肩こりに漢方は効く?葛根湯以外のおすすめ漢方薬や養生法も解説

肩こりを感じる女性

「 肩がズシリと重い感じがする 」「 肩の筋肉がカチコチに固まっている 」
そんな辛い肩こりにお悩みの方には、漢方薬の服用が有効な治療法の一つになることがあります。
この記事では

・肩こりの治療と漢方薬の強み
・肩こり使用される漢方薬とその選び方
・肩こり解消におすすめの養生法

についてお伝えします。
なかなか改善しない辛い肩こりにお悩みの方は、YOJO薬剤師に相談することもできます。

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Contents

肩こりの原因と漢方の関連性とは

まずは、肩こりの原因とともに、漢方薬が有効な治療法の一つになりうる理由についてお伝えします。

なぜ肩こりが起こるの?

肩こりは、肩甲骨から首の間の筋肉が緊張して、血行が悪くなり、乳酸などの疲労物質が筋肉の中に溜まることで生じます。
肩こりが起こる主な原因としては、以下のようなものがあげられます。[1]

・首や背中が緊張するような姿勢での作業
・連続して長時間同じ姿勢をとること
・姿勢の悪さ(猫背・前かがみ)、なで肩
・運動不足
・精神的なストレス
・冷房などによるからだの冷え
・眼精疲労

そもそも人間のからだは、首だけで頭部の重さを支える構造になっているため、その重みで自然に首や肩には負担がかかってしまうのです。
厚生労働省が行った令和4年国民生活基礎調査では、性別で見た有訴者率の上位5症状において「肩こり」は男女ともに「腰痛」に次いで2番目に多い症状となっています。[2]

女性は更年期に肩こりが起こりやすい?

女性の場合、とくに40代半ば頃からさしかかる「更年期」以降には、加齢による筋骨格系の老化と様々なストレスなどの社会的背景から肩こりが増加すると考えられています。[3]

実際にYOJOでも更年期症状を抱える女性にアンケートを取った結果、96%の人で血流が悪いと感じる(1位)、90%の人で肩がこりやすい(3位)という回答を得ました。(YOJO調べ:2022年9月~2023年6月患者さま回答)

肩こりと四十肩・五十肩の違い

更年期の肩こりと似た症状として、同じく40代・50代で起こる「四十肩」「五十肩」があります。肩こりが筋肉の緊張や血行不良が原因で起こるのに対して、四十肩・五十肩は加齢による肩関節の炎症です。肩こりと四十肩・五十肩では適切な対処法が異なるため、気になる場合は病院を受診するようにしましょう。

ほかにも更年期に起こる症状や効果の期待できる漢方薬について、さらに詳しく知りたい方は、こちら▼の記事もお読みください。

更年期障害におすすめの漢方薬とは?症状や体質別の選び方も解説

肩こりの治療と漢方薬の強みとは

肩こりは自然に治ることも多いですが、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の飲み薬や貼り薬、筋弛緩薬、神経ブロック注射などが使用されることもあります。また、温熱療法(ホットパック、入浴など)や運動療法(拘縮予防や筋肉の強化)などのリハビリを合わせて行う場合もあります。[1]

とくに痛みが強い急性期の場合は、即効性の高い西洋薬が使われる場合が多いです。
一方で、漢方薬は効果の発現は比較的おだやかであるものの、複数の生薬が総合的に効果を発揮するため作用点が多岐に渡るという特徴があります。

肩こりは、たとえば更年期からだの冷え過度なストレスによるものなど、起きる原因もさまざまであり、肩こりに伴うほかの症状にも悩まれているケースも少なくありません。

からだの状態や体質に合った漢方薬を服用することで、体質を改善して肩こりが起こりにくい状態にしたり、複数の症状にも効果が期待できたりするのが漢方薬の強みです。

ご自身に合った漢方薬の選び方が分からない場合や不安な場合は、YOJOの薬剤師にも相談することができます。

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漢方でみる肩こりの状態とよくある漢方処方とは

漢方生薬

肩こりは、漢方医学では 筋肉の瘀血(おけつ) や気虚(ききょ)、血虚(けっきょ)の状態であると考えます。そのため、血の流れを良くして 瘀血を改善し、気血を補うと肩こりが良くなるとされています。[4]

