妊娠は、「からだ」と「こころ」の両方に影響を受けるデリケートな問題です。
厚生労働省によると、近年の日本では5~6組に1組の夫婦が不妊に悩んでいると言われており、検査や治療を受ける夫婦も年々増えてきています。
漢方には、私たちに元々備わっている自然治癒力を高めて、心身の状態を健康に導いたり、体質を改善してくれたりする作用があります。
「なかなか妊娠しないけど不妊症なのかな」「本格的な治療はまだ早い気がするけど漢方で妊娠しやすくなるのかな…」と考えている方もいるかもしれません。
この記事では、
・不妊症とその原因
・不妊治療の一つとして漢方が効果的な理由
・不妊治療で使われる具体的な漢方薬
・漢方と並行で行うべき妊活の方法
について詳しく解説していきます。
妊活や漢方の服用で悩まれている方は、YOJO薬剤師にも相談できるので気軽に利用してみてくださいね。
不妊症とは ~漢方との関連性~
日本産科婦人科学会によると、不妊症とは、妊娠を望む健康な男女が、通常の夫婦生活を送っているにもかかわらず1年以上妊娠しない状態をさします。
不妊症は病気ではなく、症候群です。症候群は共通の病態を示す人が多くいる場合に付けられるため、原因に関わらず一定の性生活をして妊娠しない状態であれば「不妊症」と診断されます。
では、不妊症に漢方はなぜ効果的なのでしょうか。
不妊と漢方の関係について、これから順を追ってご説明していきます。
不妊の主な原因は何?
まず不妊が起きる原因からみてみましょう。
男女両方の原因
男女ともに、妊娠する(させる)能力は加齢とともに低下することが分かっています。日本生殖医学会によると、女性は30歳を過ぎた頃から徐々に妊娠する確率が減り、35歳を過ぎると加速し、40歳を過ぎるとさらに急速に減少します。これは、加齢とともに卵子の質が低下することが原因です。
また男性においても、35歳を過ぎた頃からゆるやかに精子の質の低下が起こると考えられています。
そのため、妊娠しない状態が1年未満であっても、年齢が高い夫婦はなるべく早期(女性が35歳以上の場合は6か月以上)に検査・治療を行うことが推奨されています。
女性側の原因
女性は、排卵状態や卵管・頸管・子宮に異常があると妊娠しにくくなります。
例えば、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は女性の20〜30人に1人の割合でみられる排卵障害であり、不妊の主な原因の一つになります。
男性側の原因
日本産科婦人科学会では、男性側に不妊の原因がある割合は、女性側に原因がある割合はほぼ半々だとしています。精子の数・運動性に異常がある場合や性機能障害がある場合などで不妊の原因になります。
不妊になりやすい体質や生活習慣
不妊症と診断を受けても、中には明らかな異常が認められない人もいます。 妊娠のしやすさは、もともとの体質や生活習慣によっても影響を受けるからです。
不妊に悩まれている方は以下のような状態にないかもチェックしてみましょう。
生理不順
正常な生理周期は25~38日です。この周期より極端に長い・短いまたは規則性が無い状態を生理不順といいます。
生理不順=不妊とは限りませんが、排卵がスムーズに行われていないことから妊娠しにくい体質である可能性があります。たとえ出血はあっても必ずしも排卵しているとは限らないため注意が必要です。
ホルモンバランスの乱れや生理不順などに効果が期待できる漢方薬について知りたい方は、こちらの記事も読んでみてくださいね。
ストレス
ストレスによって自律神経のバランスが乱れることで、女性ホルモンのバランスにも影響が出ます。結果として生理不順や無排卵の原因となり、妊娠しにくい体質になってしまう可能性があります。
また、ストレスを受けた際に分泌されるコルチゾールというホルモンには、女性ホルモンの分泌を抑える働きがあります。
冷え性
冷え性になると血管が収縮することで血流が悪くなってしまいます。
血行不良が起こると、卵巣や子宮にも栄養が行き渡りにくくなるために、女性ホルモンの分泌が悪くなったり、子宮内膜が正常に機能しなくなったりするなど、不妊につながる症状や病気につながる可能性もあります。
栄養不足
無理なダイエットによる栄養不足は、女性ホルモンのバランスが乱れて生理不順・無排卵につながり不妊の一因になります。
また、1日に必要な摂取カロリーは満たしていたとしても、現代人は炭水化物や脂質の摂取量が多く、タンパク質やビタミン・ミネラルが十分に摂れていない場合が多いといわれています。
タンパク質は臓器や血液などを作るために必要な栄養素で、不足していると健康な卵や精子を作れないだけでなく、胎児の発育にも影響を与えます。同じくビタミン・ミネラルも細胞を生成するのを助ける働きがあるため、不足しないように注意が必要です。
漢方による体質改善は不妊に効果的?
