アトピー性皮膚炎は近年、増加傾向にあるアレルギー疾患の一つです。
厚生労働省が発表した令和2年患者調査によると、平成2年では23.5万人であったアトピー性皮膚炎の総患者数は、令和2年では125万人にものぼると推定されています。[1]
この記事では、
・アトピー性皮膚炎の症状や原因
・アトピー性皮膚炎の治療法
・アトピー性皮膚炎の方のスキンケアのポイント
について解説します。
アトピー性皮膚炎の症状やスキンケアについて悩まれている方は、YOJO薬剤師にも相談することができます。まずは問診と体質チェックから始めてみましょう。
アトピー性皮膚炎とは
アトピー性皮膚炎とは、悪くなったり良くなったりを繰り返す、かゆみのある湿疹をいいます。[2]
冒頭でも述べたように、アトピー性皮膚炎は非常に高い頻度で起こる皮膚の病気です。2000年に入ってから行われた厚生労働省の全国調査では、4か月児:12.8%、3歳児:13.2%、小学1年生:11.8%、大学1年生:8.2%でアトピー性皮膚炎の発症がみられたことが報告されています。[3]
アトピー性皮膚炎を起こしやすい体質
アトピー性皮膚炎の患者さんの多くは、以下の2つにあげられるような、「アトピー素因」をもつことが知られています。
①本人もしくは家族がアレルギー性疾患(※)をもつ
※アレルギー疾患:気管支喘息・アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎・アトピー性皮膚炎のうちいずれかあるいは複数
②アレルギーの発症に深く関与する「IgE」という免疫抗体を作りやすい体質をもつ
つまり、アトピー性皮膚炎の患者さんは、もともとアレルギーを起こしやすい体質である傾向にあるということが言えます。
アトピー性皮膚炎を発症する年齢と症状の違い
アトピー性皮膚炎を発症する患者さんのおよそ80%は5歳までに発症し、特に乳児期の発症が多いとされています。発疹は左右対称にでき、発症の年齢によって好発部位が異なります。[2][3]
~発症の年齢と好発部位~
①乳児期
口の周りや頬のただれ、首や手足のしわの部分の赤みやかゆみが目立ちます。
②幼児・小児期
肌の乾燥が強くなり、ひじやひざのくぼみに湿疹がよくみられます。耳の付け根のくぼみにもみられ、これはしばしば「耳切れ」と呼ばれるあかぎれのような状態になることもあります。
③思春期・成人期
下半身よりも上半身で湿疹がよくみられ、特に顔や首、前胸部、上背部に強く出る傾向があります。
また、厚生労働省の報告によると、アトピー性皮膚炎患者の年齢別の構成割合は、0~19歳で36%、20歳~44歳で44%と、若年層に多いことが分かります。 [4]
アトピー性皮膚炎は、一般に年齢をかさねて成長するとともに症状が改善していくことが多いですが、なかには成人になるまで続いたり、成人になってから症状が再発・悪化したりすることもあります。
アトピー性皮膚炎の原因とは
では、アトピー性皮膚炎を引き起こしたり悪化させたりする原因は何なのでしょうか。実は原因は一つではなく、複数の要因が重なり合って起こるケースが多いとされています。
体質に関する原因
・アトピー素因
アレルギー疾患の既往歴や家族歴がある、またはIgE抗体を作りやすい体質であることをいいます。
・皮膚バリア機能の低下
皮膚のバリア機能に関与する細胞間脂質のセラミドの減少や、表皮細胞のすき間を埋めるタンパク質の機能が低下していることが原因とされています。
・遺伝
近年では、アトピー性皮膚炎に関連した候補遺伝子として、皮膚のバリア機能に関連する遺伝子や免疫に関わる遺伝子(CTLA4、IL-18、IL-4など)が報告されています。
環境に関する原因
・アレルゲン
アレルギー症状の原因となる物質のことで、食べ物、ハウスダスト・ダニ、ホコリ、細菌・カビ、花粉、ペットの毛・フケなどがあげられます。
・皮膚への刺激
汗や衣類による皮膚の摩擦、肌の乾燥、かき傷、化粧品や洗浄剤、紫外線などによる刺激があげられます。
・その他
過度のストレスや過労、寝不足、食生活の偏りなどがあげられます。
アトピー性皮膚炎の肌の特徴とは