また、肩こりに伴う症状別によく使用される漢方薬についてもご紹介します。[4]

冷えのある人の肩こり

もともと冷え性や寒がり(寒証)の人、人一倍服を着こむような人は、まずはからだ全体を温めることが大切です。温めることで血流が改善されてコリがほぐれます。
さらに五積散当帰四逆加呉茱萸生姜湯当帰湯を基本薬に、状態によっては葛根湯、二朮湯、五苓散なども加えることで冷えのある人の肩こりは改善されやすくなります。

また冷え性に効果的な漢方薬や養生法についてさらに詳しく知りたい方は、こちら▼の記事もお読みください。

冷え性には漢方が効く?タイプ別のおすすめ漢方薬や養生法を解説

ストレスのある人の肩こり

私たちがストレスを感じるとき、交感神経が優位になります。 その結果、血管が収縮して血行が悪くなり、肩こりが生じてしまうのです。
ストレスを受けて抑うつ傾向のときには香蘇散桂枝湯半夏厚朴湯を使用すると心がのびやかになり筋の緊張がほぐれて肩がこりにくくなります。
また、精神的に緊張してイライラ怒りっぽいときには四逆散加味逍遙散、大柴胡湯、抑肝散陳皮半夏などが有効です。

イライラやストレスに効果の期待できる漢方薬についてさらに詳しく知りたい方は、こちら▼の記事もお読みください。

イライラやストレスにおすすめの漢方薬とは?

むくみのある人の肩こり

顔や下半身に軽度の浮腫をきたしやすい人の肩こりには、葛根加朮附湯桂枝加朮附湯+葛根湯が使用される場合があります。水(むくみ)を取り除くことで筋の血流が良くなるとされています。

またむくみに効果の期待できる漢方薬や養生法についてさらに詳しく知りたい方は、こちら▼の記事もお読みください。

むくみや冷えの解消に漢方が効果的?おすすめケアや体質別の選び方とは

月経周期に伴う肩こり

むくみが強く、黄体ホルモンが優位な高温期に肩こりを強く訴える人は、利水作用をもつ当帰芍薬散が効果的です。また二朮湯を加えるとさらに効果が増す場合もあります。

胃腸が弱い人の肩こり

胃腸を丈夫にすると筋肉まで栄養がきちんと行き渡り、肩がこりにくくなるとされています。胃腸の調子を整える漢方薬としては、六君子湯半夏白朮天麻湯小建中湯などがあげられます。

肩こりに効果の期待できる漢方薬と選び方

肩こりに効く漢方薬といえば「葛根湯」が有名ですが、からだの体質や状態によって肩こりに効果的な漢方薬は他にも多くあります。
ここでは、肩こりに使われる漢方薬とその選び方、服用の注意点について詳しくお伝えします。

【風邪の初期や冷えからくる肩こりに】葛根湯(かっこんとう)

葛根湯は、発汗を促して解熱作用があるだけでなく、からだを温めて肩や首のこりをほぐしてくれる作用があります。そのため、風邪をひくことで生じる肩こりや、冷えて血行が悪くなることで生じる肩こりにも効果的です。

主薬である「葛根(かっこん)」は発汗作用や血行促進作用をもちます。またからだを温める「桂皮(けいひ)」や筋肉の弛緩作用のある「芍薬(しゃくやく)・甘草(かんぞう)・大棗(たいそう)」など7種類の漢方薬が配合されています。

葛根湯は基本的に急性期に用いる漢方薬で、短期間で効果が期待できる処方です。実際に葛根湯を肩こりをもつ方に投与したところ、1~2時間後に頸部体表温が上昇し、血液循環が改善されることで肩こりの改善傾向が認められたことが報告されています。[5]

服用がおすすめな人
体力が中等度以上の人
で、筋肉が緊張して起こる肩こりや首・背中のこわばりにおすすめです。また、風邪の初期に起こる発熱や頭痛、緊張型頭痛、寒気がするのに汗は出ないといった症状に有効です。