漢方は明らかな不妊の原因がなくても、上記のようなからだの不調がある人には特に効果的であると考えられています。
ここからは、不妊の状態を漢方の観点から紐解いていきます。
不妊を漢方で考える
漢方では、私たちのからだは「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3要素がバランス良く巡ることで健康な状態を維持できると考えられています。
気は心身を動かす生命エネルギー、血・水は血液や栄養分・水分を全身に巡らせる役割があります。
漢方の観点から不妊の状態を見ると、からだの血の巡りが停滞していたり、冷えや胃腸機能の低下でからだに十分な栄養が行き届いていなかったりする場合が多いです。
また、ストレスやプレシャーにより気の巡りが悪くなると、ホルモンバランスの乱れや身体機能の低下につながり、妊娠しにくい状態になることもあります。
漢方から見る不妊症タイプ別チェック
漢方から見る不妊症のタイプには以下のような体質があげられます。
腎虚(じんきょ)
漢方では、腎は精(生命エネルギー)を蓄え、生殖、成長・発育を司るなど生命活動の根本を担っているとされています。加齢やストレス、栄養不足、睡眠不足などで腎虚の状態が進むと、女性ホルモンの分泌や卵巣機能が低下して妊娠しにくい体質になります。
瘀血(おけつ)
血の巡りが悪い状態をいい、卵巣や子宮へ必要な栄養が届きにくくなっています。下半身の冷えや月経異常をはじめ、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気につながる場合もあります。
気血両虚(きけつりょうきょ)
妊娠に必要な子宮や卵巣への栄養は、血だけでなく気のエネルギーも必要です。 気血が消耗した気血両虚では、子宮や卵巣への栄養が行き届かずに良質な卵子や子宮内膜が育ちにくい状態になります。
肝気鬱結(かんきうっけつ)
ストレスによる影響から気の流れが滞り(気滞)、瘀血や子宮・卵巣を含む全身の機能低下をもたらした状態です。女性の場合は月経異常や生理痛、胸の張りなどの症状につながる場合があります。
妊活や不妊治療に使われる漢方薬とは
では、妊活や不妊治療に使われる漢方には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、7種類の漢方についてご紹介します。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
桂枝茯苓丸は、血や水の代謝に働きかけて、血行不良の状態(瘀血)を改善します。下半身の冷えやからだの栄養不足を緩和して身体機能を高めることで妊娠しやすいからだ作りをサポートしてくれます。
冷えがあると血管が収縮して全身の血流が悪くなりますが、配合生薬の「桂皮(けいひ)」には、血管を拡張してからだを温める作用があります。さらに「桃仁(とうにん)・牡丹皮(ぼたんぴ)」といった生薬が血液の流れを改善してくれます。
服用がおすすめな人
比較的体力があり、血行不良からくる月経異常、足冷えなどの不調が生じている人におすすめの漢方薬です。そのほかのぼせやめまいだけでなく、肌荒れやにきび、しみなどの症状がある人にも用いられます。
服用に注意が必要な人
虚証タイプの人:抵抗力が弱っている人や胃腸が弱い人、疲れやすい人など虚弱体質の人は合わない場合があります。
服用上の注意
妊娠した場合は服用を中止しましょう
血行を強く促す作用のある「桃仁・牡丹皮」は、妊娠中に服用すると流早産の危険性があります。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
当帰芍薬散には、血の不足を補うとともに水の巡りを良くすることでからだ全体の代謝を整える作用があります。全身の血行を改善してからだに必要な栄養分を行き渡らせ、からだを温めて全身の冷えを改善し、妊娠しやすい状態へと整えます。
配合生薬である「当帰(とうき)・川芎(せんきゅう)」に血を補って血行を良くする作用があるほか、「芍薬(しゃくやく)」が筋肉のけいれんを和らげ、血管の状態を良くします。さらに「沢瀉(たくしゃ)・茯苓(ぶくりょう)・白朮(びゃくじゅつ)」といった水の代謝を整える生薬が配合されています。
