【薬剤師監修】更年期障害と漢方治療とは?症状のセルフチェックと体質別の選び方も解説

女性が40代後半頃から気になり始める、更年期によるからだの不調。
「腰や手足の冷えがツライ」「疲れやすくイライラする」「顔がほてる」といった症状が続くようであれば、更年期かもしれません。

更年期に起こる症状には個人差があり、複数の不調が重なる場合もあるため、不安に感じる方も少なくないでしょう。
更年期の症状には、その特性から漢方が治療の選択肢の一つとして用いられることが多いです。ご自身に合った漢方薬を選択すれば、からだの不調を改善し更年期を上手く乗り切ることもできるかもしれません。

この記事では、

・更年期に起こる症状の種類
・更年期障害に漢方が効果的な理由
・漢方でみる更年期のからだの状態
・更年期に使用される具体的な漢方薬とその選び方

について、詳しく解説していきます。

更年期によるからだの不調に悩まれている方はYOJOで無料相談できるので気軽に利用してみてくださいね。

体質チェックをはじめる

Contents

女性の更年期とは~漢方との関連性~

更年期の女性

日本産科婦人科学会によると、更年期とは、閉経前5年と閉経後5年のおよそ10年間のことをさします。
一般に閉経を迎えるのは50歳頃であることから、45~55歳頃が更年期にあたります。
この更年期の間に起こるからだの不調を「更年期症状」、その症状が重く日常生活に支障をきたす場合を「更年期障害」と呼んでいます。

では、更年期症状に漢方はなぜ効果的なのでしょうか。
更年期と漢方の関係について、これから順を追ってご説明していきます。

更年期障害はなぜ起こるの?

医師と?

そもそも更年期障害はなぜ起こるのでしょうか?

女性は40代の後半から卵巣の機能が衰え始め、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が減少していきます。そして閉経を迎えることでさらに急激にエストロゲン分泌量が落ち込み、その影響でホルモンバランスや自律神経のバランスが崩れて心身に不調をきたしてしまうのです。

更年期に起こる具体的な症状とは?

更年期症状に悩む女性

更年期に起こる症状には具体的に以下のようなものがあります。

血管運動系の症状 ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、寝汗、手足の冷え、動悸、息切れ、高血圧
精神神経系の症状 気分の落ち込み、イライラ、情緒不安定、抑うつ、不眠、頭痛、倦怠感、集中力の低下、物忘れ、めまい、耳鳴り
消化器系の症状 食欲不振、吐き気、胃もたれ、お腹の張り、便秘、下痢
運動器官系の症状 肩こり、腰痛、関節痛、手足のしびれ・こわばり
生殖・泌尿器系の症状 月経異常、生理不順、頻尿、残尿感、陰部のかゆみ、性交痛
皮膚・粘膜系の症状 乾燥、かゆみ、抜け毛、 シミ 、発汗異常、ドライアイ

実際にYOJOで40~50代の女性50名にアンケートを行ったところ、以下のようなお悩みが多かったです。(YOJO調べ:2022年9月~2023年6月患者さま回答)

更年期症状でどのような症状に悩まれているかを
YOJOの患者さま50名にアンケート調査!

上記から分かるように、更年期に起こり得る症状はさまざまであり、なかには更年期症状なのかどうか判断がつきにくい症状も多くあります。
そんなときに臨床の現場でも広く用いられているのが、簡略更年期指数(SMI)というチェック方法です。[1]

更年期障害のチェック方法 ~簡略更年期指数(SMI)~

以下の評価基準でチェックしてみましょう。

強:毎日のように出現、中:毎週みられる、弱:症状として強くはないがある

症状
顔がほてる 10 6 3 0
汗をかきやすい 10 6 3 0
腰・手足が冷えやすい 14 9 5 0
息切れ・動悸がする 12 8 4 0
寝つきが悪い、
眠りが浅い
14 9 5 0
怒りやすく、
すぐイライラする
12 8 4 0
くよくよしたり、憂うつになることがある 7 5 3 0
頭痛、めまい、吐き気がよくある 7 5 3 0
疲れやすい 7 4 2 0
肩こり、腰痛、手足の痛みがある 7 5 3 0

自己採点の評価方法
0~25点:上手に更年期を過ごしています。これまでの生活習慣を続けていきましょう。
26~50点:食事、運動などに注意を払い、生活様式などにも無理をしないようにしましょう
51~65点:医師の診察を受け、生活指導、カウンセリング、薬物療法を受けることおすすめします。
66~80点:長期間(半年以上)の計画的な治療が必要でしょう
81~100点:各科の精密検査を受けて、更年期障害のみである場合は専門医での長期的な治療が必要でしょう。

