冷え性を改善するためには?原因や冷え性のタイプについても解説

冷房で冷える女性

「手足が冷えて眠れない」「夏でも冷えてつらい」といった冷え性の悩みは、多くの人にとって共感できるものです。実際、女性の半数以上が冷え性だと言われています。また、自覚症状がなくても、太りやすい体質や目の下のクマ、肌荒れなどの症状がある場合、それは「冷え」が潜んでいる可能性があります

この記事では、

・冷え性の原因
・冷え性のタイプ
・冷え性を改善する方法

について、詳しく解説していきます。

冷え性にお悩みの方は、YOJOの薬剤師に相談もできます。まずは体質チェックから始めてみてください。

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冷え性とは? 原因や種類、改善方法を解説

寒そうな女性

冷え性とは、「通常は人が寒さを感じない程度でも、手足や腰、下半身などの体の一部、あるいは全身が冷えて、それが苦痛になるもの」と定義されています。

多くの人が日常的に冷え性に悩んでいますが、西洋医学的には「冷え性」という病気は存在しません。一般的には「冷え性」と表現されますが、漢方医学では「冷え症」と呼び、冷えを治す必要がある疾患として重要視されています。

冷え性チェックリスト

冷え性の感じ方は人によってさまざまであり、「手足が冷える」「下半身が冷える」といった症状を経験する人もいます。冷え性は客観的に測定される検査値で診断されるわけではありませんが、症状に基づいて冷え性と判断されることがあります。
以下の22項目のチェックリストで、3つ以上の項目に◯が当てはまる場合は注意が必要です。5つ以上の項目に◯が当てはまる場合は冷え性の可能性が高く10以上の項目に◯が当てはまる場合は重度の冷え性が疑われます
以下のチェックリストを参考にして、自身の症状を把握することができます。

□手が冷える
□足が冷える
□寒がりである
□肩こりがある
□トイレが近い
□クーラーがつらい
□足が冷えて寝れない
□寝る時は電気毛布かあんかが必要
□頭痛持ちだ
□夕方、足がむくむ
□下痢しやすい
□のぼせることがある
□足がほてることがある
□足は冷えるのに頭はのぼせる
□お風呂に入ってもなかなか温まらない
□腰痛や膝痛がある
□よく手や足が冷たいと言われる
□ダイエット中である
□平熱が低い
□夏でも靴下を履いている
□生理痛がある
□しもやけができやすい

[参考]漢方スクエア『冷え性の病態と漢方治療』木下優子先生(日本大学医学部東洋医学講座 医局長)より引用

冷え性の原因は?〜冷え性の改善に向けて〜

寒そうな女性

冷え性にはさまざまな原因があると考えられます。まずは原因を知ることからはじめましょう。

運動不足(筋力の低下)

熱産生とは、体内で熱が生成されることを指します。その中で、筋肉による熱産生が最も大きな割合を占めており、筋肉量が少ないと冷えやすくなる傾向があります。そのため、女性は男性に比べて筋肉量が少ないことが冷え性の一因とされています。
さらに、運動不足は血液の循環を悪化させる要因となります。運動不足による筋力の低下は、筋肉の収縮力を弱め、血液の循環が悪くなる結果につながります。その結果、血液や熱が末梢部まで行き渡りにくくなり、冷えの原因となります。
また、血行は自律神経によって調整されています。運動不足によって自律神経のバランスが乱れると、交感神経が優位になり、血管が収縮するため血行不良が起こりますこれも冷えの原因となります。[1]

食生活の乱れ

食事の内容や食事制限によるダイエットも冷え性との関係があります。まず、食事内容について言えば、冷たい生野菜や飲み物ばかりを好んで摂ると、体が自然と冷えやすくなります。また、栄養不足になると体の機能が十分に働かず、体温調節も上手くいかなくなります。たとえば、鉄やビタミンB12の不足は貧血を引き起こし、血液の酸素供給が低下します。その結果、手足などの末梢部への血液の流れが制限され、冷えを感じやすくなるのです。
さらに、食事を摂ると体内で吸収された栄養素が分解され、一部は体熱として消費されます。このことから、食事を摂った後は、安静にしていても代謝量が増えるのです。この現象を食事誘発性熱産生と呼びます。したがって、食事制限によるダイエットは、栄養不足や熱産生の低下といった要素から、冷え性の原因となる可能性があります

