薬です。頭痛に伴う悪心・嘔吐、冷え性を改善する作用もあります。
【緊張型頭痛やかぜの初期の頭痛に】葛根湯
葛根湯は、発汗を促してからだを温めることで、筋肉のこりをほぐす作用があります。
そのため、緊張型頭痛や風邪のひきはじめに起こる頭痛に効果が期待できます。基本的に急性期に用いる漢方薬で、短期間で効果が期待できる処方です。
主薬である「葛根(かっこん)」は発汗作用や血行促進作用をもちます。またからだを温めて発汗作用のある「桂皮(けいひ)」や血管拡張や抗炎症作用のある「芍薬(しゃくやく)」など7種類の漢方薬が配合されています。
配合生薬
葛根、麻黄、桂皮、芍薬、甘草、大棗、生姜
服用がおすすめな人
体力が中等度以上の人で、筋肉が緊張して起こる緊張型頭痛や肩こりのある人におすすめの漢方薬です。また、風邪の初期に起こる頭痛や発熱、寒気がするのに汗は出ないといった症状にも効果が期待できます。
服用に注意が必要な人
複数の漢方薬を服用する場合は注意ましょう
配合生薬の「甘草」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。
不眠、発汗、動悸、精神興奮などの副作用が起こる可能性があります
配合生薬の「麻黄」には交感神経作用をもつエフェドリン類が含まれるために心臓や血管に負担をかける可能性があります。高血圧、心臓病、腎臓病、甲状腺機能障害のある人は服用前に医師・薬剤師に相談しましょう。また、一部の咳止めや甲状腺の機能を補う薬などには麻黄と似た作用をもつお薬があるため、併用する場合には注意しましょう。
重大な副作用として、肝機能障害に注意しましょう
肝機能障害の症状(たとえば発熱、全身倦怠感、嘔気嘔吐、黄疸など)があらわれた場合は、服用を中止しすみやかに受診するようにしましょう。
葛根湯の飲み合わせについて、さらに詳しく知りたい方はこちら▼の記事もお読みください。
【天気や気圧の変化で起こる頭痛に】五苓散
五苓散は、「水」の巡りを整え、からだ全体の水分代謝を正常に戻す働きをもつ代表的な利水剤です。体内のアクアポリンという水チャネルに作用して水分の移動を調節する作用があることが報告されています。[5]
「沢瀉(たくしゃ)・猪苓(ちょれい)・茯苓(ぶくりょう)・朮(じゅつ)」といった利尿作用をもつ4種類の生薬が配合されているほか、「桂皮(けいひ)」には軽い発散作用があり、滞っている気血を巡らせます。
頭痛の診療ガイドライン2021によると、低気圧頭痛に対して五苓散は頓服薬としての服用も可能としており、即効性も期待できます。
また、2021年に発表された熊本大学とロート製薬の研究では、低気圧頭痛に特有の脳血流量の増加が、五苓散(ソウジュツ配合)の服用によって抑えられたという報告もあります。[6]
配合生薬
猪苓、茯苓、白朮(蒼朮)、沢瀉、桂皮
服用がおすすめな人
雨の日や台風の日に起こる低気圧頭痛やめまいにおすすめの漢方薬です。とくに口や喉が渇いて尿量が少ない人、からだ全体にむくみのある人、水を飲むと吐いてしまうような人に向きます。
低気圧頭痛に効果的な漢方薬について、さらに詳しく知りたい方はこちら▼の記事もお読みください。
【胃腸が弱い方の慢性頭痛に】桂枝人参湯
桂枝人参湯は、胃腸の機能を高めて冷えを改善する作用があります。
虚弱体質の人の消化器症状を伴う風邪などに用いられるほか、胃腸障害を伴う頭痛や動悸の症状に対しても効果が期待できます。
胃腸の不調を改善する「人参湯」に、軽い発汗作用・鎮痛作用をもつ「桂枝(けいし)」を加えた処方です。とくに、お腹が冷えると下痢しやすいような場合に効果があります。冷えると症状が悪化することが処方の目安の一つです。[7]
配合生薬
桂枝、甘草、白朮、人参、乾姜
服用がおすすめの人
胃腸の弱い人の慢性頭痛におすすめの漢方薬です。体力が低下しており、冷え性で顔色が悪く、食欲不振、下痢などの消化器症状を訴える人にも向きます。
服用上の注意
複数の漢方薬を服用する場合は注意ましょう
配合生薬の「甘草」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。