更年期障害の薬物治療とは

更年期障害の薬物治療とは

では、更年期障害と診断された場合は、どのような治療を行うのでしょうか。

医師の診断のもとホルモン剤が処方される

更年期の治療には、広くホルモン補充療法(HRT)が行われています。
飲み薬または貼り薬で、減少したエストロゲン(卵胞ホルモン)を補充する治療法です。
また、子宮がある場合には子宮内膜がんを予防するために、黄体ホルモンも一緒に投与します。
ホルモン剤は特にホットフラッシュや動悸などの血管運動系の症状や、生殖・泌尿器系の症状に有効とされており、 その他、骨粗鬆症の予防や、悪玉コレステロールを減らす効果、コラーゲン量を増やして肌にうるおいとハリを与える効果なども期待できます。
精神症状に対してホルモン療法が無効な場合は、抗うつ薬や抗不安薬を使用することもあります。

ホルモン剤を服用できない場合

更年期障害の根本治療 であるホルモン補充療法ですが、 乳がんや子宮体がんの人、血栓症・心筋梗塞・脳卒中の既往がある人、重い肝臓病の人は副作用の観点から治療を受けることができません。

漢方による体質改善は更年期の症状に効果的?

漢方により更年期症状が改善された女性

漢方は、ホルモン補充療法(HRT)が行えない方の選択肢として用いられるだけでなく、症状の程度に合わせて他の治療法と併用されることも多いです。更年期における、検査では異常が認められない心身の不調(不定愁訴)に対する治療に、漢方はとても相性が良いと言われています。

ここでは漢方における更年期の考え方と、漢方が効果的な理由についてお話しします。

西洋薬と漢方の違い

西洋薬と漢方の違い

病気の症状をピンポイントで治療する西洋薬と違い、漢方は私たちに本来備わっている自然治癒力を高めることでからだの不調を改善します。
そのため、時に重篤な副作用が起こるケースはあるものの、一般的には西洋薬よりも副作用の頻度は少ないと言われます。
また、自然治癒力が高まり体質が改善されるため、複数の不調が穏やかに改善されていくのも漢方の特徴です。

漢方の気・血・水で見る更年期のからだの状態

気血水でみる更年期のからだの状態

漢方では、「気(き)・血(けつ)・水(すい)」の3つの要素がバランス良く体内を巡ることで、健康が維持されると考えています。
気は生命活動のエネルギー源、血は全身を巡る血液やその栄養、水は血液以外の体液をさします。

更年期ではこのうち特に気・血がバランスを崩しているために、心身に不調をきたしていると漢方では考えられています。

漢方でみる更年期症状のタイプ別チェック

更年期に効果的な漢方薬を選ぶ薬剤師

更年期症状が重くなりやすい体質には以下のようなタイプがあります。

気虚(ききょ)

気が不足している状態で、疲れやすい、やる気が出ない、憂鬱な気分になる、集中力がないなどの症状が出やすくなります。

気滞(きたい)

気の巡りが悪い状態で、イライラや情緒不安定になりやすくなります。また、お腹の張りやのどの詰まり、吐き気、不眠症などの症状が出ることもあります。

血虚(けっきょ)

血が不足している状態で、栄養不足や貧血、月経困難症、肌のかゆみ・乾燥のほか脳にも栄養が回らずに物忘れが多くなったりめまいが起こったりします。

瘀血(おけつ)

血液の流れが悪くなっている状態で、手足の冷えや肩こり、頭痛、シミやニキビなどの肌荒れ、不正出血や生理不順、ひどい生理痛などの症状が起こりやすくなります。

陰虚(いんきょ)

気・血に不調が生じると、最終的には水の不調も引き起こすとされています。必要な水分・潤いを保持する力が低下している状態で、余分な熱が生じやすくなり、のぼせやほてりなどの症状が出やすくなります。

今の自分のからだの状態をきちんと確認することで、ご自身の体質に合った漢方薬を選択することができます。ご自身の体質や合う漢方薬が分からなくてお困りの場合は、まずはYOJOの無料の体質チェックをご利用ください。

体質チェックをはじめる

また、特にホットフラッシュやほてりの症状に悩まれている方はこちら▼の記事もおすすめです。

ホットフラッシュにおすすめの漢方薬とは?効かない場合の対策も解説

更年期のイライラが気になる方はこちら▼の記事もお読みください。

イライラやストレスにおすすめの漢方薬とは?

