めまいに効く漢方薬は?漢方体質別に紹介!市販薬も解説

めまいで悩む女性

めまいの原因はさまざまです。更年期やストレスなどによって、自律神経の乱れがめまいを引き起こすことがあります。原因が不明な場合や西洋薬の治療が効果を示さない場合には、漢方薬が有効なことがあります。回転性めまいや浮動性めまい、立ちくらみなど、さまざまなタイプのめまいにも漢方薬は効果が期待できます。

この記事では

・めまいの原因と漢方のタイプ

・めまいにおすすめの漢方薬・市販薬

・めまいの漢方薬の使い分け

について詳しく解説いたします。

めまいでお悩みの方はぜひ一度YOJOの薬剤師にご相談ください。あなたの体質に合った漢方薬をご提案いたします。

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Contents

めまいの分類・原因は?

めまいは、その原因によって「末梢性めまい」「中枢性めまい」「失神性めまい」に分類されます。また、症状によっては主に「回転性めまい」(目がぐるぐる回る感じ)や「浮動性めまい」(ふわふわと浮く感じ)に分けられます。

それぞれのめまいの症状や原因、そして市販されている西洋薬については、こちら▼の記事で詳しく解説しています。

めまいの原因となる漢方のタイプは?

気血水

脳が原因のめまいで緊急性を要するもの、悪心嘔吐が激しくて動けないめまい、難聴を伴うめまいなどは西洋医学的な治療が優先されます。一方で、その他のめまいの多くは漢方薬が効果的なことがあります。[1] 自分に合った漢方薬を選ぶ上での基本的な考え方とめまいが起こる人に見られる体質のタイプをご紹介します。

気血水とは

漢方医学では、体内の「気・血・水」の流れが調和していることが健康を維持し、生命活動を支えていると考えられています。しかし、「気・血・水」のバランスに異常が生じると、量が不足したり流れが滞ったりすることでさまざまな不調が現れるとされています。
特に、めまいに関連してよく取り上げられるのが「水滞(すいたい)・水毒(すいどく)」という状態です。これは、体内に余分な水が蓄積され、その分布が不均衡になることで、体内の水のバランスが乱れている状態を指します。

漢方の基本的な考え方についてさらに詳しく知りたい方には、こちら▼の記事がおすすめです。

関連記事:【漢方の基礎知識】漢方の気血水と五臓とは?
関連記事:【漢方の基礎知識】漢方で体質を見極めるものさしとは~虚実・陰陽・寒熱~

漢方医学の視点では、めまいの原因となるタイプとして、以下のような体質が考えられます。めまいを感じる人は、水滞・水毒の体質に加えて、他の体質も併せ持っている場合があります。[2]

水滞(すいたい)・水毒(すいどく)

体に余分な水が溜まっていて、一部に偏って存在している状態で、めまいを訴える人に多い体質です。体が重い感じがする、むくみやすい、頭が重い感じがするなどの症状が現れます。メニエール病の原因である内リンパ水腫(内耳内の一部のリンパ液が過剰になってむくんでいる状態)と通じるものがあります。

おすすめの漢方薬
五苓散、苓桂朮甘湯、真武湯など

気虚(ききょ)

元気がなく疲れやすいタイプです。胃腸が弱く食欲がない、下痢をしやすい、風邪を引きやすいなどの症状が現れます。ふらふらする浮動性めまいを訴える人が多いです。

おすすめの漢方薬
半夏白朮天麻湯など

気逆(きぎゃく)

本来上半身から下半身へ巡るべき「気」の流れが逆流して起こるめまいのタイプです。気逆が起こる理由には2つのタイプがあり1つ目は①冷えや水滞・水毒により気の流れがせき止められる場合、2つ目は②全身の熱により逆行する(のぼせる)場合があります。

おすすめの漢方薬
①苓桂朮甘湯など②黄連解毒湯、桂枝茯苓丸など

瘀血(おけつ)

血の巡りが悪く停滞している状態で、「気」や「水」の異常とも関連することが多いです。女性では血の異常とめまいが関連することがよくあります。更年期のめまいやのぼせとも関連しています。

おすすめの漢方薬
桂枝茯苓丸、当帰芍薬散など

血虚(けっきょ)

血の働きが不足している状態で、十分な血を生み出せないか消耗が大きいことが原因です。特に女性では、血に関する問題とめまいが関係していることが多いです。血の不足は、不安や不眠の症状を引き起こす可能性があり、それによってめまいが起きやすくなることがあります。