服用に注意が必要な人
不眠、発汗、動悸、精神興奮などの副作用が起こる可能性があります
配合生薬の「麻黄」には交感神経作用をもつエフェドリン類が含まれるために心臓や血管に負担をかける可能性があります。高血圧、心臓病、腎臓病、甲状腺機能障害のある人は服用前に医師・薬剤師に相談しましょう。また、一部の咳止めや甲状腺の機能を補う薬などには麻黄と似た作用をもつお薬があるため、併用する場合には注意しましょう。
複数の漢方薬を服用する場合は注意ましょう
配合生薬の「甘草」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。
重大な副作用として、肝機能障害に注意しましょう
肝機能障害の症状(たとえば発熱、全身倦怠感、嘔気嘔吐、黄疸など)があらわれた場合は、服用を中止しすみやかに受診するようにしましょう。

葛根湯の飲み合わせについて、さらに詳しく知りたい方はこちら▼の記事もお読みください。

葛根湯と他の薬との飲み合わせを解説/ロキソニン・アレグラなどとの併用はOK?

【頭痛や高血圧をもつ人の肩こりに】釣藤散(ちょうとうさん)

釣藤散は、血圧を下げる作用や筋弛緩作用があり、筋肉の血行を改善することで頭痛に伴って起こる肩こりや首筋のハリに効果が期待できます。

釣藤散が向く人はとくに首から上に症状が出ると考えられており、頭痛やめまい、耳鳴り、不眠などの症状が発現しやすいとされます。[6]

配合生薬の「釣藤鈎(ちょうとうこう)」には降圧作用や鎮痙作用があります。また「石膏(せっこう)」はからだの熱を冷ます作用をもちます。
高血圧やストレスによって血圧が上がる人は「気」がからだの上へと上昇し熱へと変わって頭痛やめまい、肩こりなどの症状を起こしやすい状態です。また「気」の上昇から「血」も上昇し顔のほてりや目が血走ったりします。
釣藤散は「気」の上昇を抑えて「血」の巡りも整える作用のある漢方薬です。

服用がおすすめな人
体力が中等度の人
で、慢性的な肩こりや頭痛、めまいがある人におすすめの漢方薬です。起床時やイライラしたときに血圧が高くなるような人に向きます。

服用上の注意
胃腸が弱い冷え性の人は注意しましょう
漢方薬の作用で症状が悪化する場合があります。
複数の漢方薬を服用する場合は注意ましょう
配合生薬の「甘草」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。

【つっぱるような肩こり・首筋の痛みに】芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)

筋肉のつっぱりやけいれんが起きる状態は、漢方では「気」と「血」が一時的に不足している状態と考えます。芍薬甘草湯は、不足してしまった「気」「血」を補い、筋肉のけいれんを鎮める作用があります。

たとえば寝違いなどで首が回らないような状態、つまり、局部の筋肉の血行不良による筋けいれんが起こっている状態に芍薬甘草湯を頓用すると著効する場合があります。
「芍薬(しゃくやく)・甘草(かんぞう)」の2種類の生薬から成り、筋肉の緊張をほぐして血行を改善し、痛みを緩和します。
ただし長期服用をする漢方薬ではないので漫然と使用することのないように注意しましょう。

服用がおすすめな人
体力に関わらず使用でき、つっぱるような肩こりや筋肉の急激なけいれんを伴う痛みがある人におすすめの漢方薬です。

服用上の注意
複数の漢方薬を服用する場合は注意ましょう
配合生薬の「甘草」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。
心臓病・高血圧・腎臓病を持つは服用前に必ず医師に相談しましょう
副作用で状態が悪化する可能性があります。
重大な副作用として、間質性肺炎や肝機能障害に注意しましょう
間質性肺炎の症状(たとえば発熱、咳、呼吸困難など)や、肝機能障害の症状(たとえば発熱、全身倦怠感、嘔気嘔吐、黄疸など)があらわれた場合は、服用を中止しすみやかに受診するようにしましょう。