また、当帰芍薬散は脳や卵巣に作用して卵胞発育や排卵、黄体機能といった幅広い範囲に効果が報告されており、不妊症においても、黄体機能不全や排卵障害への治療効果を期待して臨床で用いられる場合があります。[1]
服用がおすすめな人
虚証タイプで冷え性や貧血の症状のある人におすすめの漢方です。生理不順や月経異常、生理痛、めまい・立ちくらみなど「血」の不足が原因で起こった症状を改善します。また全身のむくみや水太りの改善にも効果的です。
服用に注意が必要な人
胃腸が弱い人:食欲不振や吐き気・嘔吐、下痢などの症状が現われやすい人は、副作用で胃部不快感などの消化器症状が起こる場合があります。
加味逍遥散(かみしょうようさん)
加味逍遥散は、血行不良の状態(瘀血)を改善したり気の巡りを良くしたりする働きがあります。そのため性周期に連動するイライラや精神不安定、過緊張に効果的です。
私たちのからだは、過度のストレスがかかると気の巡りが悪くなり(気滞)、血行不良が起きて月経困難症にもつながりやすくなります。
配合生薬の「柴胡(さいこ)・薄荷(はっか)」には、気を静めてイライラや緊張をほぐす作用があります。さらに「当帰(とうき)・芍薬(しゃくやく)」などの複数の生薬が、血行を促進して胃腸機能や子宮・卵巣機能を健やかな状態へと導きます。
服用がおすすめな人
虚弱体質で体力が中等度以下、ホルモンの周期でイライラが起こる人におすすめの漢方薬です。また血行不良による肩こり、冷え、頭痛などがある場合にも効果が期待できます。
服用上の注意
妊娠した場合は服用を中止しましょう
血行を強く促進する作用のある「牡丹皮」は、妊娠中に服用すると流早産のリスクが高まります。
複数の漢方薬を服用する場合は注意ましょう
配合生薬の「甘草」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。
柴苓湯(さいれいとう)
柴苓湯は、内臓を健康な状態へと整えて胃腸の消化吸収を高めたり、免疫機能を調整してからだの抵抗力を高めたりする働きがあります。
配合生薬の「柴胡(さいこ)・ 黄芩 (おうごん)」にはからだの免疫反応を調整することで炎症を和らげる作用があります。また「乾姜(かんきょう)・桂皮(けいひ)」がからだ全体を温めて冷えを改善します。
また、柴苓湯は従来から習慣性流産・不育症に対して用いられています。これは柴苓湯に免疫異常の改善や血栓症リスクの軽減などの作用があるほか、配合生薬の柴胡、半夏、白朮に抗うつの薬理作用もあるために、妊娠におけるストレスへの一定の効果も期待できるのではと考えられています。[2]
服用がおすすめな人
体力が中程度で中間証~虚証のタイプの人に向きます。
喉が渇いて尿量が少なく、吐き気、食欲不振、急性胃腸炎の症状を改善します。また利水作用をもつ生薬も含むことからむくみや水溶性下痢などの症状にも使用できます。
服用に注意が必要な人
体力が顕著に低下している人は慎重に服用しましょう。
服用上の注意
複数の漢方薬を服用する場合は注意ましょう
配合生薬の「甘草」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。
温経湯(うんけいとう)
温経湯は、血を補い血液循環を改善することで、からだ全体に必要な栄養を行き渡らせる働きがあります。代謝が滞ることで起こった生理不順や生理痛、冷えなどにも効果が期待できます。
配合生薬の「当帰・川芎」が血を補って血行を良くする作用があるほか、「牡丹皮」にも血行を強く促進する作用があります。また、「人参(にんじん)・生姜(しょうきょう)」が全身の新陳代謝を促進してからだを温め、特に腹部や下半身の冷えを改善します。
また、温経湯は脳に作用して黄体形成ホルモンの分泌の異常を整えて、排卵を促したり、妊娠を維持するのに重要な黄体ホルモンの分泌を促したりする作用が報告されています。[3]
服用がおすすめな人
脈やお腹の弱い虚弱なタイプの人に向きます。