では、アトピー性皮膚炎の方の肌は、健康な方の肌と比べてどのような特徴があるのでしょうか。
通常、健康な皮膚は、外部の刺激やアレルゲンから肌を守り、肌内部からの水分の蒸発も防ぐ“バリア機能”の役割を果たします。
皮膚の構造は表面から見たときに上から表皮、真皮…と分けることができますが、そのうち表皮の一番最上層である「角質層」は、肌のバリア機能に特に大きく関与するとされています。
角質層には、角質細胞とその間を満たす細胞間脂質(セラミドなど)があります。セラミドは角質細胞間をセメントのようにすき間なく埋めることで、アレルゲンや刺激物質が外部から侵入するのを防ぎます。
また、セラミドは脂質でありながらも、水となじみやすい親水基という部分を持つため、肌の内部の水分を油と水でサンドイッチするような形ではさみ込み、蒸発を防ぎます。
セラミドなどの細胞間脂質は、皮脂膜、天然保湿因子(NMF)とともに、肌のうるおいやバリア機能を維持するために欠かせない重要な3大因子とされています。
一方で、アトピー性皮膚炎の方の肌は、健康な肌の方と比較してセラミドの含有量が非常に少ないことが分かっています。[2]
また、アトピー性皮膚炎の20~30%の方でフィラグリン遺伝子の異常が認められ、ほぼすべての方でフィラグリン量の低下が見られることが報告されています。[5] フィラグリンとは表皮で生成されたのちに分解されて天然保湿因子(NMF)となるタンパク質のことです。
そのため、アトピー性皮膚炎の方は、肌のバリア機能が健康な人よりも非常に弱く、アレルゲンや細菌、外界からの刺激などの影響を受けやすくなっています。さらに、肌のうるおいを保持する力も弱く、乾燥しやすい状態です。
皮膚表面から侵入した異物は、角質層よりもさらに奥の顆粒層にある「タイトジャンクション」と呼ばれる場所まで到達します。するとからだの免疫細胞がサイトカインや化学伝達物質(ヒスタミンなど)を放出して炎症やかゆみを引き起こすのです。
近年では、アトピー性皮膚炎の方の肌では、遺伝的にタイトジャンクションの形成に異常があることも報告されています。[2]
アトピー性皮膚炎の治療の3本柱とは
では、アトピー性皮膚炎の治療法にはどのようなものがあるのでしょうか。
主に 「薬による治療」「スキンケア」「悪化因子への対策」の3つがポイントになります。
皮膚科での薬物治療
アトピー性皮膚炎の治療では大きく分けて、ステロイド、免疫抑制剤、保湿剤、抗ヒスタミン薬といった薬剤が使用されます。
ステロイド
ステロイド外用薬は、アトピー性皮膚炎の治療の基本となる薬剤です。
ステロイドは以下のように5段階の強さにランク分けされています。[2]
ステロイドの強さ | 製品の例 |
---|---|
ストロンゲスト(I 群) | デルモベート®、ダイアコート® |
ベリーストロング(II 群) | アンテベート®、トプシム®、マイザー®、テクスメテン®、ネリゾナ® |
ストロング(Ⅲ 群) | メサデルム®、ボアラ®、リンデロンV® |
ミディアム(IV 群) | リドメックス®、アルメタ®、キンダベート®、ロコイド®、グリメサゾン® |
ウィーク(V 群) | プレドニゾロン® |
ステロイドのランクは、症状の強さだけでなく、塗布する部位や期間、患者の年齢に応じて選択されます。
たとえば、ステロイドの吸収率は塗布部位ごとに大きく異なり、前腕を1とした場合に頬は 13.0、頭皮は 3.5,首は 6.0、陰囊は42となります。[2]
ステロイドの塗り方のポイント
〇適切な量をきちんと塗る
ステロイドの効果をきちんと発揮させるには、適切な量をきちんと塗ることが大切です。つい少な目に塗ってしまいがちですが、目安としては、大人の手のひら2枚分の面積に対し、軟膏・クリームタイプでは大人の人差し指の先から第一関節まで薬をのせた量、ローションタイプでは1円玉大を基準にすると良いでしょう。
〇自己判断で途中で塗るのを止めずに、医師の指示通りに塗り続ける