おすすめの漢方薬
当帰芍薬散など

肝の失調

漢方では五臓といって、臓器とその働きを含む概念があります。その中の「肝」は、血を蓄えて全身に栄養を供給するとともに、怒りの感情をコントロールする役割もあると考えられています。この「肝」の働きが弱まると、イライラ、怒りやすい、頭痛、めまいなどの症状が現れることがあります。

おすすめの漢方薬
釣藤散、加味逍遙散など

自分の体質が分からない場合や、どの漢方薬を選ぶか迷った時は、YOJOの薬剤師に相談してみましょう。また、簡単な体質チェックもありますので、ぜひお試しください。

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めまいに効くおすすめの漢方薬は?

生薬

めまいの治療に用いられる代表的な漢方薬7種類とめまい以外の症状による漢方薬の使い分けについてご紹介します。

めまい以外の症状による漢方薬の使い分け

自分に適した漢方薬を選ぶ際には、めまい以外の症状にも着目して選ぶことも役に立ちます。[3]

めまい以外の症状漢方薬体質
立ちくらみ、動悸、息切れ 苓桂朮甘湯水滞(水毒)・気逆・虚証
頭痛、頭重感、胃腸が弱い、冷え性、疲れやすい半夏白朮天麻湯気虚・虚証
冷え性、下痢、足元がおぼつかない真武湯水滞(水毒)・虚証
口の渇き、むくみ、尿量減少五苓散水滞(水毒)・虚実間証
むくみ、冷え性、貧血 当帰芍薬散水滞(水毒)・血虚・瘀血・虚証
のぼせ、赤ら顔、更年期症状桂枝茯苓丸瘀血・気逆・虚実間証
首や肩のこり、高血圧、イライラしやすい釣藤散気虚・肝の失調・虚証

実際にYOJOでめまいの症状に悩む20〜50代の女性36人にアンケートを行ったところ、以下のようなお悩みが多かったです。(YOJO調べ:アンケート回答期間2022年10月〜2023年8月)

YOJOのアンケート調査によれば、めまいで悩まれている方は疲れやすい、ストレスやイライラを感じやすいというような症状にも悩まれている方が多いことがわかりました。また、めまいだけでなく、他にもさまざまな症状を感じる人が多いことも明らかになり、水滞(水毒)以外の他の体質も併せ持っている可能性があります。

【立ちくらみ・動悸がある人に】苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

苓桂朮甘湯は、水滞(水毒)を改善するとともに気の逆流(気逆)も改善する薬です。自律神経に対する調整作用もあります。[4]

服用がおすすめの人
虚証で体力がなく、のぼせ気味で神経質な人
に向いています。めまい・ふらつき・動悸があり、尿量が減少している人に適しています。立ちくらみ、メニエール病、良性発作性頭位めまい症にも有効です。[5]

配合生薬
茯苓(ぶくりょう)、桂皮(けいひ)、蒼朮(そうじゅつ)または白朮(びゃくじゅつ)、甘草(かんぞう)

使用上の注意
甘草が配合されているため、他の漢方薬と併用する時には重複に注意しましょう。低カリウム血症による不整脈、血圧上昇、むくみが現れることがあります。

【回転性めまい・むくみがある人に】五苓散(ごれいさん)

五苓散はめまいの原因と考えられている「水滞(水毒)」を改善する代表的な薬です。全身的なむくみや限局的なむくみを解消する作用があり、腎臓の細胞膜にあるアクアポリン4に働き、尿量を増やすことが示されています。また、目がぐるぐると回るような回転性めまいにも使用されます。特にめまいが急性の段階に効果があり、頓服薬として服用することも多い薬です。

服用がおすすめの人
口の渇きがありむくみがちで尿量が減少している人に向いています。回転性めまい、二日酔いなどの吐き気やむかつき、下痢、胃腸炎、頭痛、暑気あたりなどに用いられます。

配合生薬
沢瀉(たくしゃ)、猪苓(ちょれい)、蒼朮(そうじゅつ)または白朮(びゃくじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、桂皮(けいひ)

【ふらふらめまい・冷え性の人に】真武湯(しんぶとう)