【血行の悪い体力のある人の肩こりに】桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂枝茯苓丸は、「血」の巡りを整える代表的な漢方薬です。血行不良からくる肩こりや冷え、ホルモンバランスの乱れを整えてからだの不調を改善します。
配合生薬の「桂皮(けいひ)」は、からだを温めて冷えを改善し、発汗を促す作用があります。さらに「桃仁(とうにん)・牡丹皮(ぼたんぴ)」といった生薬が血の巡りを改善します。

服用がおすすめな人
比較的体力がある人で
、血行不良が原因で起こる肩こりにおすすめの漢方薬です。冷えのぼせ、めまい、イライラなどの更年期症状にも効果的です。

服用上の注意
虚証タイプの人は注意しましょう
胃腸が弱い人、疲れやすい人、からだの抵抗力が弱っている人は効果が強くでて合わない場合があります。
妊娠中の人は服用を避けましょう
「桃仁・牡丹皮」が血行を強く促進するため、妊娠中に服用すると流早産のリスクが高まります。

【虚弱体質な更年期の人の肩こりに】加味逍遙散(かみしょうようさん)

加味逍遥散は、「血」の不足を補って巡りを良くすることで、滞っていた「気」の巡りも改善する働きがあります。からだ全体の巡りを良くして温める一方で、のぼせなど上半身の熱は冷まします。
配合生薬の「柴胡(さいこ)・薄荷(はっか)」には、気を静めてイライラや緊張をほぐす作用があります。そのほか「当帰(とうき)・芍薬(しゃくやく)・牡丹皮(ぼたんぴ)」といった生薬が血行を促進します。

服用がおすすめな人
虚弱体質で、
のぼせやイライラなどの更年期症状がある人の肩こりにおすすめの漢方薬です。また、下半身に冷え性がある人、疲労感などがある人にも向きます。

服用上の注意
胃腸が弱い人は注意しましょう
副作用で食欲不振、吐き気などの消化器症状が起こる場合があります。
妊娠中の人は服用を避けましょう
血行を強く促進する作用のある「牡丹皮」は、妊娠中に服用すると流早産のリスクが高まります。
複数の漢方薬を服用する場合は注意ましょう
配合生薬の「甘草」が重複し、偽アルドステロン症などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。

【冷えや血行不良がある人の肩こりに】当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

当帰芍薬散は、加味逍遙散・桂枝茯苓丸とともに婦人科の三大漢方薬の一つです。「血」の不足を補い、「水」の巡りを良くすることで、からだに必要な栄養分を行き渡らせ、全身を温めて冷えやコリを改善します。

配合生薬である「当帰(とうき)・川芎(せんきゅう)」に血を補って血行を良くする作用があるほか、「芍薬(しゃくやく)」が筋肉のけいれんを和らげ、血管の状態を良くします。さらに「茯苓(ぶくりょう)・白朮(びゃくじゅつ)」など水の代謝を整える生薬も配合されています。

服用がおすすめな人
虚弱体質で、全身の冷えや疲労感のある人
におすすめの漢方です。
冷えからくる血行不良で原因で起こる肩こりに向きます。

服用に注意が必要な人
胃腸が弱い人は注意しましょう
副作用で食欲不振、吐き気などの消化器症状が起こる場合があります。

市販で購入できる肩こりにおすすめの漢方薬

ドラッグストアで薬を選ぶ女性

ここでは、まずは気軽に漢方薬を試してみたい人向けに、市販で購入できる漢方薬を紹介します。

ツムラ漢方葛根湯エキス顆粒A

ツムラ漢方葛根湯エキス顆粒A
引用元:ツムラHP

風邪の初期症状や肩こりに悩まれている人に

葛根湯エキスを有効成分とした商品です。体力が中等度以上の人の肩こりに向きます。

分類 第2類医薬品
適応する人 体力中等度以上の人
形状 顆粒剤
用法・用量 1日2回食前に服用。
成人(15歳以上):1回1包
15歳未満7歳以上:1回2/3包
7歳未満4歳以上:1回1/2包
4歳未満2歳以上:1回1/3包
服用対象年齢 2歳以上(2歳未満は服用しないこと)
効能効果 感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み
内容量 8包/16包