ステロイドを塗り始めると3~4日程度で赤みが引き、見た目では皮膚の炎症が治まったかのように見えますが、実際は症状が完治したわけではありません。自己判断で途中で塗るのを止めてしまうと再び炎症が起きて、結果的にステロイドを塗る期間・量が増えてしまいます。医師の指示通りに塗り続けることが大切です。
ステロイドの副作用
ステロイド外用剤を長い間使用した場合や、吸収率の高い部位に強いステロイドを塗り続けることで、塗った部分に局所性の副作用が出ることがあります。
代表的なものとしては以下のような副作用が報告されています。
・ニキビ(ステロイドざ瘡)
・酒さ様皮膚炎
・皮膚萎縮
・多毛
・毛細血管の拡張により起こる皮膚の潮紅
・カンジダやヘルペスなどによる皮膚感染症
・アレルギー性接触皮膚炎
しかし、ステロイド外用剤を正しく使用すれば、これらの局所性副作用があらわれることはほとんどありません。さらに、ほとんどの副作用はステロイド外用薬の中止または適切な処置により回復します。
ニキビの治療やスキンケアに関してさらに詳しく知りたい方はこちら▼の記事もお読みください。
その他の抗炎症薬
ステロイド以外の抗炎症外用剤は、以下の3つです。
免疫抑制剤のプロトピック®軟膏(タクロリムス)やJAK阻害薬のコレクチム®軟膏(デルゴシチニブ)、また2021年には新薬のモイゼルト®軟膏(ジファミラスト)が発売されています。
まずはステロイドで速やかに炎症を抑えたのちに、副作用防止の観点から他の抗炎症薬に移行していくことが多いです。
保湿剤
保湿剤には、軟膏や乳液、ローションなどのタイプがあり、症状の程度や塗布部分の面積に応じて選択されます。
たとえば、軟膏はのびは悪いですが、保湿力が高く刺激も弱いため、乾燥や炎症のひどい方が使用するのに適しています。一方でローションは伸びが良く背中などの広い面積や頭皮などに塗りやすいですが、アルコールや界面活性剤が含まれているため肌に刺激を感じやすく、炎症の強い方には不適です。
また、アトピー性皮膚炎の治療によく使用される保湿剤の成分には以下のようなものがあります。
・主に皮表を「保湿」する効果のある成分
ヘパリン類似物質 含有製剤
尿素製剤
・主に皮表を「保護」する効果のある成分
白色ワセリン
亜鉛華軟膏
アズノール軟膏
たとえば、白色ワセリンなどの油脂は、ベタつきはあるものの刺激はほぼなく、皮表に油膜張って皮膚からの水分の蒸発を防ぎます。尿素製剤は炎症がある部分には刺激を感じますが、ベタつきは少ないです。ヘパリン類似物質はわずかに特徴的なにおいがありますが、ベタつかず塗りやすいという特徴があります。
抗ヒスタミン薬
アトピー性皮膚炎は不快なかゆみを引き起こす病気です。そのツライかゆみを抑えるために、ステロイドや免疫抑制剤と併用して抗ヒスタミン内服薬を使用することがあります。また、かゆみを抑えることで、皮膚を掻き壊して状態を悪化させることを防ぐ効果もあります。
アトピー性皮膚炎の治療薬についてさらに詳しく知りたい方は、こちら▼の記事もお読みください。
アトピー性皮膚炎の治療薬について、疑問や不安な点がある方はYOJO薬剤師にも相談することができます。まずは問診(体質チェック)から始めてみましょう。
スキンケア
アトピー性皮膚炎の方の肌は、バリア機能が低下していて乾燥しやすい状態です。炎症が治まっている時でも、毎日のスキンケアをきちんと行い、再発や悪化を予防することが大切です。
スキンケアの基本は、「洗浄」と「保湿」になります。
洗浄
汗や汚れが皮膚に付いたままの状態が続くと、その刺激で炎症やかゆみがひどくなったり、皮膚に付着した雑菌で感染症を起こしやすくなったりします。
毎日きちんと入浴し、肌を清潔な状態に保つことが大切です。
洗浄のポイント
・しっかりとした泡をたてる
皮膚を洗うときには、石鹸をよく泡立てます。「泡立てネット」や「ポンプ式」洗浄剤を利用すると便利です。
泡には皮膚の汚れを包み込んで取り除く作用や、クッションとなって洗浄時の摩擦による皮膚への刺激を少なくする作用があります。
目安としては、逆さまにしても落ちないくらいの、きめの細かいしっかりとした泡を作りましょう。
・湯船やシャワーの温度は38~40℃にする