真武湯は「水滞(水毒)」を改善する薬で、体を温め新陳代謝を活発にし水分の流れを改善します。歩く時に体がふらふらとするようなめまいに効果があります。
めまい及び身体動揺感のある患者14名を対象とした症例報告では、めまい及び身体動揺感の主観的自覚改善度合いを用いて有効性を評価したところ、真武湯を服用後14例中12例(85.7%)で症状の改善を認めたという報告があります。(改善例のうち2例がめまいの消失、6例が自覚症状の改善、やや改善が4例)[5]

服用がおすすめの人
新陳代謝が衰えた体力のない虚証の人に向いています。めまいやふらつき、冷え、むくみ、下痢や消化不良などの胃腸症状にも用いられます。歩く時に体がふわふわする、足元が頼りない感じがするようなめまいに特に用いられます。

配合生薬
茯苓(ぶくりょう)、芍薬(しゃくやく)、蒼朮(そうじゅつ)または白朮(びゃくじゅつ)、生姜(しょうきょう)、附子(ぶし)

使用上の注意
・体を温める附子を含むため、体力があり赤ら顔の実証の人や高熱・炎症がある人には向きません。
附子の副作用である舌のしびれ、動悸、悪心・嘔吐などの副作用が出る可能性があります。このような症状が現れた場合はすぐに服薬を中止しましょう。

真武湯の関連記事はこちら▼
関連記事:下痢に効く漢方薬はある?選び方やおすすめ市販薬も解説

【ふわふわめまい・胃腸が弱い人に】半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)

半夏白朮天麻湯は、胃腸が弱い人の「気虚」に伴うめまいや頭痛の改善に効果がある薬です。特に気滞傾向があり意欲が低下して気分が優れない人に有効で、服用すると日中は頭が冴えて夜はぐっすり眠れるようになります。[6]

服用がおすすめの人
冷え性で胃腸の弱く体力のあまりない虚証の人に向いています。頭痛、めまい、頭重感、悪心嘔吐などがある人に用いられます。

配合生薬
陳皮(ちんぴ)、半夏(はんげ)、白朮(びゃくじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、天麻(てんま)、黄耆(おうぎ)、沢瀉(たくしゃ)、人参(にんじん)、黄柏(おうばく)、生姜(しょうきょう)、乾姜(かんきょう)麦芽(ばくが)

【ふわふわめまい・更年期によるめまいに】当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

当帰芍薬散は婦人科三大漢方薬のひとつで、血の不足を補い、巡りを良くして水分のバランスを整える薬です。「水滞(水毒)」「血虚」「瘀血」を改善します。めまいの症状だけでなく、女性の婦人科疾患に幅広く用いられます。

服用がおすすめの人
虚証で体力がない人に向いています。寒がりで冷え、貧血、むくみ、肩こり、めまいなどがある人に適しています。更年期障害や月経不順、月経困難症、不妊症、妊娠中のむくみなどにも用いられます。

配合生薬
芍薬(しゃくやく)、沢瀉(たくしゃ)、蒼朮(そうじゅつ)または白朮(びゃくじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、川芎(せんきゅう)、当帰(とうき)

使用上の注意
当帰を含むため、胃腸の弱い人では、嘔吐、腹痛、下痢などが起こることがあります。

【更年期によるめまい・冷えのぼせがある人に】桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂枝茯苓丸は婦人科三大漢方薬のひとつで、婦人科系の諸症状によく用いられます。血の巡りが悪い状態である「瘀血」を改善する代表的な薬です。合わせて、気が逆流している状態である「気逆」も改善します。冷えのぼせがあり、頭痛、めまいがある更年期の症状によく用いられます。

服用がおすすめの人
がっちりとした体格で体力が中くらいの人
に向いています。赤ら顔で、下腹部が張る感じがある人の更年期症状(冷えのぼせ、めまい、頭痛、肩こり)、冷え性、月経不順、月経困難などに用いられます。

配合生薬
桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、桃仁(とうにん)、茯苓(ぶくりょう)、牡丹皮(ぼたんぴ)

使用上の注意
桃仁・牡丹皮血行を強く促すため、流早産の危険性があるので妊娠中の方は服用を控えましょう。

【頭痛を伴うめまい・イライラする人に】釣藤散(ちょうとうさん)

釣藤散は、体力が低下した状態である「気虚」やイライラや不安を引き起こす「肝の失調」を改善する薬です。中年以降の人の慢性的な頭痛に伴うめまいに用いられます。メニエール病にも用いられます。[5] 末梢の血流(微小循環)を改善する作用があることがわかっており、近年の臨床研究でも、緊張型頭痛や脳血管障害の慢性期の頭痛、それに伴う症状に対する効果が確認されています。[2]