更年期障害に使用される漢方薬とは

更年期に使用される漢方生薬の図

では、更年期障害の症状を緩和できる漢方薬には、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは具体的な6種類の漢方薬と、それぞれの特徴・選び方についてお伝えします。

【体力があり、血行不良による肩こりや冷えが気になる人に】桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂枝茯苓丸を服用している女性

桂枝茯苓丸は、血の巡りを整えて全身に栄養を行き渡らせる作用があります。血行不良からくるホルモンバランスの乱れや下半身の冷えなどの不調を改善します。
配合生薬の「桂皮(けいひ)」がからだを温め、さらに「桃仁(とうにん)・牡丹皮(ぼたんぴ)」といった生薬が血の巡りを改善し、更年期症状を緩和してくれます。

服用がおすすめな人
比較的体力があ
る人におすすめの漢方薬です。冷えのぼせ、肩こり、めまいなどの更年期症状に効果的です。

服用に注意が必要な人
虚証タイプの人
胃腸が弱い人、疲れやすい人からだの抵抗力が弱っている人は効果が強くでて合わない場合があります。

服用上の注意
妊娠中の人は服用を避けましょう
「桃仁・牡丹皮」が血行を強く促進するため、妊娠中に服用すると流早産のリスクが高まります。

【体力がなく冷えやめまいが気になる人に】当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

当帰芍薬散を服用している女性

当帰芍薬散には、血の不足を補い、水の巡りを良くすることで全身の代謝を整える作用があります。からだに必要な栄養分を行き渡らせ、全身を温めて冷えを改善ます。
配合生薬である「当帰(とうき)・川芎(せんきゅう)」に血を補って血行を良くする作用があるほか、「芍薬(しゃくやく)」が筋肉のけいれんを和らげ、血管の状態を良くします。さらに「茯苓(ぶくりょう)・白朮(びゃくじゅつ)」など水の代謝を整える生薬も配合されています。

比較的即効性のある漢方薬で2週間程度で効果がみられる場合もあります。[2]

服用がおすすめな人
虚証タイプでむくみや貧血の症状のある人
におすすめの漢方です。腹部の冷え、肩こり、めまいなどの症状に効果的です。

服用に注意が必要な人
胃腸が弱い人:
副作用で食欲不振、吐き気などの消化器症状が起こる場合があります。

【虚弱体質で肌の乾燥が気になる人に】四物湯(しもつとう)

四物湯を服用する女性

四物湯には、血の不足を補いうことで、栄養を全身に行き渡らせ、気になる肌の乾燥や更年期症状を改善してくれる働きがあります。

当帰・芍薬・川芎・地黄の4つの生薬から構成される四物湯は、多くの補血剤の基本骨格となっている漢方薬です。[3]
たとえば、四物湯から補血生薬の「地黄(じおう)」を抜いて水の巡りを促す「沢瀉・茯苓・白朮」を配合した漢方薬が当帰芍薬散です。
その他にも、十全大補湯は四物湯+四君子湯、温清飲は四物湯+黄連解毒湯と、更年期に使用される多くの漢方薬に四物湯は配合されています。

服用がおすすめな人
肌が乾燥し色つやの悪い虚弱体質の人
におすすめの漢方です。

服用に注意が必要な人
胃腸が弱い人:
「地黄・当帰」による副作用で食欲不振、吐き気などの消化器症状が起こる場合があります。胃腸障害がある方は服用を避けます。

【体力がなくイライラなどの精神不調が気になる人に】加味逍遥散(かみしょうようさん)

イライラで加味逍遙散を服用する女性

加味逍遥散は、血の不足を補うことで、滞っていた気の巡りを良くする働きがあります。そのためイライラや不安、不眠といった更年期の神経症状に効果的です。
配合生薬の「柴胡(さいこ)・薄荷(はっか)」には、気を静めてイライラや緊張をほぐす作用があります。「当帰・芍薬・牡丹皮」といった生薬が血行を促進します。

服用がおすすめな人
虚弱体質で体力が中等度以下の人
におすすめの漢方薬です更年期のホットフラッシュや多汗、肩こり、冷え、頭痛などがある場合にも効果が期待できます。