ツムラ漢方47 釣藤散エキス顆粒

ツムラ漢方47 釣藤散エキス顆粒
引用元:ツムラHP

慢性的な頭痛や肩こりに悩まれている人に

釣藤散エキスを有効成分とした商品です。イライラして血圧が上がりぎみな人にも向きます。

分類 第2類医薬品
適応する人 体力中等度で、慢性に経過する頭痛、めまい、肩こりなどがある人
形状 顆粒剤
用法・用量 1日2回食前に服用。
成人(15歳以上):1回1包
15歳未満7歳以上:1回2/3包
7歳未満4歳以上:1回1/2包
4歳未満2歳以上:1回1/3包
服用対象年齢 2歳以上(2歳未満は服用しないこと)
効能効果 慢性頭痛、神経症、高血圧の傾向のあるもの
内容量 20包

ツムラ漢方68 芍薬甘草湯エキス顆粒

ツムラ漢方68 芍薬甘草湯エキス顆粒
引用元:ツムラHP

筋肉がけいれんして痛む方に

芍薬甘草湯エキスを有効成分とした商品です。つっぱるような肩こりに使用できます。

分類 第2類医薬品
適応する人 体力に関わらず使用でき、筋肉の急激なけいれんを伴う痛みのある人
形状 顆粒剤
用法・用量 1日2回食前に服用。
成人(15歳以上):1回1包
15歳未満7歳以上:1回2/3包
7歳未満4歳以上:1回1/2包
4歳未満2歳以上:1回1/3包
服用対象年齢 2歳以上(2歳未満は服用しないこと)
効能効果 こむらがえり、筋肉のけいれん、腹痛、腰痛
内容量 20包

「クラシエ」漢方桂枝茯苓丸料エキス錠

「クラシエ」漢方桂枝茯苓丸料エキス錠
引用元:クラシエHP

比較的体力のある方で、ときに肩こりや足冷えなどを訴える方に

桂枝茯苓丸エキスを有効成分とした商品です。血の巡りを改善するため肩こりや冷え、更年期症状などがある方にも適しています。

分類 第2類医薬品
適応する人 比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭痛、めまい、のぼせて足冷えなどの訴えがある人
形状 錠剤
用法・用量 1日3回食前または食間に服用
成人(15歳以上):1回2錠
15歳未満7歳以上:1回1錠
服用対象年齢 7歳以上(7歳未満は服用しないこと)
効能効果 月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症、肩こり、めまい、頭痛、打ち身、しもやけ、しみ、湿疹・皮膚炎、にきび
内容量 48錠/90錠

ツムラ漢方24 加味逍遙散エキス顆粒

ツムラ漢方24加味逍遙散エキス顆粒
引用元:ツムラHP

体力がない方の肩こりや疲労感、イライラなどの症状に

加味逍遙散エキスを有効成分とする商品です。更年期でイライラしがちな方におすすめの漢方薬です。

分類 第2類医薬品
適応する人 体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある人
形状 顆粒剤
用法・用量 1日2回食前に水又はお湯にて服用してください。
成人(15歳以上):1回1包
7歳以上15歳未満:1回2/3包
4歳以上7歳未満:1回1/2包
2歳以上4歳未満:1回1/3包
服用対象年齢 2歳以上(2歳未満は服用しないこと)
効能効果 冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症、不眠症
内容量 20包/48包

ルビーナめぐり®

ルビーナめぐり
引用元:アリナミン製薬株式会社HP

冷え性で疲れやすい方の肩こりに

当帰芍薬散エキスに、胃腸を元気にしてからだを温める「人参」が配合されている商品です。

分類 第2類医薬品
適応する人 体力虚弱で胃腸が弱く、冷え症で貧血の傾向があり、疲労しやすく、ときに 下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などの訴えがある人
形状 錠剤
用法・用量 1日3回食前または食間に服用
成人(15歳以上):1回3錠
15歳未満7歳以上:1回2錠
服用対象年齢 7歳以上(7歳未満は服用しないこと)
効能効果 むくみ、月経痛、頭重、足腰の冷え症、月経不順、月経異常、産前産後 あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、更年期障害、 めまい・立ちくらみ、肩こり、腰痛、しみ、耳鳴り、しもやけ
内容量 60錠/120錠