【血圧の高い方の慢性頭痛や緊張型頭痛に】釣藤散
ストレスによって血圧が上がる人は、「気」が頭の方へと上昇している状態です。上昇した「気」は熱に変わり、頭痛やめまいなどを引き起こします。また「気」と共に「血」も上昇すると、顔のほてりや目の充血が起こります。
釣藤散は、「気」の上昇を抑えるとともに、「気」「血」の巡りを整える働きがある漢方薬です。高血圧の方の頭痛や起床時の頭痛、首や肩のこりに伴う緊張型頭痛に効果的であることが報告されています。[8]
釣藤散の主薬である「釣藤鈎(ちょうとうこう)」には降圧作用や鎮痙作用があるほか、からだの熱を冷ます「石膏(せっこう)」や頭痛・めまいを治す「防風(ぼうふう)」など11種類の生薬が配合されています。
配合生薬
釣藤鈎、石膏、茯苓、半夏、防風、菊花、人参、麦門冬、陳皮、生姜、甘草
服用がおすすめな人
体力中等度で、中年以降の慢性的な頭痛や頭重がある人におすすめの漢方薬です。とくに午前中に体調が悪く、イライラしたときに血圧が高くなるような人に向きます。
服用上の注意
胃腸が弱い冷え性の人は注意しましょう
漢方薬の作用で症状が悪化する場合があります。
複数の漢方薬を服用する場合は注意ましょう
配合生薬の「甘草」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。
【月経周期で悪化する頭痛に】当帰芍薬散
当帰芍薬散には、「血」の不足を補い「水」の巡りを良くすることで全身の代謝を整える作用があります。からだに必要な栄養分を行き渡らせて全身を温めてくれる漢方薬です。
とくに月経周期や更年期症状と関連するような頭痛・頭重、めまいの症状に有効とされています。また他の漢方薬で頭痛が軽快したものの月経時の頭痛のみ残るといった場合にも効果が期待できます。[9]
配合生薬である「当帰(とうき)・芍薬(しゃくやく)・川芎(せんきゅう)」には血を補って血行を良くする作用があり、「茯苓(ぶくりょう)・沢瀉(たくしゃ)・白朮(びゃくじゅつ)」には水の代謝を整える作用があります。
配合生薬
芍薬、茯苓、沢瀉、白朮、川芎、当帰
服用がおすすめな人
体力虚弱で冷えや貧血傾向のある人の頭痛・頭重におすすめの漢方です。疲れやすく、めまいや肩こり、全身倦怠感を伴う人にも向きます。
服用に注意が必要な人
胃腸が弱い人は注意しましょう
「当帰」が胃腸に負担をかけて、食欲不振や吐き気などの消化器症状の副作用が起こる場合があります。
月経周期で起こるからだの不調(PMS)に悩まれている方は、こちら▼の記事もおすすめです。
ドラッグストアや薬局で購入できる市販の漢方薬とは
ここでは、まずは気軽に漢方薬を試してみたい方向けに、桂枝人参湯以外の市販で購入できる漢方商品を紹介します。
呉茱萸湯エキス錠クラシエ
ズキズキする頭痛や頭痛からくる吐き気がある方に
呉茱萸湯エキスを有効成分とした商品です。冷え性や肩こりがある人に向きます。
分類 | 第2類医薬品 |
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適応する人 | 体力中等度以下で、手足が冷えて肩がこり、ときにみぞおちが膨満する人 |
形状 | 錠剤 |
用法・用量 | 1日3回食前又は食間に水又は白湯にて服用。 成人(15才以上) 1回2錠 |
服用対象年齢 | 15才未満は服用しないこと |
効能効果 | 頭痛、頭痛に伴うはきけ・嘔吐、しゃっくり |
内容量 | 48錠 |
ツムラ漢方葛根湯エキス顆粒A
かぜの初期症状だけでなく慢性的な頭痛や肩こりにも
葛根湯エキスを有効成分とした商品です。体力が中等度以上の人の頭痛や肩こりに向きます。
分類 | 第2類医薬品 |
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適応する人 | 体力中等度以上の人 |
形状 | 顆粒剤 |
用法・用量 | 1日2回食前に服用。 成人(15歳以上):1回1包 15歳未満7歳以上:1回2/3包 7歳未満4歳以上:1回1/2包 4歳未満2歳以上:1回1/3包 |
服用対象年齢 | 2歳以上(2歳未満は服用しないこと) |