喫煙

タバコに含まれるニコチンは、交感神経を刺激して血管を収縮させる作用があります。そのため、血流量が低下し、末梢までの血液の流れが悪くなることが冷え性の原因となりますさらに、血流が悪くなることで代謝も低下し、熱産生が低下するため、体が冷えやすくなります。[2] 

女性ホルモンの影響

生活習慣やストレスなどの要因により、女性ホルモンのバランスが乱れることで自律神経の調節も乱れ、血流が悪くなり冷えを引き起こすことがあります。特に更年期以降の女性は、女性ホルモンであるエストロゲンの急激な低下により、自律神経のバランスが乱れやすくなり、冷えの症状が強まることがあります。

病気が原因の場合も

冷えは、いくつかの病気が原因となって発生することもあります。冷え性の治療を行う際には、以下のような病気が隠れていないか確認する必要があります

  • 貧血
  • 甲状腺の病気
  • 膠原病
  • 動脈硬化による病気
  • 低血圧 
    など

こうした病気が冷えの原因となっている場合、まずは原因となっている病気自体の治療が重要です。冷えが強く感じられたり、長期間にわたって続いたり、指先が白や紫に変色するなどの症状がある場合は、医師の診断を受けることをおすすめします。

あなたの冷え性のタイプは?〜冷え性を改善するために知ろう〜

医療従事者の女性

冷え性にもいくつかタイプがあります。あなたの冷え性はどのタイプに当てはまるか確認してみましょう。

全身が冷えるタイプ(新陳代謝低下型)

運動不足や加齢などが原因となり、新陳代謝が低下することで熱産生も低下します。その結果、全身が冷えやすくなる傾向があります。もともとは高齢者に多いタイプでしたが、最近ではダイエットにより若い女性にも増加しています。
漢方医学の視点では、このタイプは気虚(ききょ)と関連しており、全身のエネルギーが不足している状態です。以下のような症状が見られることがあります。

生気がない、全身が冷えてだるい、下痢や腹痛がある、胃腸が弱く食欲がない、
やる気が出ない など

手足が冷えるタイプ(四肢末端型)

疲労や無理なダイエットなどが原因となり、血行不良により血液が手足の先まで適切に行き渡らず末端が冷える傾向があります。特に若い女性に多く見られます
漢方医学の視点では、このタイプは血虚(けっきょ)と関連しており、血液が不足しているために全身にうまく行き渡らない状態とされます。以下のような症状がみられることがあります。

手足が冷たい、しもやけができやすい、目の下にクマができやすい
唇や皮膚が暗紫色に見える、ニキビができやすい、月経トラブルがある 
など

下半身が冷え上半身はのぼせるタイプ(自律神経失調型)

ストレスや更年期によるホルモンバランスの変化などが原因で、自律神経のバランスが乱れますその結果、下半身が冷える一方で上半身がのぼせる傾向があります。このタイプでは、ほてりの症状が先に現れることもあり、冷え性と気付かないままに隠れた冷え性から発症することもあります
漢方医学の視点では、このタイプは気逆(きぎゃく)と関連しており、気の巡りに異常が生じ、本来上半身から下半身へと巡るべき「気」が逆流している状態とされます。以下のような症状がみられることがあります。

顔のほてり、のぼせ、イライラ感、頭痛、肩こり、肌荒れ、月経トラブル、便秘 
など

自律神経を整えるための漢方薬や生活習慣アドバイスなどを詳しく解説してますので、こちら▼も合わせてお読みください。

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体が寒いと感じる寒がりタイプ(体感異常型)

ストレスや緊張によって自律神経のバランスが乱れ、血流が悪くなることで冷えを感じる傾向があります。[3] 漢方医学の視点では、このタイプは五臓のうち肝の調子が乱れており、気や血の巡りが悪い状態とされます。以下のような症状が見られることがあります。

イライラ感、疲れているのに眠れない、疲れやすい、食欲不振、胃痛
など

これらの体質の場合、漢方薬を服用して気・血を補ったり、巡りを整えることで冷え性の改善につながる場合があります。冷え性でお悩みの方はまずはYOJOの体質チェックをお試しください。

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冷え性を改善するには?