肩こりの解消に漢方の服用以外でもできること

肩こりの解消には、漢方薬の服用だけでなく今までの生活習慣を見直し、改善することも非常に大切です。
ここでは肩こりにおすすめの養生法をお伝えします。

肩こりに効くストレッチや運動をしよう

肩こりによる痛みや不快感は筋肉が緊張して血行が悪くなることで起こります。肩こりの原因となる筋肉は肩甲骨につながって存在します。そのため、肩甲骨を動かすようなストレッチを行うことで筋肉をほぐし、肩甲骨の動きを良くすることで、肩こりの解消につながると考えられます。

肩こり解消のストレッチ方法
【肩甲骨を動かすストレッチ】
①胸の前で両手を組み、おへそを見ながら背中を丸め、背中の上部を伸ばす。
②両手を組み上にあげ、背筋を伸ばす。
③お尻の後ろで両手を組み、ななめ上を見ながら胸を張る。

【肩回しのストレッチ】
①両肩先に指先をつける。
②肘で大きく円を描くようにゆっくり 10 回ほど回す。反対回しも同様に行う。

スマホの使い過ぎや姿勢に注意をしよう

私たちの生活に欠かせない便利なスマホですが、つい長時間、前かがみの姿勢で操作し続けてしまうことはありませんか?
たとえば首の真上に頭がある場合を0度とすると、首にかかる負担は約5kg。そして頭部を15度前傾した場合では2.4倍、30度では3.6倍、45度では4.4倍、60度では5.4倍と、頭部を前へ傾けるほど首にかかる負担は増加することが報告されています。 [7]
また、長時間同じ姿勢を取ることや使いすぎによる目の疲れも肩こりの原因とななるため注意しましょう。

スマホ姿勢の改善方法
・スマホの持ち方を変える
スマホを顔の高さに合わせ、目線がまっすぐになるようにする。
・30分に1回は休憩をする
長時間の使用は避けて、30分に1回は使用をやめて目を休めたり、違う姿勢を取るようにする。

からだを温める工夫をしよう

からだの冷えは、血行不良のほか自律神経やホルモンバランスの乱れ筋肉量の少なさなどが原因で、体温調節がうまくできなくなることで起こります。
からだを温めることで血管が拡張し、血行が改善されます。その結果、筋肉や内臓に供給される酸素や栄養素の量が増えて、疲労回復や肩こりの改善にもつながります。

からだを温めるおすすめの養生法
【食事でからだを温める方法】
ジャガイモさつまいもにんじん大根ゴボウなどの野菜はからだを温めてくれる働きがあります。また生姜ネギニンニクなどの薬味も効果的です。
・ウーロン茶やココア、たんぽぽ茶、黒豆茶にはからだを温める効果が期待できます。ホットドリンクにして飲むと良いでしょう。

【入浴でからだを温める方法】
40℃のお湯に10~15分
入浴します。この時、しっかりと肩までお湯に浸かるのがポイントです。入浴時に首や肩のストレッチを行うとより効果的でしょう。

YOJOでは肩こりに効果的な漢方薬の相談だけでなく、肩こりを改善するための生活習慣上のアドバイスも受けることができます。なかなか改善しない辛い肩こりに悩まれている方は、一度YOJOの薬剤師に相談してみるのもよいでしょう。

体質チェックをはじめる

【参考文献】
[1]公益財団法人 日本整形外科学会「肩こり」
[2]厚生労働省 2022年(令和4年)国民生活基礎調査の概況
[3]みんなの健康ラジオ「更年期と痛み①」
[4]隂山充,更年期女性の多愁訴に効く漢方エキス剤,phil漢方no.3
[5]矢久保修嗣ら(1997)葛根湯 の肩こりに対する改善効果とサーモトレーサーによる検討, 日本東洋医学雑誌,47(5)795-802
[6]木村容子ら(2008)釣藤散が有効な頭痛-多変量解析による検討-日本東洋医学雑誌59(5)707-713
[7]上田 泰久(2019)文京学院大学