効能効果 | 感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み |
内容量 | 8包/16包 |
和漢箋 ®キアガード
天気や気圧の変化からくる逃げられない頭痛に
五苓散エキスを有効成分とした商品です。天気や気圧の変化で起こる頭痛に向きます。
分類 | 第2類医薬品 |
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適応する人 | 体力に関わらず使用でき、のどが渇いて尿量が少ないもので、めまい、吐き気、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかの訴えがある人 |
形状 | 錠剤 |
用法・用量 | 1日3回食前または食間に水又はお湯で服用。 成人(15歳以上):1回4錠 5歳以上15歳未満:1回2錠 |
服用対象年齢 | 5歳以上(5歳未満は服用しないこと) |
効能効果 | 水様性下痢、急性胃腸炎(しぶり腹のものには使用しないこと)、暑気あたり、頭痛、むくみ、二日酔 ※しぶり腹とは、残便感があり、くり返し腹痛を伴う便意を催すもののことである。 |
内容量 | 24錠 |
ツムラ漢方47 釣藤散エキス顆粒
イライラして頭痛がする方、慢性頭痛がある方に
釣藤散エキスを有効成分とした商品です。血圧が高い人の頭痛にも向きます。
分類 | 第2類医薬品 |
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適応する人 | 体力中等度で、慢性に経過する頭痛、めまい、肩こりなどがある人 |
形状 | 顆粒剤 |
用法・用量 | 1日2回食前に服用。 成人(15歳以上):1回1包 15歳未満7歳以上:1回2/3包 7歳未満4歳以上:1回1/2包 4歳未満2歳以上:1回1/3包 |
服用対象年齢 | 2歳以上(2歳未満は服用しないこと) |
効能効果 | 慢性頭痛、神経症、高血圧の傾向のあるもの |
内容量 | 20包 |
ルビーナめぐり®
冷え性で疲れやすい方の頭痛・頭重に
当帰芍薬散エキスに、胃腸を元気にしてからだを温める「人参」が配合されている商品です。
分類 | 第2類医薬品 |
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適応する人 | 体力虚弱で胃腸が弱く、冷え症で貧血の傾向があり、疲労しやすく、ときに 下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などの訴えがある人 |
形状 | 錠剤 |
用法・用量 | 1日3回食前または食間に服用 成人(15歳以上):1回3錠 15歳未満7歳以上:1回2錠 |
服用対象年齢 | 7歳以上(7歳未満は服用しないこと) |
効能効果 | むくみ、月経痛、頭重、足腰の冷え症、月経不順、月経異常、産前産後 あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、更年期障害、 めまい・立ちくらみ、肩こり、腰痛、しみ、耳鳴り、しもやけ |
内容量 | 60錠/120錠 |
頭痛に対して漢方以外のおすすめ養生法
なかなか治らない頭痛を改善するためには、漢方薬の服用だけでなく食生活や普段の習慣を見直すことも大切です。
ここでは頭痛に対しておすすめの養生法をお伝えします。
片頭痛の対策
片頭痛の誘因となる食べ物の摂取を控える
チョコレートやチーズ、ワイン、コーヒーなどは片頭痛の原因となりうるため、心当たりがある場合は摂取を避けましょう。ただし食べ物による片頭痛の誘発は個人差があり、体調によっても変わります。
また片頭痛は不規則な食生活が原因で起こる「低血糖」が引き金となって起こりやすくなるため、規則正しく食事を取ることも大切です。
頭を冷やす
片頭痛は冷やすことで痛みが軽減されることも多いです。痛みの発作が出た場合は、こめかみの血管がズキンズキンと脈打っている部分を保冷剤や冷却シートで冷やしてみましょう。
過度のストレスに注意する
