咳止めや痰に効く漢方とは?麦門冬湯以外の漢方薬や使い分けも解説

咳をする女性

なかなか治らない咳や痰の症状に悩んでいる方はいませんか?
長引く咳には、喘息やアレルギー、肺がんなどの病気が隠れている場合もあるため、早めの検査がおすすめです。

一般に咳や痰の症状には、西洋薬の咳止めや去痰薬が用いられますが、不安感などの精神症状を伴う咳や気管支喘息の治療に漢方薬が治療の選択肢の一つとして使用されることもあります。

この記事では、

・咳や痰が出る原因と漢方の考え方
・咳や痰に効く具体的な漢方薬の紹介
・漢方薬を選ぶポイントや服用の注意点

について薬剤師が解説します。
なかなか改善しない咳にお悩みの方は、YOJOの薬剤師にも相談できます。

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咳止めと漢方の処方とは

喉に手を当てて咳をする女性

咳の治療に適切な漢方薬を選択するには、現在どのような咳が出ているか(急性か慢性か、湿性か乾性かなど)と共に、原因やご自身の体質などについてもきちんと確認することが大切です。
ここでは、まず咳が起こるメカニズムとその原因、咳に対する漢方治療の考え方についてお伝えします。

咳が出るメカニズムとは

咳

咳は、気道にたまった分泌物(痰)や気道内にある異物を排除するために発生する生体の防御機能です。気道の炎症や、粉じんなどの外界からの刺激物質により、気道に分布する咳受容体が活性化されます。その結果、脳の延髄にある咳中枢を刺激して咳が発生するのです。[1]
また、気道は細菌やウイルスへの感染を防ぐために、分泌液で潤った状態になっています。そして気道に細菌・ウイルスなどの異物が侵入すると、この分泌液が絡め取って痰として体外へと排出してくれるのです。さらに、痰の量が多い場合には咳受容体が刺激され、咳が発生します。

咳の分類と原因

咳をする人

咳は 症状の発現経過や痰の有無によって、以下のように分類されます。

急性と慢性

咳は、医学用語で咳嗽(がいそう)とも呼びます。
咳は症状の発現から、3週間以内の「急性咳嗽」と3~8週間の「遷延性咳嗽」、8週間以上持続する「慢性咳嗽」に分けられます。

急性の多くはいわゆる“かぜ症候群”で、通常は対症療法で1週間以内に症状が改善します。頻度の高い急性咳嗽にはたとえば、感冒(かぜ)、インフルエンザ、急性気管支炎、副鼻腔炎といった病気があります。(表1)[1]

表1.頻度の高い急性咳嗽の疾患例

感冒(かぜ) インフルエンザ 急性気管支炎 急性鼻副鼻腔疾患
原因 多くがウイルス インフルエン ザウイルス ウイルス、細菌、マイコプラズマ、クラミジアなど ウイルス、細菌、アレルギー
痰の有無 ±~+ +~++ ±~+
治療法 対症療法 抗インフルエ ンザ薬 対症療法、抗生物質 抗生物質、抗アレルギー薬、ステロイド点鼻薬
予後 自然軽快し良好 通常は良好だが高齢者等で時に不良 良好だが時に慢性咳嗽へ移行 良好だが時に慢性咳嗽へ移行

咳でとくに注意しなければならないのは、慢性の咳です。
咳が3週間以上続く場合は、喘息やアレルギー、結核や感染症(マイコプラズマ・肺炎クラミジア・百日咳など)、肺がんなどの病気が隠れている可能性があるため、病院を早めに受診して検査するようにしましょう。

遷延性・慢性咳嗽で頻度の多い疾患として、咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019では以下のようなものがあげられています。[2]

・咳喘息/喘息:36~71%
・アトピー咳嗽:5~29%
・副鼻腔気管支症候群:1~17%
・感染後咳嗽:2~14%
・GERD(胃食道逆流症):2~8%

GERD(胃食道逆流症)の一つである逆流性食道炎の症状や効果の期待できる漢方薬については、こちら▼の記事で詳しく解説しています。

逆流性食道炎に用いられる漢方薬とは?生活習慣で見直したい5つのポイントも解説

乾性と湿性

咳は痰の有無によって、痰を伴わない「乾性咳(いわゆる空咳)」と、痰を伴う「湿性咳」に分けることもできます。
たとえば代表的な疾患をあげると、以下の表のように分類されます。(表2)[1]