温かい飲み物を飲む女性

冷え性を改善するためには、日々の生活の見直しが必要になります。以下で具体的な方法をご説明します。できることから取り入れて冷えにくい体を目指しましょう。

食生活を見直す(体を温める食べ物・飲み物を摂る)

冷え性を改善するためには、食事において体を温める効果のある食材を積極的に摂取することが重要です。逆に、冷やす効果のある食材は控えるようにしましょう。体を温める食材としては、薬味類が多く挙げられます。一方、夏野菜や南国で採れるフルーツは体を冷やす作用があるため、摂取量には注意が必要です。ただし、加熱調理することで冷やす効果は緩和されるので、調理方法にも留意しましょう。
また、血流を促進するビタミンEや貧血予防のためにタンパク質やビタミンB12などを摂取することも冷え性の改善に役立ちます。バランスの取れた食事を意識し、さまざまな栄養素を摂取するようにしましょう。
特に夏場など冷たい飲み物を摂る際には、温かい飲み物も同時に摂るなど、体が過度に冷えないように注意しましょう。

体を温める食材[4]
にんにく、しょうが、ねぎ、玉ねぎ、ニラ、バジル、紫蘇、みょうが、
パクチー、かぼちゃ、納豆、さくらんぼ、桃、ライチ、くり、くるみ、えび、
あじ、あなご、いわし、鮭、かじきまぐろ、羊肉、鶏肉、紅茶、ジャスミン茶、プーアール茶、甘酒、ワイン、ウイスキー、焼酎など

体を冷やす食材[4]
きゅうり、なす、トマト、アロエ、大根、冬瓜、ゴーヤ、もやし、
ラディッシュ、柿、キウイフルーツ、グレープフルーツ、なし、バナナ、
メロン、スイカ、かに、たこ、もずく、わかめ、緑茶、烏龍茶、ビールなど

ビタミンEを豊富に含む食材[4]
アーモンド、落花生、いくら、モロヘイヤ、かぼちゃ、ピーマン、アボカド、
など

タンパク質を豊富に含む食材[4]
卵、チーズ、きなこ、カツオ、鶏肉(ささみ)、豚肉(ひれ)など

ビタミンB12を豊富に含む食材 [4]
しじみ、レバー、あさり、いくら、牡蠣、ホタテ、サバ、干しエビなど

適度に運動をする(筋肉トレーニングやストレッチ)

運動によって筋肉量を増やすことは、熱産生量の向上につながり、冷え性の改善に効果的です。基礎代謝量とは、安静時における生命活動に必要な最小限のエネルギー量のことを指します。筋肉量が増えると基礎代謝量も上昇し、安静時でもより多くの熱を生み出すことができます。その結果、体が冷えにくくなるのです。基礎代謝を上げるためには、軽度の日常運動でも効果があります。報告によれば、一度の運動時間を30分以上継続することが効果的です。[5] ウォーキングやスクワットなど、どんな軽い運動でも構いません。目標は30分以上続けることです。
全身の筋肉の中で、下半身の筋肉は60〜70%を占めているため、下半身の筋肉を鍛える運動が特におすすめです。しかし、筋肉トレーニングが難しい場合でも、ストレッチやマッサージを行うことで血流が改善され、代謝が促進されます。できる範囲から始めてみましょう。

入浴で体を温める

シャワーだけでなく、入浴をして体を温めることは非常に重要です。体全体を温めるために、「頭寒足熱」を意識しましょう。つまり、足元を温めて頭が熱くなりすぎないようにすることです。

入浴時のポイントは以下の通りです。

  • 寝る前に38度〜40度くらいのお湯にゆっくりと入る
  • お気に入りの入浴剤を入れてリラックスしながら半身浴するのも良い
  • 入浴できない時は、足湯や手浴でも効果的

服装に気をつける(体を締め付けない)

締め付けの強いジーンズやガードルを日常的に着用することは、血行不良の原因になる可能性があります。ですから、できるだけゆったりとした服装を選ぶことを心がけましょう
さらに、以下の点にも気をつける必要があります。

  1. 首、手首、足首は太い血管が通っている場所なので、これらの部位を冷やさないようにしましょう。首を冷やさないために、首元を覆うものを着用すると良いです。
  2. 体の中でも特に重要なのはお腹(内臓)です。お腹を冷やさないようにするために、腹巻きを使用すると効果的です。お腹から下はしっかりと温め、上半身は薄着にするようにしましょう。
  3. 夏場でも冷房で冷えすぎないように気をつけましょう。必要な場合に備えて、ストールや上着などを持ち歩くと良いです。