上半身や肌・唇は乾燥しているのに下半身は冷える人、ホルモンバランスの乱れによる生理不順や更年期障害、不眠、神経症などの症状にも使用できます。
服用上の注意
妊娠した場合は服用を中止しましょう
血行を強く促進する作用のある「牡丹皮」は、妊娠中に服用すると流早産のリスクが高まります。
複数の漢方薬を服用する場合は注意ましょう
配合生薬の「甘草」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。
八味地黄丸(はちみじおうがん)
八味地黄丸は、腎生殖機能を全般的にサポートし卵巣機能を高める作用があるとされています。「腎虚」の状態を改善する効果のある代表的な漢方薬です。
臨床では原因不明な高齢不妊に対し、男女ともに使用されることがあります。
配合生薬の「地黄(じおう)」には、自律神経のバランスを整えて月経異常を正常化する作用があります。
たとえば、八味地黄丸を服用した難治性不妊の患者において卵胞刺激ホルモンや回収卵子数、受精卵数の有意な増加が認められたという国内の報告もあります。
服用がおすすめな人
体力のない虚弱体質の人に向きます。腎や生殖機能が衰え下半身の冷えや痛み、頻尿・乏尿などの排尿トラブルなどに使用できます。
服用に注意が必要な人
体力が充実している人、のぼせがある人:副作用が出やすくなる可能性があります。
胃腸が弱い人:食欲不振や吐き気、嘔吐や下痢などを起こしやすい人は、症状が悪化する場合があります。
服用上の注意
附子の副作用に注意しましょう
配合生薬の「附子(ぶし)」は、過剰に摂取すると中毒症状(ほてり・熱感・悪心嘔吐・しびれ・不整脈・めまい)を起こす可能性があるため、注意が必要です。
妊娠した場合は服用を中止しましょう
配合生薬の「牡丹皮」が流早産のリスクを高めたり、「附子」による副作用が起こりやすくなったりする可能性があります。[4]
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
補中益気湯は、生命エネルギーである「気」が不足した状態(気虚)を改善してくれる漢方薬です。胃腸機能を高めて全身の気力を補う働きがあります。
配合生薬の「人参(にんじん)・生姜(しょうきょう)」がからだを温めて全身の新陳代謝を活性化し、胃腸機能の働きを助けます。さらに「柴胡(さいこ)」にはストレスを改善して自律神経の働きを良くする作用があります。
補中益気湯は、食欲不振がある原因不明の不妊症の人に対して、妊娠しやすいからだ作りをしたり体力を養うことを目的に処方されることがあります。また不妊症で他の漢方を服用して胃腸障害が起こった人に対して、症状を改善する目的でも用いられます。数日から1か月程度と比較的短い期間で効果が現われやすい漢方薬です。
服用がおすすめな人
食欲不振や疲労倦怠感のある虚弱体質の人に向きます。
からだの新陳代謝が低下して元気がなく、体力も落ちている人におすすめの漢方薬です。
服用上の注意
間質性肺炎の副作用に注意しましょう
発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、服用を中止しすみやかに受診するようにしましょう。
複数の漢方薬を服用する場合は注意ましょう
配合生薬の「甘草」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。
不妊に漢方と並行で行うべき妊活の方法とは
ここまで不妊と漢方についてご説明してきましたが、漢方薬の服用だけに頼り過ぎてはいけません。妊娠に向けて健康なからだ作りを行っていくことも「妊活」にはとても重要です。
最後に、具体的な妊活についてご説明します。
生活習慣の見直し
妊娠に向けて健康なからだ作りをするためには、規則正しい生活習慣が欠かせません。
栄養バランスの取れた食事を1日3食きちんと取る、適度に運動をする、質の良い睡眠を取るなど、健康的な生活を心がけましょう。
からだが冷えないように、日頃からきちんと湯船に浸かる、温かい飲食物を接触的に摂取する、冷え対策グッズを使用することも良いでしょう。