表2.乾性咳と湿性咳の代表疾患

咳の種類 原因疾患の例
乾性咳
(痰を伴わない咳)
かぜ症候群の初期、咳喘息、心因性咳、間質性肺炎、肺結核の初期、肺がん、胸膜炎、自然気胸
湿性咳
(痰を伴う咳)
かぜ症候群、気管支喘息、気管支炎(急性・慢性)、気管支拡張症(肺炎)、肺結核、肺がん(腺がん)

咳に対する漢方治療の考え方

漢方生薬と薬剤師

咳の治療において、西洋薬は鎮咳または去痰に作用点が集中しているのに対して、漢方薬は心身の健康を導くことで咳症状の改善を目指します。また、喉や気道の湿潤あるいは乾燥状態を見極めることも漢方では重要です。

具体的には、痰の有無や濃さ・色などの状態不安や抑うつなどの精神的な状態について確認します。
たとえば痰の有無による乾性咳か湿性咳かの分類で選択される漢方薬には以下のようなものがあります。

咳の種類 具体的な漢方薬の例
乾性咳 麦門冬湯、柴朴湯、神秘湯、滋陰降火湯など
湿性咳 麻杏甘石湯、小青竜湯、竹筎温胆湯、参蘇飲、清肺湯、柴陥湯など

漢方医学の考え方で咳を起こす原因は大きく2種類あります。

①外邪が肺に侵入して起こる咳

六邪(風邪・寒邪・燥邪・湿邪・火邪・暑邪)

漢方医学では自然界に存在する、私たちの心身に悪影響を及ぼすものを「邪気」としてとらえます。外部から侵入する邪気を「外邪」とし、風邪、寒邪、燥邪、湿邪、火邪、暑邪の6つがあります。
たとえば、風寒邪が肺を侵すと咳にくわえて白色の痰、水様の鼻水などが現れやすくなります。一方で、火邪が肺に侵入すると粘りの強い黄色の痰が咳とともに出やすくなり、喉の乾燥や痛みを伴うこともあります。

②気や津液(水)の不足・津液(水)の滞りで起こる咳

気血水

漢方医学では、健康を維持するためには、気血水の三要素が重要であると考えます。「気」は精神やからだの臓器を健康に働かせるエネルギー、「血」は血液・リンパ液などの全身を循環・栄養する物質、「津液(水)」は生体内の水分バランスをさします。

気が不足した状態では、肺の機能が低下して疲労感や息切れとともに咳が出やすくなります。気は外邪から心身を守る働きもあるために、不足すると外邪が肺へと侵入しやすくなります。

さらには、肺だけではなく脾胃の消化機能も低下し、津液(水)が滞って痰飲がたまりやすくなります。また潤いを与える津液(水)が不足すると、喉の乾燥やほてり、異物感なども現れるようになります。

ご自身の体質や症状に合った漢方薬について悩まれている方は、YOJOの薬剤師にも相談することができます。

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咳や痰に効く漢方薬と使い分け

漢方生薬

ここでは、咳や痰の症状に使用される漢方について、6種類の具体的な漢方薬とその使い分けや注意点をご紹介します。

【痰が少ないまたは切れにくくて乾いた咳が出る方に】麦門冬湯(ばくもんどうとう)

漢方では脾胃が弱って肺の津液(水)が不足すると気道に潤いがなくなり、鼻や喉が乾燥して乾いた咳が出たり粘っこい痰が出たりするとされます。
麦門冬湯は、喉を潤して咳を鎮める作用があります。また痰の少ない咳や切れにくい粘稠な痰を伴う咳、口腔乾燥(ドライマウス)にも効果的です。

配合生薬の「麦門冬(ばくもんどう)」は、代表的な潤性薬の一つで、胃と肺の気を補うと共に津液(水)を生じさせる作用があります。「半夏(はんげ)」は胃気を開通し、こみ上げる咳や吐き気を鎮めます。