禁煙する

タバコに含まれるニコチンの影響により、血管が収縮し血流が悪くなるため、禁煙によって血行不良を改善することができます。禁煙すると、たった20分後には血圧と脈拍が正常値まで下がり、手足の温度も上昇します。[6]

ストレスを溜めずに規則正しい生活を心がける

冷え性は、自律神経のバランスが乱れ交感神経が優位になり、副交感神経の働きが低下することにより血管が収縮し、血流が悪くなることで起こると考えられています。そのため、ストレスを蓄積せずに規則正しい生活を心掛けることが重要です。これにより、自律神経のバランスを整えることが冷え性の改善につながります。

漢方薬を飲む

原因が特定できない冷え性に対しては、漢方薬が効果的であり得意分野でもあります。冷えのタイプや自身の体質に応じて適切な漢方薬を選ぶことが重要です。以下では、冷え性改善によく使用される代表的な漢方薬をご紹介します。
効果を高めるためには、お湯に溶かして服用することが重要です。

漢方薬を飲むのが苦手な方は、こちら▼の記事も合わせてお読みください。

漢方薬の正しい飲み方は?上手に飲むコツや飲むときの注意点も解説

全身が冷えるタイプ(新陳代謝低下型)には?
真武湯(しんぶとう)、人参湯(にんじんとう)など

手足が冷えるタイプ(四肢末端型)には?
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)など

下半身が冷え上半身はのぼせるタイプ(自律神経失調型)には?
加味逍遙散(かみしょうようさん)など

体が寒いと感じる寒がりタイプ(体感異常型)
抑肝散(よくかんさん)など

YOJOでは、簡単な体質チェックをもとに漢方に詳しい薬剤師があなたに合った漢方薬をご提案いたします。合わせて、冷え性を改善するための生活上のアドバイスも行っています。まずはお気軽に相談してみてくださいね。

体質チェックをはじめる

冷え性の改善に用いられる漢方薬について詳しく知りたい方はこちら▼の記事もお読みください。

冷え性に関するよくある質問

よくある質問

冷え性に関する質問にお答えします。

男性でも冷え性はありますか?

最近では、男性でも冷え性を訴える方が存在しています。特に働き盛りの世代の男性に多く見られるのは、ストレスによる自律神経の乱れによる冷えです。イライラ感や抑うつ、不眠などの症状が見られる男性は手足の冷えを訴えることが多いです。また、男性でも年を重ねると冷えを自覚するケースが増え、頻尿や腰痛などの症状との関連が深くなります

男性は女性に比べて冷え性の自覚が少ない傾向があるため、腰痛や肩こりがある方は「冷え」が隠れていないか注意深く観察する必要があります。

夏でも冷え性で困っています。何かおすすめの改善方法はありますか?

基本的には、先述した冷え性の改善方法と同様ですが、特に注意が必要です。夏でも冷えを感じる場合、冷たい飲み物や食べ物を摂った後は必ず温かい飲み物や食べ物を摂るように心掛けましょう。また、一日の終わりには湯船にゆっくり浸かることでその日の冷えを解消するようにしましょう
夏は外気温が高いですが、クーラーの使用により室内は冷えやすい環境になります。室内でのクーラー対策も意識しましょう。外出時には羽織れる上着などを持参し、冷えすぎないように工夫しましょう。また、家では室温を28℃前後に設定して冷やしすぎないようにし、外との温度差を少なくすることで自律神経のバランスを保つことも重要です。

夏の冷え性は自覚しにくいこともあるので、クーラーの効いた場所で過ごしたり、冷たい飲み物や食べ物を摂りすぎて胃腸の調子を崩すといった症状が現れることもあります。
体のだるさや疲れ、胃腸の不調や下痢なども冷えが原因で起こることもあるので、体調不良が気になる場合は冷え対策に取り組んでみましょう。

【参考文献】
[1]Japanese Journal of Nursing Art and Science Vol. 15, No. 3, pp 227-234, 2017 冷え症の生理学的メカニズムについて
[2]厚生労働省 e-ヘルスネット 喫煙と循環器疾患
[3]株式会社ツムラ 冷え改善のススメ 岡村 麻子監修
[4]食養生の知恵 薬膳食典 食物性味表 編著 日本中医食養学会
[5
]名古屋学芸大学健康・栄養研究所年報 第 8号 2016年 日常運動が生活習慣病患者の安静時エネルギー消費量に及ぼす影響
[6]厚生労働省 e-ヘルスネット 禁煙の効果