服用上の注意
胃腸が弱い人は注意しましょう
副作用で食欲不振、吐き気などの消化器症状が起こる場合があります。
妊娠中の人は服用を避けましょう
血行を強く促進する作用のある「牡丹皮」は、妊娠中に服用すると流早産のリスクが高まります。
複数の漢方薬を服用する場合は注意ましょう
配合生薬の「甘草」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。
長期服用に注意しましょう
「山梔子」が含まれており、長期服用(多くは5年以上)で大腸粘膜に異常が生じる例が報告されています。

【疲れやすく食欲もない人に】補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

補中益気湯を服用して元気が出た女性

補中益気湯は、気が不足して元気が出ない状態を改善してくれる漢方薬です。胃腸機能を高めることで全身の気力を補います。
配合生薬の「人参(にんじん)・生姜(しょうきょう)」には、からだを温めて代謝を活性化し、胃腸機能の働きを良くします。さらに「柴胡」にはストレスを緩和し自律神経の乱れを整える作用もあります。

効果が出るまで数日~1か月程度と、比較的短い期間で効果を実感しやすい漢方薬です。

服用がおすすめな人
疲れやすさや倦怠感のある虚弱体質の人
に向きます。食欲不振で元気がなく、体力も低下している人におすすめです。

服用上の注意
間質性肺炎の副作用に注意しましょう
発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、服用を中止しすみやかに受診するようにしましょう。

複数の漢方薬を服用する場合は注意ましょう
配合生薬の「甘草」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。

【気持ちの落ち込みやのどの詰まりがある人に】半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

喉のつまりで半夏厚朴湯を服用する女性

半夏厚朴湯には、気の巡りを良くして不安感や落ち込みやすさを改善する作用があります。
気の巡りが滞ると、血や水の巡りにまで影響を与え、からだの機能が低下して疲労感やだるさを感じやすいです。
配合生薬の「半夏(はんげ)・厚朴(こうぼく)」が、からだを温めて緊張を緩和します。さらに「蘇葉(そよう)」にもその香りと共に気を巡らせストレスを発散させる作用があります。

また、ストレスや疲労から自律神経に不調が起こると、のどや食道の筋肉が緊張し、のど詰まりやお腹の張りを感じることがあります。このような症状にも半夏厚朴湯は効果的です。[4]

服用がおすすめな人
体力が中程度の人
に向きます。不安やストレスからくる神経性胃炎にも効果が期待できます。

そのほかにも、更年期に使われる漢方薬には、体質・症状に合わせて温経湯・温清飲・八味地黄丸・ 十全大補湯・女神散・五苓散など、さまざまなものがあります。
ご自身に合った漢方薬の選択が不安な場合は、YOJOで無料相談もできます。

体質チェックをはじめる

更年期障害の症状におすすめの市販で購入できる漢方薬

ドラッグストアで漢方を選ぶ女性

まずは手軽に漢方薬を試してみたいという方向けに、薬局やドラッグストアなどで購入できる商品をご紹介します。

「クラシエ」漢方桂枝茯苓丸料エキス錠

「クラシエ」漢方桂枝茯苓丸料エキス錠 」
引用元:クラシエHP

更年期ののぼせが気になる方に

桂枝茯苓丸エキスを有効成分とした商品です。のぼせや肩こりのある方に適しています。

分類 第2類医薬品
適応する人 比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭痛、めまい、のぼせて足冷えなどの訴えがある人
形状 錠剤
用法・用量 1日3回食前または食間に服用
成人(15歳以上):1回2錠
15歳未満7歳以上:1回1錠
服用対象年齢 7歳以上(7歳未満は服用しないこと)
効能効果 月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症、肩こり、めまい、頭痛、打ち身、しもやけ、しみ、湿疹・皮膚炎、にきび
内容量 48錠/90錠

ルビーナめぐり®

ルビーナめぐり®
引用元:アリナミン製薬株式会社HP

冷えや疲れが気になる人に

当帰芍薬散エキスに、胃腸を元気にしてからだを温める「人参」が配合されている商品です。

分類 第2類医薬品
適応する人 体力虚弱で胃腸が弱く、冷え症で貧血の傾向があり、疲労しやすく、ときに 下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などの訴えがある人
形状 錠剤
用法・用量 1日3回食前または食間に服用
成人(15歳以上):1回3錠
15歳未満7歳以上:1回2錠
服用対象年齢 7歳以上(7歳未満は服用しないこと)
効能効果 むくみ、月経痛、頭重、足腰の冷え症、月経不順、月経異常、産前産後 あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、更年期障害、 めまい・立ちくらみ、肩こり、腰痛、しみ、耳鳴り、しもやけ
内容量 60錠/120錠