麦門冬湯は、風邪の咳によく使用されます。痰が切れにくく赤い顔をして咳込んだり、咳の後に嘔吐したり、風邪の後に咳が長く残ったりする場合によく効きます。また気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの治療薬の一つとしても取り入れられています。[3]

配合生薬
麦門冬、半夏、粳米、大棗、人参、甘草

服用がおすすめの人
体力中等度以下で、痰が切れにくく咳込んでしまう人
喉の乾燥感がある人におすすめの漢方薬です。気管支炎や気管支喘息、咽頭炎、しわがれ声、空咳の治療にも用いられます。

服用上の注意
複数の漢方薬を服用する場合は注意ましょう
配合生薬の「甘草」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。
重大な副作用として、間質性肺炎や肝機能障害に注意しましょう
間質性肺炎の症状(たとえば発熱、咳、呼吸困難など)や、肝機能障害の症状(たとえば発熱、全身倦怠感、嘔気嘔吐、黄疸など)があらわれた場合は、服用を中止しすみやかに受診するようにしましょう。

麦門冬湯の他の薬との飲み合わせについても知りたい方はこちら▼の記事もお読みください。

麦門冬湯の飲み合わせで禁忌のものは?ロキソニン・ムコダインとの併用も解説

【うすい水様の痰をともなう咳や鼻水が出る方に】小青竜湯(しょうせりゅうとう)

漢方では、津液(水)の巡りが滞ることで余分な津液(水)が気道にたまり、寒気にさらされて鼻からあふれ出たものが鼻水とされます。
小青竜湯は、からだを温めながら津液(水)のバランスを整えて症状を鎮める作用があります。

配合生薬の「麻黄(まおう)」には交感神経刺激薬のエフェドリンが含まれており、気管支を拡張させて咳を抑える作用があります。また、「麻黄・桂皮(けいひ)」には共に発汗作用で津液(水)を発散させる働きや肺の機能を高めて呼吸器機能を改善する働き(宣肺平喘)があります。[4]

配合生薬
麻黄、桂枝、細辛、半夏、五味子、芍薬 、乾姜、甘草 

服用がおすすめの人
体力は中等度で、水様の痰を伴う咳や鼻水の症状がある人
におすすめの漢方薬です。気管支炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、むくみ、感冒、花粉症の治療にも用いられます。

服用上の注意
複数の漢方薬を服用する場合は注意ましょう
配合生薬の「甘草」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。
心臓や血管系に病気や既往歴のある方は注意しましょう
「麻黄」の交感神経刺激作用で、副作用として不眠発汗過多、全身脱力感、動機・頻脈、精神興奮などを引き起こす可能性があります。とくに麻黄含有製剤を複数服用する場合は注意しましょう。また、一部の咳止めや甲状腺の機能を補う薬などには麻黄と似た作用をもつお薬があるため、併用する場合には注意しましょう。
重大な副作用として、間質性肺炎や肝機能障害に注意しましょう
間質性肺炎の症状(たとえば発熱、咳、呼吸困難など)や、肝機能障害の症状(たとえば発熱、全身倦怠感、嘔気嘔吐、黄疸など)があらわれた場合は、服用を中止しすみやかに受診するようにしましょう。

小青竜湯の他の薬との飲み合わせについても知りたい方はこちら▼の記事もお読みください。

小青竜湯の飲み合わせで禁忌のものは?他の漢方薬や風邪薬との併用も解説

【喘鳴や呼吸困難を伴う咳が出る方に】麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)

麻杏甘石湯は、気管支を広げて呼吸をラクにしたり、痰を出しやすくする作用があります。肺熱の咳や呼吸困難を改善する代表的な漢方薬です。
配合生薬の「麻黄(まおう)」に咳や喘鳴を鎮める作用があるほか、熱を下げて津液(水)を生ずる「石膏(せっこう)」、乾燥を潤し去痰作用のある「杏仁(きょうにん)」、抗炎症・鎮咳・去痰作用をもつ「甘草(かんぞう)」から構成されています。

配合生薬
麻黄、杏仁、甘草、石膏

服用がおすすめの人
体力中等度以上で、ゼロゼロした咳が出る人
におすすめの漢方薬です。発汗傾向で口渇のある人にも向きます。
気管支喘息や気管支炎、小児喘息、感冒、痔の痛みにも使用されます。