入浴やシャワーの湯の温度は、皮膚バリア機能に影響を与えない「38~40℃」にすることを、ガイドラインでも推奨しています。[2]
42℃以上の高温では皮脂や天然保湿因子がお湯に溶けだして乾燥しやすくなること、熱刺激によって皮膚のかゆみが誘発されてしまうことから、アトピー性皮膚炎の方は避けた方が良いでしょう。
・洗い忘れ、すすぎ残しに注意する
特に首や関節、足の付け根の部分は、しっかりと洗ったつもりでも、洗い忘れやすすぎ残しが起こりやすい部分です。すすぎ残しがあると、肌に残った洗浄剤成分が刺激となり、かゆみや炎症を引き起こしてしまいます。
洗浄時にはしわをしっかりと伸ばして洗うようにしましょう。
また、洗う時にゴシゴシと擦り過ぎて肌を刺激しないようにすることも大切です。
・洗う時や入浴後にからだを拭く時には肌を擦らないようにする
ナイロン製のタオルやスポンジは、洗浄時に肌への刺激になるため避けた方が良いでしょう。洗う時は素手や刺激のない柔らかい素材のものを使ってやさしく洗います。
また、入浴後も吸湿性の良いタオルを使用し、からだをゴシゴシと擦らないようにしましょう。
保湿
アトピー性皮膚炎の方は肌のバリア機能が低下して乾燥しやすい状態であるため、保湿剤を1日数回は塗って、肌に水分を補給することが大切です。
特に入浴後は乾燥しやすい状態のため、からだを拭いた後はできるだけ早めに保湿剤を塗るようにしましょう。
保湿のポイント
・塗り忘れのないように全身に塗る
目の周りやまぶたは皮膚が薄く、荒れやすい部分であるため、擦らずにやさしく塗布しましょう。
また、つい顔や上半身だけを塗って終わりにしてしまいがちですが、腰や太もも、すねの部分は他の部位に比べて、汗腺や皮脂腺が少ないため乾燥しやすい場所です。衣類との摩擦も多く、かゆみが起こりやすい部位でもあるため、しっかりと保湿剤を塗るようにしましょう。
・肌に刺激の少ない商品を選ぶ
保湿剤は、配合成分がシンプルで肌への刺激が少ないものを選びましょう。添加物の香料や色素、防腐剤などで肌に刺激を感じることがあります。
肌が少しテカっとするくらいに、たっぷりの量を塗布することも大切です。化粧水や乳液は手のひらで温めて塗ることで肌への浸透も良くなります。
悪化因子への対策
アレルギー症状を起こす原因(アレルゲン)となる物質は、 ハウスダストやダニ、ホコリ、細菌・カビ、花粉、ペットの毛・フケ 、食物など数多くあり、人によってさまざまです。
血液検査をして原因が分かっている場合には、できるだけ除去する工夫をするようにしましょう。
アレルゲンを除去するポイント
・こまめに掃除をする
皮膚を掻いたあとのフケやホコリがたまるとダニが繁殖しやすくなるため、できれば1日1回、こまめに掃除機をかけるようにしましょう。
エアコンのフィルターにホコリやカビが付着したままにしておくと、送風した際にアレルゲンが部屋中に広がってしまうため、注意が必要です。
布団は天日干しまたは布団乾燥機でよく乾燥させた後に、掃除機でダニの死骸を除去するようにします。シーツや枕カバー、子どものぬいぐるみなどもこまめに洗濯するようにしましょう。
・部屋の換気をする
部屋の換気をこまめに行うことで、空気中のアレルゲンを除去することができます。できれば1日数回、きれいな空気が入ってくる窓を10分以上開けるようにしましょう。
また、部屋の湿度や温度も重要です。
湿度40%以下では皮膚が乾燥することでかゆみが出たり、アトピー性皮膚炎の症状が悪化したりします。一方で70%以上ではダニやカビが繁殖します。そのため湿度は50~60%にすることが望ましいとされています。また、室温が高いと汗をかいてかゆみが悪化するため、低めの温度設定が良いでしょう。夏期の冷房時では23~26℃、冬の暖房時では20~24℃が目安です。[6]
ただし、日常生活のなかで、ダニやホコリなどのアレルゲンを完全に排除することは不可能です。神経質になると逆にストレスを抱えて症状が悪化してしまうため、「より清潔な環境を心がけるようにしよう」という意識が大切です。
アトピー性皮膚炎でよくある質問
ステロイドを塗ると肌が黒くなるって本当?