頭痛の診療ガイドライン2021によると、片頭痛の誘因で最も多いのはストレスとされています。合わせて疲労や睡眠不足にも注意しましょう。
また、女性ホルモンや天候の変化も主な誘因となっているため、生理期間や悪天候の日には無理をせずにゆっくり休むことも有効な対策の一つです。
緊張型頭痛の対策
入浴や蒸しタオルなどでからだを温める
緊張型頭痛の場合はとくに肩や首回りの筋肉の緊張をほぐして、頭部への血流を改善することが有効です。シャワーだけですませずにお風呂にゆっくりと浸かってマッサージしたり、蒸しタオルで首や肩の部分を温めましょう。リラックスすることで自律神経のバランスが整えられ血行促進効果も期待できます。
頭痛体操を行う
頭痛体操で、首や肩周りの筋肉のこりをほぐすのも緊張型頭痛には効果的です。[2]
頭痛体操
①両方の肩を上下に10回上げ下げする
② 正面を向いたまま頭を10回前後、左右に交互に倒す
③ 首を左右に10回「イヤイヤ」をするようにねじる
④ 手のひらで前頭部、側頭部、後頭部をマッサージする
⑤ うなじをこぶしでトントンと10回たたく
同じ姿勢を長時間続けないように注意する
長時間にわたって同じ姿勢を取り続けると筋肉が緊張して血行が悪くなります。仕事の合間に、机を離れて軽い体操やストレッチをするだけでも違います。1時間に5~10分は休憩を入れて背骨を伸ばすようにしましょう。
肩こりが気になる方には、こちら▼の記事もおすすめです。
頭痛に効く漢方薬に関するよくある質問
病院で処方してもらえる漢方と市販薬の違いは?
漢方薬に含まれる生薬成分については、「処方薬」と「市販薬」とで変わりはなく、期待できる効能効果は同じです。ただし、市販薬は不特定多数の方が購入することから安全性を考慮して、1日量の成分量が少ない場合があります。
また、「処方薬」は医師の診断のもとで処方され、保険適用で1~3割負担で購入できます。一方で「市販薬」は全額自費ですが服用者自身で選んで購入することができます。ご自身で選ぶ場合も、体質や症状に合った漢方薬を選択することが大切です。
妊娠中・授乳中に漢方薬を服用しても大丈夫?
妊娠・授乳中でも服用できる漢方薬はありますが、体質や症状に合わない場合もあるため、必ず服用前にかかりつけの産婦人科医に相談しましょう。また、一般に麻黄や大黄、利尿作用の強い生薬が含まれる漢方薬は、妊婦への投与が禁じられています。[10]そのほか慎重に投与すべき生薬もあるため、自己判断での服用には注意が必要です。
頭痛に漢方薬が効かない場合は?
漢方薬を一定期間、継続して服用しても効かない場合は、体質や症状に合っていない可能性があります。漫然と使用すると、効果が出ないだけでなく副作用などを引き起こす場合もあるため注意しましょう。
また、冒頭でも述べたように、頭痛は症状や種類によっては命に関わる危険もあります。気になる症状があれば、早めに医療機関を受診して検査するようにしましょう。
YOJOではご自身の頭痛の症状に合った漢方薬のご提案だけでなく、生活習慣上のアドバイスも受けることができます。なかなか改善しない症状に悩まれている方は、一度YOJOの薬剤師に相談してみるのもよいでしょう。
【参考文献】
[1]一般社団法人 日本神経学会 頭痛の診療ガイドライン2021
[2]日本臨床内科医会 頭痛
[3]一般社団法人 日本頭痛学会 片頭痛/緊張型頭痛/群発性頭痛
[4] 北里大学病院 (2013) 頭痛の漢方薬
[5]礒濱洋一郎(2011)五苓散のアクアポリンを介した 水分代謝調節メカニズム, Science of Kampo Medicine 漢方医学 Vol.35 No.2
[6] 熊本大学HP 五苓散(ソウジュツ配合)の天気頭痛への効果を発見
[7]桂枝人参湯,漢方スクエア, Vol.15 No.10
[8] 木村容子ら(2008)釣藤散が有効な頭痛-多変量解析による検討-日本東洋医学雑誌59(5)707-713
[9] 木村容子ら(2011)当帰芍薬散が有効な頭痛の症例について, 日本東洋医学雑誌62(5)627-633
[10]福岡県薬剤師会,妊婦への投与に注意が必要な漢方薬