ルビーナ®

ルビーナ®
引用元:アリナミン製薬株式会社HP

更年期の貧血・めまいの症状が気になる方に

連珠飲を有効成分とした商品です。血の不足を補う漢方薬「四物湯」と水の巡りを良くする「苓桂朮甘湯」が配合されています。

分類 第2類医薬品
適応する人 体力中等度またはやや虚弱で、ときにのぼせ、ふらつきの訴えがある人
形状 錠剤
用法・用量 1日3回食前または食間に服用
成人(15歳以上):1回3錠
服用対象年齢 15歳以上(15歳未満は服用しないこと)
効能効果 更年期障害、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、貧血
内容量 60錠/180錠

命の母メグリビa

命の母メグリビa
引用元:小林製薬株式会社HP

更年期の肌荒れ・吹き出物やイライラが気になる方に

血の不足を補う漢方薬「四物湯」と気の巡りを良くする「加味逍遙散」が配合されている商品です。

分類 第2類医薬品
適応する人 体力中等度またはやや虚弱で、ときにのぼせ、ふらつきの訴えがある人
形状 錠剤
用法・用量 1日3回食前または食間に服用
成人(15歳以上):1回4錠
服用対象年齢 15歳以上(15歳未満は服用しないこと)
効能効果 湿疹・皮膚炎、しみ、冷え性、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症
内容量 168錠

JPS補中益気湯エキス錠N

JPS補中益気湯
引用元: ジェーピーエス製薬 HP

疲れやすく元気が出ない方に

補中益気湯を有効成分とした商品です。更年期の疲労倦怠感に適しています。

分類 第2類医薬品
適応する人 体力虚弱で、元気がなく、胃腸のはたらきが衰えて、 疲れやすい訴えがある人
形状 錠剤
用法・用量 成人(15歳以上):1回4錠
7歳以上15歳未満:1回3錠
5歳以上7歳未満:1回2錠
服用対象年齢 5歳以上(5歳未満は服用しないこと)
効能効果 虚弱体質、疲労倦怠、病後・術後の衰弱、食欲不振、ねあせ、感冒
内容量 260錠

ツムラ漢方 半夏厚朴湯エキス顆粒

ツムラ漢方 半夏厚朴湯エキス顆粒
引用元:株式会社ツムラHP

更年期で精神不安定になる方に

半夏厚朴湯を有効成分とした商品です。ストレスや疲労からくるのどの違和感にも適しています。

分類 第2類医薬品
適応する人 体力中等度をめやすとして、気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などの訴えがある人
形状 顆粒剤
用法・用量 1日2回食前または食間に服用
成人(15歳以上):1回1包
7歳以上15歳未満:1回2/3包
4歳以上7歳未満 :1回1/2包
2歳以上4歳未満 :1回1/3包
服用対象年齢 2歳以上(2歳未満は服用しないこと)
効能効果 不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、のどのつかえ感
内容量 20包/48包

漢方薬の服用と共に気を付けたい更年期の過ごし方

更年期を元気に過ごす女性

更年期に起こる症状の種類や強さは、もともとの体質だけでなく、生活習慣やストレスによっても大きく影響を受けます。漢方やその他の治療薬に頼りすぎるのではなく、今までの生活習慣も見直してみることが大切です。
最後に、更年期の過ごし方のポイントについてお伝えします。

生活習慣を見直そう

更年期には生活習慣を見直すことが大切

不規則な生活習慣は、自律神経のバランスが乱れて、ホルモンバランスにも影響を与えます。20~30代では問題がなかったとしても、更年期においては大きく体調を崩す原因になることもあります。
食生活を改善する・適度な運動をする習慣をつける・睡眠時間をきちんと確保する・ストレスをためないように適度に気分転換をするなど、ご自身の生活習慣を一度見直してみましょう。

自律神経を整える漢方薬についても知りたい方は、こちら▼の記事も読んでみてくださいね。

自律神経を整える漢方薬とは?体質別の選び方やおすすめケアも解説

更年期に必要な栄養素を積極的に摂取しよう

更年期に必要な栄養素イソフラボン

大豆イソフラボン

大豆イソフラボンはエストロゲンに似た働きをするために積極的に摂取すると良いとされています。豆腐や納豆、豆乳、油揚げなどの大豆製品に多く含まれます。1日50㎎程度の摂取量を目安にし、一度に大量に摂取しても排出されてしまうため毎日適量を取るようにしましょう。