ステロイド外用薬の使用すると皮膚に色素沈着が起こるのではないかと心配される方は多いです。しかし、皮膚が黒ずんだような色素沈着は、ステロイドの副作用ではなく皮膚の炎症が長く続いたことによるものです。治療が進めば改善しますし、さらに炎症の初期に早めにステロイドを開始することで色素沈着を防ぐこともできます。
市販薬の非ステロイド性抗炎症薬をアトピーに使用してもよい?
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の外用薬がありますが、抗炎症効果がきわめて弱いうえ、接触皮膚炎を生じることがあるため、アトピー性皮膚炎にはあまり推奨されません。 皮膚科を受診し、医師の指示のもとで適切な治療を受けるようにしましょう。
炎症が治まったのに薬を塗り続けないといけないの?
アトピー性皮膚炎は、症状が悪くなったり良くなったりを繰り返すことが特徴です。これは一見治ったように見えても皮膚の内側では炎症が残っていて、再燃しまうことが原因です。
そのため、「プロアクティブ療法」という、肌表面の炎症を速やかに治えた後にステロイド外用薬や免疫抑制剤を定期的(週2回など)塗ることで、症状が抑えられた状態を維持する治療法が推奨されています。[7]
プロアクティブ療法を行うことで症状の悪化を防ぎ、結果的にステロイドの使用量も少なくすることができます。
抗炎症薬の塗り薬以外にも治療法はあるの?
重症の場合には、患者さんの治療状況や年齢に応じて、免疫抑制薬の内服薬ネオーラル®(シクロスポリン)や サイトカイン(IL-4など)の働きを抑える注射薬デュピクセントⓇ(デュピルマブ)、紫外線療法などを併用することがあります。
また、体質改善のために漢方薬( 消風散 、補中益気湯など)をステロイド外用剤と併用して服用する場合もあります。
アトピー性皮膚炎に効果の期待できる漢方薬についてさらに詳しく知りたい方は、こちら▼の記事もお読みください。
アトピー性皮膚炎が治らないのがつらい…
アトピー性皮膚炎の治療の目標は、以下のような状態になることです。
①症状が無いもしくは軽く、日常生活に支障がなくて薬物療法もあまり必要としない状態。
②軽い症状は続くものの、急激に悪化することはまれで、悪化しても持続しない状態。
状態をコントロールできるようになることで、症状に苦しむことなく、精神的にもラクに生活できるようになります。「完全に治すこと」にこだわり過ぎずに、「状態が良くなったら旅行に行こう」「半袖や着てみたかった洋服を着よう」と自分なりの目標や楽しみを見つけて治療と向き合っていくことが大切です。
YOJOでは漢方薬のご提案だけでなく、治療薬に関する疑問やスキンケアのアドバイスも受けることができます。
まずはお気軽に無料の体質チェックから始めてみてください。
【参考文献】
[1]厚生労働省 令和2年 患者調査 傷病分類編(傷病別年次推移表)
[2]日本皮膚科学会ガイドライン アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2021
[3]九州大学医学部皮膚科学教室 アトピー性皮膚炎ってどんな病気?
[4]厚生労働省 健康局 がん・疾病対策課 アレルギー疾患の現状等
[5]京都大学ホームページ 皮膚バリア機能を高めることでアトピー性皮膚炎の症状を改善させる内服化合物を発見
[6]日本臨床皮膚科医会ホームページ
[7]公益財団法人 日本皮膚科学会皮膚科Q&A