服用がおすすめの人
体力が低下したあるいは中程度の中年以降の高血圧傾向のある人に向いています。慢性的な頭痛がありそれに伴いめまい、イライラ、肩こり、などがある人に用います。

配合生薬
石膏(せっこう)、釣藤鈎(ちょうとうこう)、陳皮(ちんぴ)、麦門冬(ばくもんどう)、半夏(はんげ)、茯苓(ぶくりょう)、菊花(きくか)、人参(にんじん)、防風(ぼうふう)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)

使用上の注意
甘草が配合されているため、他の漢方薬と併用する時には重複に注意しましょう。低カリウム血症による不整脈、血圧上昇、むくみが現れることがあります。
石膏を含むため、胃腸の弱い人では、嘔吐、腹痛、下痢などが起こることがあります。

漢方の飲み方の工夫や、他の漢方薬との飲み合わせについて詳しく知りたい方には、こちら▼の記事がおすすめです。

めまいにおすすめの市販の漢方薬

ドラッグストアで商品を選ぶ女性

病院へ行く時間がない、漢方薬を試してみたい方向けに薬局やドラッグストアで購入できるおすすめの市販の漢方薬をご紹介します。

「クラシエ」漢方苓桂朮甘湯エキス顆粒

引用元:クラシエHP

めまい・立ちくらみ・動悸がある人に

頭痛・ふらつき・めまいなどの原因と考えられる水滞(水毒)を改善する働きがあります。

分類 第2類医薬品
適応する人 体力中等度以下で、めまい、ふらつきがあり、ときにのぼせや動悸がある人
形状 顆粒剤
用法・用量 次の量を1日3回食前又は食間に水又は白湯にて服用してください。
成人(15歳以上):1回1包
7歳以上15歳未満:1回2/3包
4歳以上7歳未満:1回1/2包
2歳以上4歳未満:1回1/3包
2歳未満:1回1/4包
服用対象年齢 生後3ヶ月以上(生後3ヶ月未満は服用しないこと)
効能効果 立ちくらみ、めまい、頭痛、耳鳴り、動悸、息切れ、神経症、神経過敏
内容量 24包

ツムラ漢方五苓散顆粒

引用元:ツムラHP

むくみやすい人のめまいに

むくみやすい人に向いていて、水滞(水毒)を改善する代表的な漢方薬です。体力の有無に関わらずどの体質の人にも向いています。

分類 第2類医薬品
適応する人 体力に関わらず使用でき、のどが渇いて尿量が少ないもので、めまい、はきけ、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う人
形状 顆粒剤
用法・用量 次の量を1日3回食前又は食間に水又は白湯にて服用してください。
成人(15歳以上):1回1包
7歳以上15歳未満:1回2/3包
4歳以上7歳未満:1回1/2包
2歳以上4歳未満:1回1/3包
服用対象年齢 2歳以上(2歳未満は服用しないこと)
効能効果 水様性下痢、急性胃腸炎(しぶり腹注)のものには使用しないこと)、暑気あたり、頭痛、むくみ、二日酔
内容量 10包/48包

半夏白朮天麻湯エキス顆粒「クラシエ」

引用元:クラシエHP

胃腸が弱い人のめまい・頭痛に

気虚で胃腸が弱く冷えやすい人の水滞(水毒)を解消することで、めまいや頭痛を改善します。

分類 第2類医薬品
適応する人 体力中等度以下で、胃腸が弱く下肢が冷える人
形状 顆粒剤
用法・用量 次の量を1日3回食前又は食間に水又は白湯にて服用してください。
成人(15歳以上):1回1包
7歳以上15歳未満:1回2/3包
4歳以上7歳未満:1回1/2包
2歳以上4歳未満:1回1/3包
服用対象年齢 2歳以上(2歳未満は服用しないこと)
効能効果 頭痛、頭重、立ちくらみ、めまい、蓄膿症(副鼻腔炎)
内容量 90包

ツムラ漢方当帰芍薬散料エキス顆粒

引用元:ツムラHP

冷え性でむくみやすい人のめまいに・更年期症状にも

ふわふわとした浮動性めまいや更年期によるめまいに効果があります。

分類 第2類医薬品
適応する人 体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴える人
形状 顆粒剤
用法・用量 次の量を1日2回食前に水またはお湯で服用してください。
成人(15歳以上):1回1包
7歳以上15歳未満:1回2/3包
4歳以上7歳未満:1回1/2包
2歳以上4歳未満:1回1/3包
服用対象年齢 2歳以上(2歳未満は服用しないこと)
効能効果 頭痛、頭重、立ちくらみ、めまい、蓄膿症(副鼻腔炎)
内容量 20包/48包