服用上の注意
心臓や血管系に病気や既往歴のある方は注意しましょう
「麻黄」の交感神経刺激作用で、副作用として不眠発汗過多、全身脱力感、動機・頻脈、精神興奮などを引き起こす可能性があります。とくに麻黄含有製剤を複数服用する場合は注意しましょう。また、一部の咳止めや甲状腺の機能を補う薬などには麻黄と似た作用をもつお薬があるため、併用する場合には注意しましょう。
複数の漢方を長期で服用する場合は注意しましょう
配合生薬の「甘草」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。

【黄色い痰が絡んで激しい咳が出る方に】五虎湯(ごことう)

五虎湯は、気管支を広げて、痰を出しやすくすることで呼吸をラクにする作用があります。そのため、激しい咳症状や気管支喘息に使用されます。

五虎湯は「麻杏甘石湯」に「桑白皮(そうはくひ)」を加えた処方です。「桑白皮」は肺が熱をもった状態を改善し、痰を出しやすくして咳を改善する働きがあります。

配合生薬
麻黄、杏仁、甘草、石膏、桑白皮

服用がおすすめの人
体力中等度以上で、激しい咳が出る人や黄色い痰が絡んでいる人
におすすめの漢方薬です。
気管支喘息や気管支炎、小児喘息、感冒、痔の痛みにも使用されます。

服用上の注意
心臓や血管系の病気・既往歴のある方は注意しましょう
「麻黄」の交感神経刺激作用で、副作用として不眠発汗過多、全身脱力感、動機・頻脈、精神興奮などを引き起こす可能性があります。とくに麻黄含有製剤を複数服用する場合は注意しましょう。また、一部の咳止めや甲状腺の機能を補う薬などには麻黄と似た作用をもつお薬があるため、併用する場合には注意しましょう。
複数の漢方を長期で服用する場合は注意しましょう
配合生薬の「甘草」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。

【炎症があり不安感など精神症状を伴う咳に】柴朴湯(さいぼくとう)

柴朴湯はからだの免疫反応を調整して炎症を抑える働きがあり、咳を鎮めたり、精神を安定させて喉の詰まりや胸苦しさを改善する作用もあります。とくに気管支喘息に用いられる漢方薬として有名です。[5][6]

柴朴湯は「小柴胡湯」「半夏厚朴湯」を合わせた処方です。これらはどちらも気道を乾燥させる作用が強いため、乾咳ではなく湿痰を伴う咳に用いられます。

「梅核気(ばいかくき)」と呼ばれる、喉に何かくっついているかのような異物感を感じ、落ち着かない不安感や焦りに悩まされるときに半夏厚朴湯は有効です。そのため小柴胡湯と合わさることで、気管支喘息や気管支炎に適応となるほか、不安神経症などにも用いられます。

小柴胡湯を用いる場合の目安となる「胸脇苦満(きょうきょうくまん)」があり、切れにくい痰が喉につかえて息苦しいとような場合に使用され、小児から成人の喘息にも応用されています。

配合生薬
柴胡、黄芩、半夏、厚朴、茯苓、蘇葉、人参、大棗、生姜、甘草

服用がおすすめの人
気分がふさいで、喉や食道に閉塞感がある人の咳、嘔気、神経症状におすすめの漢方薬です。軽度の胸脇苦満や心窩部の膨満感がある場合の咳のほか、小児喘息、気管支喘息、気管支炎、不安神経症の治療にも用いられます。

服用上の注意
複数の漢方薬を服用する場合は注意ましょう
配合生薬の「甘草」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。
重大な副作用として、間質性肺炎や肝機能障害に注意しましょう
間質性肺炎の症状(たとえば発熱、咳、呼吸困難など)や、肝機能障害の症状(たとえば発熱、全身倦怠感、嘔気嘔吐、黄疸など)があらわれた場合は、服用を中止しすみやかに受診するようにしましょう。

【喉が痛みときに咳が出る方に】桔梗湯(ききょうとう)

桔梗湯は、喉の炎症を抑えて痛みを緩和する働きがあります。
「桔梗(ききょう)・甘草(かんぞう)」の2種類の生薬から構成され、ともにサポニンを多く含み、抗炎症や去痰作用を示します。「桔梗」は肺に入って熱を冷まし、「甘草(かんぞう)」は脾胃の不足を補い消炎・解毒作用を示します。