タンパク質

タンパク質は筋肉や骨を作る材料になる栄養素です。更年期になるとエストロゲン量の低下で筋肉量や骨密度が急激に低下するため、積極的に摂取することが大切です。タンパク質は、特に肉や魚、乳製品、大豆製品などに多く含まれます。

カルシウム

カルシウム摂取量が不足すると骨量が低下して骨粗しょう症のリスクが高まります。更年期にはエストロゲンの急激な減少により骨密度が低下しやすいことから、今までよりも積極的に摂取することが大切です。

適度な運動や筋トレをしよう

更年期には適度な運動が大切

女性は閉経によりエストロゲンが減少することで、内蔵脂肪は増えて、逆に筋肉量は減りやすくなります。体重が増えて筋肉量が減ることで、ひざや腰の関節痛につながったり新陳代謝が落ちて体力の低下につながったりします。
そのため、週に2~3回程度は適度な運動やストレッチ、筋トレなどを取り入れるようにしましょう。

更年期障害や漢方薬についてよくある質問

最後に更年期に使用される漢方薬についてよくある質問をまとめました。

漢方薬が更年期症状に効くまでいつまで飲み続けたらいいの?

漢方薬を服用してから効果を実感するまでの期間は、漢方薬の種類や症状の程度、生活習慣などによっても個人差が出てきます。
一般的には、1か月以上の継続が必要とされています。

男性にも更年期はあるの?

男性の場合も30代頃から徐々に男性ホルモン(テストステロン)の分泌が減少し、40歳代後半からイライラや肩こり、睡眠障害などの更年期症状が現れることがあります。ただし、男性の場合は女性よりもホルモン分泌量の変化が穏やかなため、単なる老化現象とみなされ更年期障害と気づかれない場合もあります。

男性更年期に使用できる漢方薬はある?

男性でも更年期症状で漢方薬を服用される方はおられます。
男性の更年期障害でよく使用される漢方薬は、柴胡加竜骨牡蛎湯、補中益気湯、八味地黄丸などです。これらの漢方薬は、医療機関で処方してもらえるほか、市販薬として購入することもできます。

更年期で使用する漢方薬は保険適用になるの?

医療機関で医師から更年期障害の診断を受け、その治療の一つとして漢方薬を服用する場合は、保険適用になります。
生活に支障が出るほど更年期症状が辛い場合は、我慢せずに早めに医療機関を受診するようにしましょう。

処方薬(医療用漢方薬)と市販薬(一般用漢方薬)は何が違うの?

処方薬と市販薬に配合されている漢方生薬の種類は基本的に変わりはないため、期待できる効果は同じです。
ただし、多くの市販薬は、処方薬の50%〜80%ほどの成分量しか含有されていません。理由としては不特定多数の方が飲んでも副作用を起こりにくくするためですが、その分、効果の強さが落ちたり効果発現までに時間がかかったりすることがあります。
漢方薬を初めて服用する場合や、まずは気軽に漢方薬を試してみたい場合は、市販薬を選択するのも良いでしょう。

人生100年時代のちょうど折り返し地点にあたる更年期。
この時期にご自身のからだときちんと向き合うことで、この先の健康的なからだ作りにもつながります。
YOJOでは、漢方薬の相談だけではなく、更年期症状を緩和できるような生活習慣を改善するためのアドバイスも受けられます。ご自身の体調で気になることがある方は、まずはお気軽に体質チェックを始めてみてください。

体質チェックをはじめる

【参考文献】
[1] 小山 嵩夫ら(1992) 更年期婦人における漢方治療 : 簡略化した更年期指数による評価, 産婦人科漢方研究のあゆみ 第9,30-34 ( 厚生労働省の更年期症状・障害に関する意識調査 より引用)
[2]坪田雅仁(2021) ,めまいの漢方診療 総論, Equilibrium Res Vol. 80(4) 292~295
[3]鳥居塚和生ら(2004), 主な漢方方剤とその特徴 ,昭和医学会雑誌第64(1)15-21
[4]及川哲郎ら(2008),半夏厚朴湯の使用目標とその臨床効果との関連について-機能性ディスペプシア患者における検討-, 日本東洋医学雑誌第59(4), 601-607