メイマック(沢瀉湯)

引用元:小林製薬株式会社HP

繰り返し起こる目が回る回転性めまいに

医療用漢方エキス製剤にはない沢瀉湯(たくしゃとう)を有効成分とした商品です。利水作用のある沢瀉と白朮で構成され、水滞(水毒)を改善することにより平衡機能を正常化し、めまいを改善します。錠剤タイプです。

分類 第2類医薬品
適応する人 体力に関わらず、使用できる
形状 錠剤
用法・用量 次の量を1日2回食前又は食間に水又はお湯で服用してください
成人(15歳以上):1回3錠
服用対象年齢 15歳以上(15歳未満は服用しないこと)
効能効果 めまい、頭重
内容量 20包/48包

めまいの漢方薬に関するよくある質問

漢方薬

ふわふわめまい(浮動性めまい)に効く漢方薬は?

体がふわふわと浮いた感じがする浮動性めまいには、真武湯(しんぶとう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)などが用いられることが多いです。漢方薬を選ぶ時には、めまい以外の症状にも着目して選ばれます。

メニエール病に漢方薬は効きますか?

メニエール病とは、めまいと吐き気の発作が繰り返し起こる病気です。一般的には耳鳴りや難聴も伴うことがあります。この病気の原因として、内耳に内リンパ水腫ができて神経に圧迫がかかることが挙げられます。[7] 内リンパ水腫は内リンパ液の調節が正常に行われず、リンパ液が過剰にたまる状態を指します。漢方医学の視点では、「水滞(水毒)」と捉え、この状態を改善する漢方薬がメニエール病に効果を持つとされています。代表的なものに、五苓散(ごれいさん)、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、柴苓湯(さいれいとう)などがあります。[1] 

自律神経からくるめまいに効く漢方薬は?

自律神経の乱れの原因は、ストレス、更年期症状による女性ホルモンの変動、気圧の変化などが考えられます。これらの原因に合わせて、めまいのための漢方薬が選ばれることがあります。例えば、ストレスによる肝の不調には釣藤散(ちょうとうさん)や加味逍遙散(かみしょうようさん)が使われます。更年期症状が原因のめまいには当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)が考慮されます。気圧の変化によるめまいには五苓散(ごれいさん)などが効果的です。したがって、体質や原因に応じて適切な漢方薬が選ばれます。

更年期のめまいに効く漢方薬は?

更年期において、女性ホルモンの急激な減少によってホルモンバランスが乱れ、それに伴い自律神経の調子も乱れることでめまいの症状が現れることがあります。この女性ホルモンの乱れを整えて、めまいを軽減するための漢方薬としては、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、加味逍遙散(かみしょうようさん)などがあります。

五苓散はめまいに即効性がありますか?

五苓散は効果が現れるまでに1日〜7日程度かかる即効性のある漢方薬です。[8] 中には早い人では服用後1日で効果が出ることもあります。そのため、めまいが起きた時に飲む頓服薬として処方されることも多いです。

めまいの原因や個人の体質によって、選ばれる漢方薬が変わります。もし薬や体調に関して疑問や不安がある場合は、どうぞお気軽にYOJOの薬剤師にご相談ください。

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【参考文献】

[1]藤本 誠,嶋田 豊(2012):めまいの漢方治療.Equilibrium Res 71: 219―225
[2]嶋田豊著 NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版
[3]坪田 雅仁(2021)めまいの漢方診療 総論. Equilibrium Research. 80, p.292-295.
[4]嶺井聡ら(2019)苓桂朮甘湯が適応となる新たな病態に関する考察, 日本東洋医学雑誌.70(2)141-145
[5]伊藤美千穂編著 エビデンス・ベース漢方薬活用ガイド 第2版
[6]Phil漢方 漢方臨床レポート 天麻末の併用で新たに認識できた 半夏白朮天麻湯の向精神作用と 認知機能改善の可能性
[7]健康の森[日本医師会ホームページ]メニエル病
[8]五島 史行(2020).日耳鼻 123:1353-1357,耳鼻咽喉科診療で知っておくと役立つ漢方治療―パフォーマンス漢方―