桔梗湯はとくに風邪のひき始めに服用するのが良いです。喉へ直接作用するため、エキス製剤は白湯に溶いてから少し冷まし、うがいをしながら服用するとより効果的です。[7]

配合生薬
桔梗、甘草

服用がおすすめの人
体力に関わらず使用できます。喉が腫れて痛んだり咳が出たりする人
におすすめの漢方薬です。扁桃炎や扁桃周囲炎の治療にも用いられます。

服用上の注意
複数の漢方薬を服用する場合は注意ましょう
配合生薬の「甘草」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。

咳・痰の漢方薬の服用でよくある質問

女性と?

ここでは、咳や痰の漢方薬についてよくある質問をまとめました。

市販の漢方薬と病院で処方される漢方薬の違いは?

漢方薬に含まれる生薬成分については、「市販薬(一般用漢方製剤)」と「処方薬(医療用漢方製剤)」とで変わりはなく、期待できる効能効果は同じです。処方薬が医師の診断に基づいて選択されるのに対して、ドラッグストアなどで購入できる市販薬は、服用者自身が選択し購入することができます。なお、市販薬は不特定多数の方が購入するため、安全性を考慮して、1日の服用量中の成分配合量が少ない場合もあります。

子供の咳に使用できる漢方薬はある?

子供の咳症状に使用できる漢方薬もあります。
たとえば、柴朴湯五虎湯、麻杏甘石湯は小児喘息に適応があり、麦門冬湯小青竜湯、桔梗湯についても小児科で処方される漢方薬です。
ただし、子供の場合は、漢方薬の味によって飲めない可能性があります。服薬ゼリーやオブラートを利用するほか、ヨーグルトやココアなど子供におすすめの飲み方も紹介しているので、気になる方はこちら▼の記事もお読みください。

漢方薬の正しい飲み方は?上手に飲むコツや飲むときの注意点も解説

麦門冬湯と五虎湯はどっちが咳に効くの?

麦門冬湯と五虎湯は、咳や痰の症状によって使い分ける必要があります。体力の落ちた方でのどが乾燥する・空咳や痰の切れにくい咳が出る場合は「麦門冬湯」、体力のある方で激しい咳が出る・黄色い粘い痰を伴う咳が出る場合は「五虎湯」を用います。

葛根湯は咳に効くの?

葛根湯はからだを温めて発汗を促し、かぜの諸症状(のどの痛み、咳、頭痛、悪寒など)を治す薬です。風邪のひきはじめの咳には効果が期待できますが、黄色い痰がらみの咳や病気の後に長引く咳にはあまり効果が期待できないでしょう。

風邪に効く漢方薬の選び方とは?咳のど鼻の症状に合わせた使い分けも解説

漢方薬が効かない場合はどうすればいい?

漢方薬を一定期間 継続して服用しても効かない場合は、症状や体質に合っていない可能性があります。漫然と使用すると、効果が出ないだけでなく副作用などを引き起こす場合もあるため注意しましょう。
また冒頭でも述べたように、3週間以上咳が継続している場合は、重大な病気が隠れている可能性もあるため、早めに医療機関を受診して検査するようにしましょう。

YOJOでは咳や痰の症状に効果的な漢方薬の相談だけでなく、生活習慣上のアドバイスも受けることができます。なかなか改善しない症状に悩まれている方は、一度YOJOの薬剤師に相談してみるのもよいでしょう。

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【参考文献】
[1]東北大学保健管理センター 気になる咳・気にする咳
[2]東京慈恵会医科大学付属病院 アレルギー疾患における咳嗽・喀痰(成人)
[3]室賀一宏ら,麦門冬湯 ( 金匱要略 ) ,Phil漢方20-04
[4]高山宏世(2022)『 腹証図解 漢方常用処方解説』東洋学術出版社
[5]相良博典ら(2011)遷延性咳嗽の治療 ,Phil漢方No.36
[6]沖本二郎ら(2019) 柴朴湯が著効を示した呼吸困難の1例,川崎医学会誌 45:69-73
[7]公益社団法人 福岡県薬剤師会