また、喫煙は生殖機能の低下や流早産のリスクを高める原因になるため、控えることが大切です。
こちらの記事▼では、自律神経を整える漢方薬について紹介しているので、気になる方はぜひ読んでみてくださいね。
葉酸サプリの摂取
葉酸は胎児の先天異常(神経管閉鎖障害)を予防するために重要な栄養素です。妊娠後のおよそ28日が神経管の形成には重要な時期であるため、妊活時から葉酸を積極的に摂取することが望まれます。通常1日の摂取推奨量は240μgですが、妊活時~妊娠初期はサプリメントなどから+400μgを取るように心がけましょう。
食品では、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜や、納豆、イチゴなどが豊富に含みます。葉酸は熱に弱いため、生のまま食べるもしくは蒸すのがおすすめです。
こちら▼の記事では、妊活におすすめのサプリメントについて、さらに詳しく紹介しています。
葉酸サプリはYOJOショップでも購入することができます▼
基礎体温の記録とタイミング法
基礎体温を記録することで、排卵日を予測することができるようになります。
女性の基礎体温の周期は、生理開始~排卵の約2週間が低温相、排卵後~次の生理開始の約2週間が高温相となっています。
排卵が起こるのはこの低温期から高温期へと移行する頃です。市販の排卵日検査薬の使用も参考になるでしょう。
一般的に妊娠確率が高いのは排卵日の2日前といわれており、この時期に性交渉をもつと妊娠しやすくなります。
ブライダルチェックの実施
結婚前後に、妊娠出産に影響する病気がないかを確認する検査のことをブライダルチェックと呼びます。一般的に、女性は血液検査・性感染症検査・女性ホルモン分泌検査・超音波検査・子宮内診などが行われます。男性の場合は、同じく血液・性感染症検査のほか精液検査などが実施されます。
子宝を望む夫婦にとって、自分たちのからだの健康状態をしっておくことはとても大切です。
妊活のポイントや妊娠しやすいからだ作りについて、さらに詳しく知りたい方はこちら▼の記事もお読みください。
よくある質問
漢方薬は保険適用になるの?
病院やクリニックで医師の診断を受けて、不妊治療のために漢方薬を処方された場合は、基本的には保険適用になります。
一方で、 漢方薬局で直接漢方薬を購入する場合や、ドラッグストアなどで市販の漢方薬を購入する場合は、保険適用にはなりません。
婦人科系の病気が見つかったが漢方薬だけで治療できないの?
病院での検査で不妊に明らかな原因(疾患)が見つかった場合は、自己判断で市販の漢方薬・サプリメントを服用することは避けて、医師の指示通りに治療を受けるようにしましょう。
たとえば多嚢胞性卵巣症候群は、生殖年齢女性の 5~8%に発症し、生理不順や不妊の主な原因の 1 つです。治療は肥満があれば減量、排卵誘発剤(クロミフェン)を用いて治療を行うなど治療方針が診療ガイドラインで定められています。[5]
漢方薬が選べないので相談したい場合はどうすればいいの?
不妊治療で産婦人科に通っている場合は、漢方薬の必要性についてまずはかかりつけの先生に相談しましょう。
一方で、「まだ妊活を始めたばかりで治療は行っていないが漢方薬を試してみたい」、「市販の漢方薬を飲んだが効果がない」といった場合には、YOJO薬剤師に相談してみるのも良いでしょう。しっかりとカウンセリングをして適切な漢方薬を提案してくれますよ。
YOJOへのよくある質問はこちら
【参考文献】
[1]戸田稔子ら(2021), 瘀血あるいは気滞を除く随証治療で当帰芍薬散へ導き当帰芍薬散で妊娠出産にいたった不妊の3症例, 日本東洋医学雑誌 72 (4), 377-382.
[2]西修(2015), 不育症に対する柴苓湯の使用経験,Phil漢方55,18-19
[3] 治京玉記(2012), 黄体形成ホルモン(LH)分泌促進作用に対する温経湯の効果,薬膳科学研究所研究紀要 第5号
[4]妊婦への投与に注意が必要な漢方薬
[5] 産婦人科 診療ガイドライン ―婦人科外来編2020 ,公益社団法人 日本産科婦人科学会,公益社団法人 日本産婦人科医会